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Activated Sludge ブログ ~日々読学~

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●小選挙区2勝2敗 ―――《沖縄は民意をほごにされてきた地だ。…民から政治が遠のいていった沖縄で、選挙や民意を語ることは難しい》

2021年11月16日 00時00分10秒 | Weblog

[↑ 辺野古破壊反対広告 (2021年06月06日、朝日新聞)]


――――――― (狙撃兵)《歴然としているのは、選挙に行かないこの5割の有権者こそが今日の政治状況を変えうる最大勢力であるという点だ。そのうち2~3割が動いて投票率が70~80%の選挙が展開されるだけでも局面はガラリと変わることになる》。#投票倍増委員会 会員として、いつも通り、当然に、#わたしも投票します

――――――― (金口木舌)《▼県民の諦めやため息を都合よく解釈し「これが民意だ」と断じるのは早合点ではないか政治に失望し、それでも一票に未来を託した民に政治の方が近づくべき時である。民意を論ずるのは、その後でいい》

――――――― (神保哲生さん)《ほとんど政治に変革が期待できない日本でも、選挙の投票率が先進国の平均レベルに達した瞬間に、大きな変革が起きているのです。つまり、どうせ政治に変革なんて期待できないから投票に行っても意味がない、のではなく、投票に行かないから政治が変わらないだけのことだったのです。そして、この低い投票率が、決してメディア報道とは無関係ではないことを…》

――――――― 故・石川真澄さん《『死票を大量に生む小選挙区制では民意を国会に反映できない』などと、小選挙区制導入に反対の論陣を張った》新聞記者

――――――― 中島岳志さん「今回の選挙の総括をまちがえてはいけない野党共闘が否定されたのではない野党共闘が徹底できなかったことが問題なのだ



(20211111[])
琉球新報のコラム【<金口木舌>沖縄で「民意」を論じる前に】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1419749.html)。

 《▼沖縄は民意をほごにされてきた地だ。「選挙しても、誰が勝っても何も変わらんよ」という言葉を幾度も聞いてきた。民から政治が遠のいていった沖縄で、選挙や民意を語ることは難しい》。

 小選挙区で2勝2敗だった沖縄。《「選挙しても、誰が勝っても何も変わらんよ」という言葉を幾度も聞いてきた…》、沖縄でさえそういう状況だ。でも、それでも、せめて何とかマトモな社会にしたいものなのだが…。《▼県民の諦めやため息を都合よく解釈し「これが民意だ」と断じるのは早合点ではないか政治に失望し、それでも一票に未来を託した民に政治の方が近づくべき時である。民意を論ずるのは、その後でいい》。

 自公お維コミの政治屋は《民を飢えさせない、安全な食べ物の供給、そして絶対に戦争をしないことが政治家の役目を担い得ない。選挙前から、分かりきっていたことだ。一方、野党4党の共通政策は《米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設中止》だった。つまり、自公お維に投票=《人柱》を許容することを意味するのに。与党・ゆ党と野党の明確な違いだったのに。
 アノ島尻安伊子氏が復活とはねぇ…あぁ、残念で仕方ない。(鈴木耕さん)《本音を言おう、口惜しいいいいいいいなあ……。》

   『●(ヨナオシフォーラム2020)《アベにスガるキシダメ内閣》よりも、
         #政権交代で命を守る新しい政権を! #わたしも投票します!
   『●経産省内閣復権でいいの? …デモクラシータイムス【総選挙の争点③
      どうするエネルギー EVと原発(古賀茂明×飯田哲也×山田厚史)】
   『●#VoiceProject #わたしも投票します #投票はあなたの声
      #投票倍増委員会 #YourVoteIsYourVoice #ImVotingToo
   『●「2/4」の選挙に行かない眠り猫の皆様が間接的に自公お維を
     支持する、それではいけない… #投票はあなたの声 #投票倍増委員会
   『●古舘寛治さん「『投票に行こう』というのが『異例』というなんて、
     どれだけ恐ろしい国なんだ。主権者は僕らなのに、みんなが黙っている…」
   『●神保哲生さん《…期待できないから投票に行っても意味がない、のでは
     なく、投票に行かないから政治が変わらないだけのことだったのです》
   『●あとの祭り…アベノカビマスク《当初は配布の目的を「品薄対策」と
     しながら、…「再流行への備え」を強調。批判の回避に懸命》だったが…
   『●あとの祭り…自公お維政治屋は《民を飢えさせない、安全な食べ物の
      供給、そして絶対に戦争をしないことが政治家の役目》を担い得ない
   『●脱メディアコントロールを! 《そもそも、野党に対して<批判ばかり>
        などと報道しているメディアは一体、何のために存在している》?
   『●《右も左も関係ない。シンプルに考えればいい。政治を私物化し、国の
      かたちを歪めてきた異常極まりない勢力は退場させなければならない》
   『●デタラメな選挙制度で《民意が示された》? ――――「岸田政権の
      下で、この国の未来をつくり上げてほしいとの民意が示された」?
   『●大阪の直接的・間接的お維支持者の皆さん、大阪「ト」知事三代らに
     イジメられることが快感にでもなっているの? それにしても酷い面子…

   『●御用マスコミまでもが喧伝する「立憲民主党敗北は野党共闘のせい」
        「野党は批判ばかり」…自公お維はよほど野党共闘が怖いのね?

 神保哲生さん《この低い投票率が、決してメディア報道とは無関係ではない》。
 アベ様のお膝元山口…長周新聞の記事【記者座談会 解散総選挙の結果から見えたこと 既存政治の窒息状況を反映 確かな光明も】(https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/22051)によると、《A 投票率は55・93%で、前回を2ポイント上回った程度で、戦後3番目に低い投票率となった。実に44%が投票そのものを棄権した。政権交代が起きた09年衆院選の投票率が69・28%だったのを考えても低調すぎる。有権者の5割近くがそっぽを向く趨勢に変化はなく、対立軸が明確でない既存勢力がキャスティングボートを握る政局にみなが辟易していることを物語っている》。

 数多のアベ様案件のアベ様がまだ国会議員で居る不思議。2万数千票が減ったとはいえ、山口4区の《民意》は…。
 同紙の記事【記者座談会 解散総選挙の結果から見えたこと 既存政治の窒息状況を反映 確かな光明も】(https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/22051)によると、《山口四区の衝撃 2万4400票も減らした安倍晋三 …山口4区の投票率は全国最低の48.64%。開票結果は、
  安倍晋三       8万448票
  竹村かつし(れいわ) 1万9096票
  大野頼子(無所属)  1万5836票
という内容だ。安倍晋三は前回の選挙で10万4824票を得ているので、実に2万4400票も減らした。10万票を切ったのは、小選挙区制に移行した、安倍晋三にとっては2回目の選挙となった96年総選挙(9万3459票)以来のことで、今回の8万票台ギリギリはかなり衝撃的な減らし方だ》。

 あとの祭り…政治家で居させてはいけないはずなのにねぇ、アベ様を。派閥の顔ね? 大丈夫? 細田氏は、議長であるにもかかわらず、壊憲の促進を口にするし。どいつもこいつも、誰一人としてマトモな議員が居ないアノ党。
 日刊ゲンダイの記事【安倍元首相の「派閥復帰・会長就任」は歓迎一色とはほど遠い…派内に流れる複雑な空気】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/297212)によると、《本人はうれしくて仕方ないらしい。予定通り、安倍元首相は「派閥」(清和会)に復帰し、会長に就くことになった。11日の派閥総会で正式決定し、自民党の最大派閥“細田派”は“安倍派”に衣替えする予定だ。細田派の西村康稔事務総長は「全会一致で歓迎する」とコメントしているが、派内は“歓迎一色”とはほど遠いという》。

   『●最「低」裁(鬼丸かおる裁判長)、
     沖縄に弁論もさせずに「政治判断」…「司法判断」出来ない死んだ司法
   『●斎藤貴男さん「人権を否定することに喜びを感じている変質者集団」
                      …「人権の砦」のはずが最「低」裁…
   『●アベ様のオトモダチのオトモダチを最高裁判事に任命? 
                「政治判断」乱発の最「低」裁からも忖度?
   『●あのアベ様のオトモダチのオトモダチ・木澤克之氏…
      《2017年最高裁判所裁判官国民審査》を迎える!!

 最「低」裁化していることに気づいてほしいよ、全く…特に沖縄に対して酷い。「×××××××××××」しか、あり得ないんです。
 東京新聞のコラム【ぎろんの森/国民審査を生かすために】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/141247?rct=discussion)によると、《最高裁裁判官を罷免できる国民審査制度は、主権在民の日本国憲法で設けられた貴重な制度です。活用しない手はありません。ただ、これまでも形骸化が指摘され、罷免された裁判官は一人もいません。「×」の割合も近年は10%を下回る状態で、今回も最も多い人で7・9%でした。最高裁で憲法に則した判決が下されているか、国民が常に目を光らせることで、憲法を生かすことができます。そのためにも、国民審査は十分な判断材料に基づいて行われなければなりません。各裁判官の情報をより詳しく伝えるのはもちろん、投票の際に資料を持ち込めるようにするなど工夫が必要です。有権者の判断をより的確に司法に反映するために何をすべきか》。

 《選挙で愚かな政権を選べば愚かな結果が生じる》、本当にそうです。何度、同じことを繰り返せばいいのでしょうか。
 ブログ【海鳴りの島から 沖縄・ヤンバルより…目取真俊/辺野古ゲート前で資材搬入に抗議/土砂の陸揚げ投入はなし/サンゴの移植は短時間行われる】(https://blog.goo.ne.jp/awamori777/e/42383867b6915bba455158f62fdeb7f1)によると、《海外では感染が拡大しているのに、自公政権は水際対策を緩めようとしている。選挙で愚かな政権を選べば愚かな結果が生じる。季節性要因を考えれば、ただでさえ冬に向かって感染が拡大するのに、海外から強い変異株を侵入させて被害を大きくするものだ。感染症対策をしっかりやって、人が集まれる今のうちにしっかり抗議したい》。

 《前政権のツケ 放置するな》と言うのならば、明らかに投票する先、投票した先が間違っている。自公お維コミに投票しても仕方なし。立憲主義や民主主義を破壊した者たちに投票して、どうするのだろうか?
 東京新聞の【<社説>第2次岸田内閣発足 前政権のツケ 放置するな】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1421683.html)によると、《まず新型コロナウイルス対策や経済対策が急務だ。同時に第1次内閣で手つかずに終わった長期政権のひずみを放置してはならない。あらためて立憲主義に基づいた多様で開かれた政治を求めたい。…9年近く続いた安倍・菅政権は権力の集中を生み、森友・加計問題、「桜を見る会」を巡る政治の私物化、「政治とカネ」の問題が表面化した。衆院選で自民、公明の与党は絶対安定多数を確保した。しかし、投票率が戦後3番目に低かった背景に、深刻な政治不信がある。岸田氏は自民党総裁選で「民主主義の危機」と表現した。数の力に頼った政治ではなく、主権者である国民の声に真摯に耳を傾けなければならない》。

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https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1419749.html

<金口木舌>沖縄で「民意」を論じる前に
2021年11月7日 05:00
金口木舌 衆院選2021 投票 自公政権

 先週末、80代半ばになる母が「今回は投票に行かない」と言い出した。「もう年だし。誰に入れればいいか分からないし」とごねるのをなだめすかして、投票所に連れていった

▼選挙の翌日になり愚痴をこぼす。別の選挙区の結果が不満らしく、「あの人には通ってほしくなかった」というのだ。勝手な言い草だが、気持ちは分からないでもない。来年は選挙がめじろ押し。またごねるだろうか

▼衆院選の投開票から今日で1週間。不思議な選挙であった。自公政権は続くが自民党幹事長は辞任し、立憲民主党代表も辞意を表明した。勝者は誰か。コロナ禍に翻弄(ほんろう)された有権者にとっても悩ましい選挙だった

▼投票率は小選挙区で55.93%と戦後3番目に低かった。ちなみに都道府県別のワーストは山口県の49.67%。言わずと知れた安倍晋三元首相のお膝元である。どう読み解けばよいだろうか、投票を棄権した人に聞いてみたい

沖縄は民意をほごにされてきた地だ。「選挙しても、誰が勝っても何も変わらんよ」という言葉を幾度も聞いてきた。民から政治が遠のいていった沖縄で、選挙や民意を語ることは難しい

▼県民の諦めやため息を都合よく解釈し「これが民意だ」と断じるのは早合点ではないか政治に失望し、それでも一票に未来を託した民に政治の方が近づくべき時である。民意を論ずるのは、その後でいい。
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●《人権を軽々に扱っている…。合憲違憲が争われた戦後の重要な民事裁判の記録多数を全国の裁判所が既に廃棄処分》

2019年08月24日 00時00分35秒 | Weblog


沖縄タイムスの【社説 [憲法裁判記録] 国民の共有財産 葬るな】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/455330)。
琉球新報の【<社説>憲法裁判の記録廃棄 後世の検証絶やす愚行だ】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-967343.html)。

 《裁判の記録が廃棄されていたことに、驚いた人は多かったのではないか。憲法に関わる戦後の重要な裁判記録の8割超が廃棄されていた…廃棄された中には、大田昌秀元県知事が在沖米軍基地強制使用に関する代行手続きを拒否した「代理署名訴訟」も含まれていた》。
 《人権を軽々に扱っていると思われても仕方がない。合憲違憲が争われた戦後の重要な民事裁判の記録多数を全国の裁判所が既に廃棄処分にしていることが判明した。代表的な憲法判例集に掲載された137件のうち廃棄されたのは118件(86%)に上る。保存は18件(13%)、不明1件という》。

   『●「最低裁」のコールが聞こえる…沖縄負担軽減担当相らの
            「辺野古が唯一の解決策」をオウム返しでしょう…
    《▼20年前の代理署名訴訟の最高裁判決の法廷で県側敗訴を
     言い渡したとき、傍聴席からは最低裁のコールがわき起こっ
     最高裁は再び同じ罵声を浴びることないよう沖縄の訴えに
     真摯(しんし)に向き合うべきだ

   『●「戦争屋のアベ様」やアノ木原稔氏のココロには
       響かない女性の訴え…「基地を造ったら沖縄が戦場になる」
    《▼大田さんは代理署名訴訟の最高裁で「行政の責任者として、さらに
     基地の強化・固定化を受け入れることは困難と拒否の正当性を訴え
     ▼安倍晋三首相は追悼の辞で沖縄の基地負担軽減を強調した。
     「現実の政治は言葉通りではない」(翁長知事)中で、首相の言葉を
     大田さんはどんな思いで聞いたのだろうか

 その時、《傍聴席からは「最低裁」のコールがわき起こった》。《人権を軽々に扱っていると思われても仕方がない。合憲違憲が争われた戦後の重要な民事裁判の記録多数を全国の裁判所が既に廃棄処分》《後世の検証を絶やす愚行》…アベ様らの憲法観がよく表れている。最「低」裁の裁判官は、いまや、安倍派ばかりと言われる。アベ様のオトモダチのオトモダチはオトモダチだ…加計問題、リテラの記事【安倍首相の親友が経営する“第二の森友”加計学園の関係者を最高裁判事に任命! 司法までオトモダチで支配】。オトモダチを好優遇し、そのオトモダチまでが…。

   『●最「低」裁(鬼丸かおる裁判長)、
     沖縄に弁論もさせずに「政治判断」…「司法判断」出来ない死んだ司法
   『●アベ様のオトモダチのオトモダチを最高裁判事に任命?  
                「政治判断」乱発の最「低」裁からも忖度?
   『●あのアベ様のオトモダチのオトモダチ・木澤克之氏… 
        《2017年最高裁判所裁判官国民審査》を迎える!!
   『●「完全に司法に影響を与えようとする露骨な圧力に
          ほかならない…暴挙」…着々と司法を掌握した効果
   『●ドロナワとオトモダチ大優遇問題: 
      「検察庁や裁判所も公務員であり、人事権が官邸にあるという弱点」
   『●壊れ行く最「低」裁…「これは「最高裁判決」に対する
         市民の反乱であり、その反乱が美しい形で決着した」
   『●御得意の証拠隠滅中? 内閣官房機密費についての 
        最「低」裁「一部開示」判決を無視してアベ様らは何を?』 
   『●司法判断放棄な内藤正之裁判長、 
     大飯核発電所《危険性は社会通念上、無視しうる程度にまで管理・統制》?
   『●「上告断念は、最高裁への抗議と不信任
     「最高裁にはもはや何も期待できない」」…アベ様支配の最「低」裁


 斎藤貴男さん、《人権を否定することに喜びを感じている変質者集団》与党自公や「癒」党お維…彼・彼女らに投票できる人たちの気が知れません。そして、いまや「人権の砦」《法の番人》のはずが最「低」裁…「司法判断」せずに、アベ様らのための「政治判断」を乱発する司法に成り下がった。「言論の府」も瀕死の状況ですものね。

   『●斎藤貴男さん「人権を否定することに喜びを感じている
           変質者集団」…「人権の砦」のはずが最「低」裁…』  

 東京新聞の社説【裁判記録廃棄 「司法史」は永久保存に】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019080802000174.html)によると、《判決文が残っても裁判過程の文書が失われれば、歴史的な検証が不可能になってしまう。司法史を刻んだ重要裁判は永久保存せねばならない。…学者らからは「歴史的な検証作業ができなくなった」と批判の声が上がっている。最高裁は「学術的な要望があれば保存されるが、学術研究者からの要望が多くなかった」と述べている》。

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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/455330

社説 [憲法裁判記録] 国民の共有財産 葬るな
2019年8月7日 07:59

 裁判の記録が廃棄されていたことに、驚いた人は多かったのではないか。

 憲法に関わる戦後の重要な裁判記録の8割超が廃棄されていたことが、共同通信の取材で明らかになった。

 廃棄された中には、大田昌秀元県知事が在沖米軍基地強制使用に関する代行手続きを拒否した「代理署名訴訟」も含まれていた。

 公権力の不当な行使に沖縄県民が異議を申し立てた裁判。沖縄のみならず、日本の裁判史の中でも極めて重要な訴訟だ。公正に裁判が行われたか検証する手がかりが失われたことになる。

 廃棄が分かったのは、代表的な憲法判例集に掲載された「裁判記録」137件のうちの118件(86%)。裁判記録とは、原告や被告が裁判所に提出した書類や法廷でのやりとりなど。判決文はおおむね残されていたが、審理過程を示すそれらの文書は廃棄されていた。

 憲法判断が示されたり、社会の耳目を集めるなど、後の史料や参考資料となる重要な裁判は特別保存として、原則永久保存することが裁判所の規定で義務付けられている

 通常の民事裁判は5年保存し廃棄される。重要裁判にもそれをそのまま適用し、特別保存しなかった形だ。廃棄は規定違反の疑いがある

 判例の一つ一つが社会を変え、歴史をつくってきた。そのすべての記録は国民の共有財産である。

 その意識の薄さが、ずさんな管理を招いたのではないか。国民の知る権利をないがしろにするものだ。

 重要な記録をあえて「捨てる」という行為は、歴史の審判を回避するものではないかと勘繰りたくなるほどだ。

    ■    ■

 重要裁判の記録保存は裁判所の内部規定で定められているだけだ。

 最高裁は「(廃棄は)各裁判所の個別の判断」としており、何を特別保存とするかも各裁判所任せだという。

 裁判記録を巡る基準は曖昧模糊(もこ)としており、今回の報道をきっかけに、最高裁は第三者委員会をつくり、保存の在り方について、厳格な制度づくりを進めるべきだ。

 米国では重要裁判記録は原則、永年保存される。

 多くの裁判所が記録をデータベース化し、登録すればインターネットで検索や閲覧、ダウンロードできるところもあり、利便性が高い。

 日本でも、裁判記録が効率的、適正に利用できる仕組みづくりが必要だ

    ■    ■

 「(外国系の)子どもたちの人生を変えたと思った。あの裁判、ちっぽけなことだったのか」

 フィリピン人の母を持つ三好真美さん(21)は日本国籍を求め、小学生のとき、国籍法違憲訴訟の原告として法廷に立った。国籍法改正につながった裁判記録が破棄されたことに戸惑いを隠さない。

 裁判記録は、原告の勇気ある訴えの軌跡だ。特に憲法裁判は基本的人権に関わることが多い。

 裁判記録に刻まれた人々の声が闇に葬られることがあってはならない。
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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-967343.html

<社説>憲法裁判の記録廃棄 後世の検証絶やす愚行だ
2019年8月7日 06:01

 人権を軽々に扱っていると思われても仕方がない。

 合憲違憲が争われた戦後の重要な民事裁判の記録多数を全国の裁判所が既に廃棄処分にしていることが判明した。

 代表的な憲法判例集に掲載された137件のうち廃棄されたのは118件(86%)に上る。保存は18件(13%)、不明1件という。

 驚くのは長沼ナイキ訴訟や麹町中学校内申書訴訟など著名な重要裁判も含まれていることだ。

 長沼ナイキ訴訟はミサイル基地建設を巡り、自衛隊の合憲性が争われ、一審の札幌地裁が違憲判断を示した。麹町中内申書訴訟は生徒の思想信条の自由が論じられた。

 裁判所の規定では通常の民事裁判の場合、判決の確定や和解後に一審の裁判所が5年間保存し廃棄する。一方で特別保存の仕組みもあり、史料または参考資料となるべき裁判記録を事実上永久保存とするよう義務付けている

 しかし特別保存は今回の調査では6件だけという。政教分離が争われた津地鎮祭訴訟、空港周辺住民が夜間の飛行差し止めを求めた大阪空港訴訟などだ。

 重要裁判にまで裁判所規定などを漫然と適用していたのか、不都合な記録と恣(し)(い)的に捨てたのか、廃棄処分に至った原因は判然としないが、不適切極まりない。専門家からも規定などに違反する疑いが指摘されている。

 とりわけ県民にとって重大な問題は代理署名訴訟の記録が廃棄されたことである。

 米軍用地への土地提供を拒む地主の代理で署名を求められた知事が拒否したため、国が提訴した。1995年12月、当時の大田昌秀知事が代理署名を拒否した背景には同年9月に起きた米兵による少女乱暴事件があった。

 地主の思想・良心の自由、財産権、地方自治などを争点にする一方で、守れなかった個人の尊厳を背景に憲法の在り方を鋭く問いただした訴訟である。訴訟に込められた意義からも、一連の裁判記録は県民のみならず、国民の財産となるべき資料だ。廃棄処分は歴史を検証する上で大きな損失である。

 代理署名訴訟を含め判決などの文書はおおむね残されているが、訴状をはじめ弁論の書面や答弁書、法廷でのやりとりの記録などは廃棄された

 国家など強大な権力を法で拘束するのが憲法である。市民が政府や、時にはそれに匹敵する企業などを相手に憲法の直接、間接の適用を求め基本的権利を決めていくのが憲法裁判だ。

 裁判記録には、勇気を奮い起こして強大な権力に立ち向かい、人間らしい労働条件や平和、表現の自由などを求めた市民の人権獲得の歴史も記されている

 判決に至る審理過程を振り返ることは重要だ。歴史的な公文書を廃棄処分にすることは後世の検証を絶やす愚行と言わざるを得ない。
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●ハタやウタを強制し内心をかき乱す…「良心か職か」、そんな冷たき「強制の発想」を支持する最「低」裁

2019年01月02日 00時00分00秒 | Weblog


東京新聞の社説【君が代判決 強制の発想の冷たさ】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018072502000159.html)。

 《卒業式で君が代を歌わなかったから定年後に再雇用されない。その不当を訴えた元教諭の裁判は一、二審は勝訴でも最高裁で負けた良心か職かを迫るそんな強制の発想に冷たさを覚える》

   『●日弁連声明: 都教委を擁護する東京高裁
   『●ハタとウタと東京都教委:
       強制しておいて、その記述を問題視するとは・・・

   『●どちらの国に生まれた子どもが幸せだろうか?
   『●音圧計でも持ち出しそうな勢い、
     たかがウタに「口パク」禁止令・監視命令・・・アホらしい

   『●石原慎太郎元東京「ト」知事の都市伝説はどうやら正しかったらしい
   『●「10・23通達」と教育破壊: 
     「石原都政では、教育行政も歪められた。…愛国心教育を強制」
   『●教員イジメ: 元東京「ト」知事の顔色を
        うかがってばかりいた東京「ト」教委、敗れる
    《吉田徹裁判長は「思想信条などに従って行われた行為を理由として
     不利益を課す際には特に慎重な考慮が求められる」と指摘。その上で
     都教委の判断を「職務命令違反があったことだけを不当に重視して
     教職員としての長年の経験や意欲を全く考慮しておらず、
     再雇用への期待を違法に侵害した」と判断》!
    「東京「ト」教委、敗れる……たかがハタやウタを強制し、教員イジメ。
     こんな「ト」な教育委員会なんて要らない」

 ハタやウタを強制し、教員の内心をかき乱す…それを支持する最「低」裁。最近、まともな司法判断をしたことがあるだろうか、最「低」裁? 三権分立を無視して、アベ様の政権に擦り寄り、忖度を繰り返す最「低」裁の堕落ぶり。アベ様は最高裁事務総局を支配し、その事務総長に、核発電《再稼動推進人事》などを乱発。一連の高江・辺野古破壊による沖縄イジメにおいても同様。もうこの国・ニッポンはなにもかも滅茶苦茶。

   『●「最低裁」のコールが聞こえる…沖縄負担軽減担当相らの
            「辺野古が唯一の解決策」をオウム返しでしょう…
    《▼20年前の代理署名訴訟の最高裁判決の法廷で県側敗訴を
     言い渡したとき、傍聴席からは最低裁のコールがわき起こった
     最高裁は再び同じ罵声を浴びることないよう沖縄の訴えに
     真摯(しんし)に向き合うべきだ

   『●最「低」裁(鬼丸かおる裁判長)、
     沖縄に弁論もさせずに「政治判断」…「司法判断」出来ない死んだ司法
   『●アベ様のオトモダチのオトモダチを最高裁判事に任命?  
                「政治判断」乱発の最「低」裁からも忖度?
   『●あのアベ様のオトモダチのオトモダチ・木澤克之氏… 
        《2017年最高裁判所裁判官国民審査》を迎える!!
   『●「完全に司法に影響を与えようとする露骨な圧力に
          ほかならない…暴挙」…着々と司法を掌握した効果
   『●ドロナワとオトモダチ大優遇問題: 
      「検察庁や裁判所も公務員であり、人事権が官邸にあるという弱点」
   『●壊れ行く最「低」裁…「これは「最高裁判決」に対する
         市民の反乱であり、その反乱が美しい形で決着した」
   『●御得意の証拠隠滅中? 内閣官房機密費についての 
        最「低」裁「一部開示」判決を無視してアベ様らは何を?』 
   『●司法判断放棄な内藤正之裁判長、 
     大飯核発電所《危険性は社会通念上、無視しうる程度にまで管理・統制》?
   『●「上告断念は、最高裁への抗議と不信任
     「最高裁にはもはや何も期待できない」」…アベ様支配の最「低」裁

    「《上告断念は、最高裁への抗議と不信任「最高裁にはもはや何も
     期待できない」》…アベ様に支配された最「低」裁に何の期待を持てようか。
     《大飯原発訴訟をめぐってこれまで最高裁による露骨な“再稼動推進人事”
     がなされるなど、異様な経過をたどってきた》《政府や電力会社に都合が
     悪い決定を下した樋口裁判官左遷代わりに最高裁がお墨付き与えた
     エリート裁判官たちを原発再稼働容認のために送り込んだのだ
     《つまり電力会社や政府が“国策”として目指す再稼働に都合の
     悪い裁判所や裁判官に対し人事権を発動し、その後釜として自分たちの
     コントロールのきく人物を、原発訴訟の担当として送り込んだ》。一連の
     高江・辺野古破壊を巡る沖縄イジメでも同様だ。それだけではない。
     例えば、「アベ様のオトモダチのオトモダチを最高裁判事に任命?
     「政治判断」乱発の最「低」裁からも忖度?」や
     「あのアベ様のオトモダチのオトモダチ・木澤克之氏…」、
     また、「「③山口厚」氏についても、問題が大あり」」

   『●「亡命」させられた辛淑玉さんは
     「一時帰国するにも勇気がいる…」とは、一体ニッポンはどんな国なのか?


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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018072502000159.html

【社説】
君が代判決 強制の発想の冷たさ
2018年7月25日

 卒業式で君が代を歌わなかったから定年後に再雇用されない。その不当を訴えた元教諭の裁判は一、二審は勝訴でも最高裁で負けた良心か職かを迫る。そんな強制の発想に冷たさを覚える。

 もともと一九九九年の国旗国歌法の成立時には、当時の小渕恵三首相が「新たに義務を課すものではない」と述べた。野中広務官房長官も「むしろ静かに理解されていく環境が大切だ」と。さまざまな思いへの理解と寛容があったのではないだろうか。

 だが、実際には異なった。東京では教育長が二〇〇三年に校長の職務命令に従わない場合は服務上の責任を問われる通達を出した。強制の始まりである

 入学式や卒業式は儀式であり、式典としての秩序や雰囲気が求められるのは十分に理解する。一方で国旗国歌に対し、「戦時中の軍国主義のシンボルだ考える人々がいることも事実である。教室には在日朝鮮人や中国人もいて、教師として歌えない人もいる数多くの教員が処分された

 憲法が保障する思想・良心の自由との対立である強制の職務命令は違憲でないのか。しかし、この問題は一一年に最高裁で「合憲」だと決着している。間接的に思想・良心の自由を制約するが、法令上の国歌の位置付けと公務員の職務を比較衡量すれば正当である。そんな理由だった。

 仮にその判断を前提にしても、重すぎる処分には断固として反対する。最高裁も一二年に「減給以上の処分には慎重な考慮が必要だ」と指摘した。思想信条での不利益だから当然である。

 今回の原告二十二人は〇七~〇九年に定年で再雇用を求めたが拒否された。現在の希望者全員が再雇用される制度の前だった。

 その点から最高裁は「希望者を原則として採用する定めがない。任命権者の裁量に委ねられる」とあっさり訴えを退けた

 失望する。一、二審判決では勤務成績など多種多様な要素を全く考慮せず、都教委は裁量権の逸脱、乱用をしたとした。その方が納得がいく

 再雇用は生活に重くかかわる。君が代がすべてなのか良心と職とをてんびんにかける冷酷な選別である。日の丸・君が代は自発的に敬愛の対象となるのが望ましいと思う。

 自然さが不可欠なのだ。高圧的な姿勢で押しつければ、君が代はややもすると「裏声」で歌われてしまう。
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●アベ様内閣が臨時国会召集せずで憲法53条無視…裁判所は司法判断? アベ様に忖度した「政治判断」?

2018年10月15日 00時00分16秒 | Weblog

[※ 「こんな人たち」 報道特集(2017年7月8日)↑]



東京新聞の桐山桂一さんのコラム【【私説・論説室から】憲法53条は国会の召集を】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2018092402000148.html)。

 《ただ「いつまでに」という召集時期が明示されていない。安倍晋三政権は野党の要求に三カ月以上も応じず、昨年九月になって、やっと召集したかと思えば、首相の所信表明演説もせず、衆院を冒頭で解散してしまった。憲法が長期にわたる召集の放置を許しているはずはなかろう…三カ月以上も国会が空白では、五三条は空文化する。三権分立も成り立たない。しっかりと司法判断してほしい。 (桐山桂一)》。

   『●アベ様に白紙委任を勘違いさせてはいけない:
      「A君が毎日、一人で掃除当番をする」という案が過半数に…
   『●「自席(自責じゃない)発言」を繰り返して
       「息吐く様に嘘つく」ような人がいちいち「反省」する訳がない
   『●「九十八日間もの臨時会の先延ばしこそ
       「加計隠し」だった」?(桐山桂一)…壮大な《もはやカルト》状態
    《皆さん、覚えていますか。昨年六月二十二日に野党議員が臨時国会の
     召集を求めたことを。憲法五三条では、いずれかの議院で総議員の
     四分の一以上の要求があれば、内閣は召集を決定せねばならない
     衆参両院ともこの要件を満たしていた。学校法人「加計学園」問題などを
     追及するためだった。だが、安倍晋三内閣は憲法を無視するがごとく、
     臨時会の召集を先へ先へと延ばした。その日数、実に九十八日だった
     召集は九月二十八日に実現したものの、何と質疑をしないで、
     冒頭で解散してしまった》

 本年2018年5月16日の毎日新聞の記事【臨時国会先送り訴訟 国側、争う姿勢 地裁 /岡山】(https://mainichi.jp/articles/20180516/ddl/k33/040/477000c)によると、《森友・加計学園問題を追及するために野党が求めた臨時国会を安倍晋三内閣が3カ月以上召集しなかったのは憲法違反だとして、立憲民主党の高井崇志衆院議員(48)=比例中国=が国家賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が15日、岡山地裁(善元貞彦裁判長)であり、被告の国側は争う姿勢を示した。国側は、詳しい反論を今後明ら…》…だそうです。

 アベ様は国会の追求から逃げた訳です。
 《…三カ月以上も国会が空白では、五三条は空文化する。三権分立も成り立たない。しっかりと司法判断してほしい。 (桐山桂一)》…でも、この国の裁判所は「司法判断」せずに、「政治判断」を乱発するからなぁ…。明確な違憲行為を裁判所が許容し、アベ様に忖度するようなことにならなければいいけれど。

   『●辺野古高江裁判とヒラメ…
     《「人権のとりで」としての司法がその役割を果たさず、行政と一体化すれば…》
   『●「基地の偏在を沖縄が訴えても「裁判所はほとんど答えない」」…
                「政治判断」しかできない司法の悲劇
   『●レトリックを吹聴する…「政治判断」乱発な最「低」裁を
          頂点とする裁判所の劣化がニッポンをメルトダウン
   『●最「低」裁(鬼丸かおる裁判長)、
     沖縄に弁論もさせずに「政治判断」…「司法判断」出来ない死んだ司法
   『●アベ様のオトモダチのオトモダチを最高裁判事に任命?  
                「政治判断」乱発の最「低」裁からも忖度?
   『●司法判断放棄な内藤正之裁判長、 
       大飯核発電所《危険性は社会通念上、無視しうる程度にまで管理・統制》?

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2018092402000148.html

【私説・論説室から】
憲法53条は国会の召集を
2018年9月24日

 憲法五三条は臨時国会の召集を定める。その解釈をめぐる初の裁判が岡山地裁で進んでいる。野党議員が起こした訴訟だ。

 きっかけは森友・加計学園問題の真相を解明しようと野党が昨年六月に臨時国会の召集を求めたことだ。五三条では衆参いずれか四分の一以上の議員から要求があれば、内閣は召集を決定しなければならない、とする。

 ただ「いつまでに」という召集時期が明示されていない。安倍晋三政権は野党の要求に三カ月以上も応じず、昨年九月になって、やっと召集したかと思えば、首相の所信表明演説もせず、衆院を冒頭で解散してしまった。

 憲法が長期にわたる召集の放置許しているはずはなかろう。例えば衆院選後の特別国会は三十日以内の召集であり、自民党の改憲草案では臨時国会召集を「遅くとも二十日以内と記す。そのあたりが合理的な期間ではないだろうか。だから野党議員は「違憲だ」とし国に損害賠償を求めたわけだ。

 だが、十八日の口頭弁論で国側は書面で「召集時期の判断は高度に政治性を持ち、司法審査権は及ばない」と主張した。「政治的責任のみで法的責任はない」とも。驚く。そもそも内閣が速やかに臨時国会を開いていれば済んだ話ではないか。

 三カ月以上も国会が空白では、五三条は空文化する。三権分立も成り立たない。しっかりと司法判断してほしい。 (桐山桂一
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●「亡命」させられた辛淑玉さんは「一時帰国するにも勇気がいる…」とは、一体ニッポンはどんな国なのか?

2018年08月06日 00時00分26秒 | Weblog


沖縄タイムスの【阿部岳記者のコラム[大弦小弦]辛淑玉(シンスゴ)さんが「すみません……すみません」】(http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/287389)。

 《番組「ニュース女子」は辛さんと沖縄の基地反対運動へのデマを並べていた ▼なぜ辛さんが謝るのか。東京での記者会見の動画を見て浮かんだ疑問は、すぐ解けた。MXは表面的にせよ辛さんに謝罪したが、沖縄にはしなかった。それを受け入れた自分を責めていた…こう言った。今回だけは助けてください。支えがなければ闘いきれません」。沖縄から、何ができるだろう》。

 未だ終息せず。酷いものである。辛淑玉さんは、ドイツに「移住・亡命を余儀なく」させられる始末。《一時帰国するにも勇気がいる》とは、一体ニッポンはどんな国なのか。〝罰〟を受けるべきは、一体どちらなのか?
 ヘイト屋・デマ屋の醜さ、醜態、醜悪さ…《態度・人間性・思考のお粗末さ》、どうにかならないものか。

   『●百田尚樹氏、沖縄の地で「デマを並べ、
      沖縄への米軍基地集中を正当化」…態度・人間性・思考のお粗末さ
   『●放送法「四条の規律を撤廃することは、
     自由の拡大ではなく、自由縮小」…報道へのアベ様の不当な政治介入
    《政治的公平などを定めた四条を撤廃するという。政権に親和的な番組が
     増えるという狙いが透けて見える気がする…四条の規律を撤廃することは、
     自由の拡大ではなく自由縮小につながる恐れがある…国民の信頼が
     薄れることは放送の自由の縮小である》
    「簡単に言えば、こんな番組だらけにするつもり」

   『●「アベ様広報」…安田浩一さん「現地の人に話を聞く、
         裏取りするという取材の基本ができていない…デマ」
    「沖縄タイムスの記事【津田大介さん・安田浩一さん、「ニュース女子
     問題でMXテレビ出演辞退】…《田大介さんと安田浩一さんが
     18日までに同局が放送する別のニュース番組への出演を辞退した。
     「取材がずさんで事実でない」「報道に値しない」と2日の番組を批判している》」

   『●東京MXテレビ「沖縄デマ」宣伝…
     「目的がデマの拡散による沖縄の反基地運動への不信あおりにあった」
    「【海鳴りの島から 沖縄・ヤンバルより… 目取真俊東京MXテレビ
     「ニュース女子」の虚偽報道に対する抗議の記者会見。】…
     《殴られた女性はカヌーメンバーでもあるので、二日後に怪我の様子を見た。
     顔に青黒いあざができて痛ましかった。番組の視聴者の大半は
     そういうことを知らないだろう。反対派の暴力などとよく番組で扱えたものだ
     こういうメンバーをそろえること自体番組の目的がデマの拡散による
     沖縄の反基地運動への不信あおりにあったことを示している》」

   『●確信犯…「ジャーナリストが極右的言動で
      活躍しはじめたことのほうが、より事態の深刻さを物語っている」

 一方で、(特に、沖縄では)政治判断乱発な裁判所にも、真っ当な司法判断なんて全く期待できないときている。残念ながら、道は多難だ。だからこそ、《「今回だけは助けてください。支えがなければ闘いきれません」。沖縄から、何ができるだろう》…ということ。
 ブログ【海鳴りの島から 沖縄・ヤンバルより…目取真俊/辛淑玉さんの裁判を応援する。】(https://blog.goo.ne.jp/awamori777/e/e3ae6e9bdf3c1b30e1c4d5848c59090e)では、《提訴することで、辛さんに対するネトウヨ・ファシストどもの攻撃は一段と強まるそれを覚悟でさらに一歩踏み出すことは、大変な勇気と覚悟が要っただろう下らない奴らを相手にするために、貴重な時間を費やすことへの虚しさや怒りも込み上げているだろう。沖縄にいて支援できることは限られているが、辛さんへの攻撃をはじめ、ネトウヨ・ファシスト勢力の沖縄や在日、アイヌ、その他への差別と暴力を許さないために、力を尽くしたい憎悪を向けられている者が泣き寝入りし、逃げていたら、いつか実体的に抹殺される》。
 マガジン9のコラム【鈴木耕 言葉の海へ/第40回:ある記者会見で…】(http://maga9.jp/180725-2/)によると、《辛淑玉共同代表は、BPO放送倫理委員会に名誉棄損の申し立てを行いました。昨年12月にはBPO放送倫理委員会で重大な放送倫理違反があったと判断。今年3月の放送人権委員会でも「人権侵害という一番重い勧告をしました。これを受けてTOKYO MXは辛淑玉共同代表に7月20日午前、謝罪することになりました。その謝罪を受けての報告、さらに「ニュース女子」を直接制作したDHCテレビへの対応について…。そして辛淑玉さんは、涙声で次のように締めくくった。 「今回だけは助けてください。支えがなければ闘いきれません」  ぼくは、辛淑玉さんと「のりこえねっと」の闘いを、強く支持する》。

   『●「最低裁」のコールが聞こえる…沖縄負担軽減担当相らの
            「辺野古が唯一の解決策」をオウム返しでしょう…
    《▼20年前の代理署名訴訟の最高裁判決の法廷で県側敗訴を
     言い渡したとき、傍聴席からは最低裁のコールがわき起こった
     最高裁は再び同じ罵声を浴びることないよう沖縄の訴えに
     真摯(しんし)に向き合うべきだ

   『●最「低」裁(鬼丸かおる裁判長)、
     沖縄に弁論もさせずに「政治判断」…「司法判断」出来ない死んだ司法
   『●アベ様のオトモダチのオトモダチを最高裁判事に任命?  
                「政治判断」乱発の最「低」裁からも忖度?
   『●あのアベ様のオトモダチのオトモダチ・木澤克之氏… 
        《2017年最高裁判所裁判官国民審査》を迎える!!
   『●「完全に司法に影響を与えようとする露骨な圧力に
          ほかならない…暴挙」…着々と司法を掌握した効果
   『●ドロナワとオトモダチ大優遇問題: 
      「検察庁や裁判所も公務員であり、人事権が官邸にあるという弱点」
   『●壊れ行く最「低」裁…「これは「最高裁判決」に対する
         市民の反乱であり、その反乱が美しい形で決着した」
   『●御得意の証拠隠滅中? 内閣官房機密費についての 
        最「低」裁「一部開示」判決を無視してアベ様らは何を?』 
   『●司法判断放棄な内藤正之裁判長、 
       大飯核発電所《危険性は社会通念上、無視しうる程度にまで管理・統制》?
   『●「上告断念は、最高裁への抗議と不信任
     「最高裁にはもはや何も期待できない」」…アベ様支配の最「低」裁

    「《上告断念は、最高裁への抗議と不信任「最高裁にはもはや何も
     期待できない」》…アベ様に支配された最「低」裁に何の期待を持てようか。
     《大飯原発訴訟をめぐってこれまで最高裁による露骨な“再稼動推進人事”
     がなされるなど、異様な経過をたどってきた》《政府や電力会社に都合が
     悪い決定を下した樋口裁判官左遷し代わりに最高裁がお墨付き与えた
     エリート裁判官たちを原発再稼働容認のために送り込んだのだ
     《つまり電力会社や政府が“国策”として目指す再稼働に都合の
     悪い裁判所や裁判官に対し人事権を発動し、その後釜として自分たちの
     コントロールのきく人物を、原発訴訟の担当として送り込んだ》。一連の
     高江・辺野古破壊を巡る沖縄イジメでも同様だ。それだけではない。
     例えば、「アベ様のオトモダチのオトモダチを最高裁判事に任命?
     「政治判断」乱発の最「低」裁からも忖度?」や
     「あのアベ様のオトモダチのオトモダチ・木澤克之氏…」、
     また、「「③山口厚」氏についても、問題が大あり」」

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http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/287389

阿部岳記者のコラム[大弦小弦]辛淑玉(シンスゴ)さんが「すみません……すみません」
2018年7月23日 10:42

 言葉を詰まらせ、辛淑玉(シンスゴ)さんが「すみません…すみません」とうつむいた。東京MXテレビから謝罪された20日のこと。番組「ニュース女子」は辛さんと沖縄の基地反対運動へのデマを並べていた

▼なぜ辛さんが謝るのか。東京での記者会見の動画を見て浮かんだ疑問は、すぐ解けた。MXは表面的にせよ辛さんに謝罪したが、沖縄にはしなかった。それを受け入れた自分を責めていた

▼沖縄で辛さんに話を聞いたことがある。「私が攻撃されるだけなら、諦められる。今回は大切な沖縄の人たちを泣かせたから、嫌でも闘うしかなかった」。終始、沖縄のことが頭にあった

▼本当は、自身が深く傷ついていた。在日コリアンという出自へのヘイトを地上波でまき散らされ、悪意と攻撃が身の回りに直接迫った。仕事も生活も捨て、ドイツに実質的に亡命せざるを得なかった

一時帰国するにも勇気がいる。それでも会見では、番組を制作した「本丸」のDHCテレビジョンと司会者を名誉毀損(きそん)提訴すると発表した。MXの謝罪受け入れも、その布石だという

▼「この先にあるのはジェノサイド(民族大量虐殺)」「原告たり得る私がやらなければ」。毅然(きぜん)と振る舞う辛さんが、こう言った。「今回だけは助けてください。支えがなければ闘いきれません」。沖縄から、何ができるだろう。(阿部岳
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●「上告断念は、最高裁への抗議と不信任「最高裁にはもはや何も期待できない」」…アベ様支配の最「低」裁

2018年08月05日 00時00分43秒 | Weblog


リテラの記事【大飯原発再稼働判決の裏側!運転差し止めの一審を覆した裁判所の策謀とは?一審判事の左遷、高裁判事と政権の関係…】(http://lite-ra.com/2018/07/post-4134.html)。

 《関西電力大飯原発3、4号機の運転差し止め訴訟が新たな局面を迎えている。7月4日、住民らが運転差し止めを求めた訴訟の控訴審で、名古屋高裁金沢支部(内藤正之裁判長)が1審の運転差し止め判決を破棄し、差し止めを認めない逆転判決を言い渡したのだ》。

   『●司法判断放棄な内藤正之裁判長、
       大飯核発電所《危険性は社会通念上、無視しうる程度にまで管理・統制》?
    《内藤正之裁判長は「新規制基準に適合するとした原子力規制委員会の
     判断に、不合理な点は認められない。大飯原発の危険性は社会通念上、
     無視しうる程度にまで管理・統制されている」と述べ、運転差し止めを
     命じた一審福井地裁判決を取り消し、住民側の請求を棄却
     「…その当否の判断はもはや司法の役割を超え、国民世論として幅広く
     議論され、立法府や行政府による政治的な判断に委ねられるべきだ」」》
    《住民の人格権を尊重し、関西電力大飯原発3、4号機の運転差し止めを
     認めた一審の判断は、いともあっさり覆された。「原発の是非は政治に委ねる」
     という裁判所。一体誰のためにある?》
    「司法判断を放棄するとはねぇ。沖縄同様、ここでも政治判断を乱発する
     つもりかね。なんのための裁判所なのか? しかも、内藤正之裁判長殿は、
     大飯核発電所の《危険性は社会通念上、無視しうる程度にまで管理・統制
     されている》…だってさ? 一体どんな社会通念なの? 《普通の社会通念》
     すら持ち合わせていないらしい。
       福井地裁樋口英明裁判長)の判決があ~ぁ…。内藤正之裁判長は
     司法判断を放棄し、政治判断しちゃったョ。」

 本来独立すべき政権にばかり忖度し、政治判断しかできず、司法判断放棄な内藤正之裁判長。
 《上告断念は、最高裁への抗議と不信任「最高裁にはもはや何も期待できない」》…アベ様に支配された最「低」裁に何の期待を持てようか。《大飯原発訴訟をめぐってこれまで最高裁による露骨な“再稼動推進人事”がなされるなど、異様な経過をたどってきた》《政府や電力会社に都合が悪い決定を下した樋口裁判官を左遷し代わりに最高裁がお墨付き与えたエリート裁判官たちを原発再稼働容認のために送り込んだのだ》《つまり電力会社や政府が“国策”として目指す再稼働に都合の悪い裁判所や裁判官に対し人事権を発動し、その後釜として自分たちのコントロールのきく人物を、原発訴訟の担当として送り込んだ》。一連の高江・辺野古破壊を巡る沖縄イジメでも同様だ。それだけではない。例えば、「アベ様のオトモダチのオトモダチを最高裁判事に任命? 「政治判断」乱発の最「低」裁からも忖度?」や「あのアベ様のオトモダチのオトモダチ・木澤克之氏…」、また、「「③山口厚」氏についても、問題が大あり」。
 行政だけでなく、立法も掌握し、司法までもその手に。最高裁が最「低」裁に成り下がり、まともな司法判断さえできない法治国家は、最早、独裁国家。与党自公や癒党お維キト残党を支持している皆さんのオメデタサよ。

   『●①福井地裁「高浜仮処分」取消の背景《政府の意向》に従う
             《各裁判所の人事権を握る最高裁の意向が反映》
   『●②福井地裁「高浜仮処分」取消の背景《政府の意向》に従う
             《各裁判所の人事権を握る最高裁の意向が反映》

   『●「最低裁」のコールが聞こえる…沖縄負担軽減担当相らの
            「辺野古が唯一の解決策」をオウム返しでしょう…
    《▼20年前の代理署名訴訟の最高裁判決の法廷で県側敗訴を
     言い渡したとき、傍聴席からは最低裁のコールがわき起こった
     最高裁は再び同じ罵声を浴びることないよう沖縄の訴えに
     真摯(しんし)に向き合うべきだ
   『●最「低」裁(鬼丸かおる裁判長)、
     沖縄に弁論もさせずに「政治判断」…「司法判断」出来ない死んだ司法
   『●アベ様のオトモダチのオトモダチを最高裁判事に任命?  
                「政治判断」乱発の最「低」裁からも忖度?
   『●あのアベ様のオトモダチのオトモダチ・木澤克之氏… 
        《2017年最高裁判所裁判官国民審査》を迎える!!
   『●「完全に司法に影響を与えようとする露骨な圧力に
          ほかならない…暴挙」…着々と司法を掌握した効果
   『●ドロナワとオトモダチ大優遇問題: 
      「検察庁や裁判所も公務員であり、人事権が官邸にあるという弱点」
   『●壊れ行く最「低」裁…「これは「最高裁判決」に対する
         市民の反乱であり、その反乱が美しい形で決着した」
   『●御得意の証拠隠滅中? 内閣官房機密費についての
        最「低」裁「一部開示」判決を無視してアベ様らは何を?

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http://lite-ra.com/2018/07/post-4134.html

大飯原発再稼働判決の裏側!運転差し止めの一審を覆した裁判所の策謀とは?一審判事の左遷、高裁判事と政権の関係…
2018.07.18

     (関西電力HPより)

 関西電力大飯原発3、4号機の運転差し止め訴訟が新たな局面を迎えている。7月4日、住民らが運転差し止めを求めた訴訟の控訴審で、名古屋高裁金沢支部(内藤正之裁判長)が1審の運転差し止め判決を破棄し、差し止めを認めない逆転判決を言い渡したのだ。

 控訴審で最大の争点となったのが基準地震動(耐震設計の目安とする揺れ)が適切かどうかだ。昨年4月、原告側が証人として申請した地震学者の島崎邦彦・元原子力規制委員会委員長代理は、関電が使用している計算式は、揺れの想定を「過小評価している可能性がある」とし、「大変な欠陥がある」と指摘した。しかし裁判所はその後住民側が行った証人7人の尋問をすべて却下。そして大飯原発は原子力規制委員会の新規制基準に適合しているとして「原発の危険性は社会通念上無視できる程度にまで管理・統制されている」と、運転差し止めを認めなかったのだ。

 まさに裁判所による暴挙としか言いようがない。しかし今回の高裁判決は、ある意味既定路線と言っていい。というのも、大飯原発訴訟をめぐってこれまで最高裁による露骨な“再稼動推進人事”がなされるなど、異様な経過をたどってきたからだ。

 大飯原発訴訟が大きな注目を浴びたのは2014年5月、福井地方裁判所の樋口英明裁判長(当時)が3、4号機の運転差止めという画期的判決を出したことだった。しかし、この判決後、露骨な圧力を思わせる事態が起こる。差止め判決を出した樋口裁判長は大飯原発訴訟の後、高浜原発の差止め訴訟を担当。2015年4月に高浜原発再稼働差し止めの仮処分を出すのだが、その直後、名古屋家裁に“懲罰左遷”されてしまったのだ。そして後任の林潤裁判長(当時)は、樋口判決を覆し高浜原発の再稼働を決定する。

 樋口裁判長の左遷だけでなく、林裁判長の着任も露骨なまでに政治的なものだった。林裁判長はそれまでに東京・大阪・福岡と都市圏の高裁と地裁の裁判官を歴任、また裁判所の人事権を握る最高裁事務総局にも席を置いたことがあるエリート。さらに、林裁判長と一緒に高浜原発再稼働を認めた左右陪席の2人の裁判官もまた最高裁判所事務局での勤務経験があるエリート裁判官だった。そんなエリート裁判官たちが福井地裁に赴任するというのは、通常ならあり得ないこと。つまり、政府や電力会社に都合が悪い決定を下した樋口裁判官を左遷し代わりに最高裁がお墨付き与えたエリート裁判官たちを原発再稼働容認のために送り込んだのだ

 そして注目すべきは、今回の大飯原発訴訟を巡っても、同様の“再稼働推進人事”がなされていたたことだ。2014年5月の樋口判決後、控訴審の審理が始まる前の進行協議で、当時の高裁裁判長は関電側に厳しい態度を取ったほどなくその裁判長は転勤となり、次に着任してきたのが今回の判決を下した内藤裁判長だった。内藤裁判長は、当時の最高裁事務総局のトップである事務総長で現在は最高裁判事の戸倉三郎氏の司法修習同期の裁判官で、かつ大学の同窓でもある間柄なのだ。

 つまり電力会社や政府が“国策”として目指す再稼働に都合の悪い裁判所や裁判官に対し人事権を発動し、その後釜として自分たちのコントロールのきく人物を、原発訴訟の担当として送り込んだということだ。

 実際、内藤裁判長は訴訟指揮を放棄するかのように、裁判所が双方の言い分が噛み合っているか、疑問があるかなど精査、指揮する争点整理もせず、そのため関電側は弁護団が提起した問題点にまともに答えないことも多かったという。そして前述のように原告側証人として出廷した島崎氏が数々な疑問点を指摘したにもかかわらず、その解明を行うどころか、裁判官は島崎氏に一言も質問することなく証人尋問を終え、住民側が求めた証人尋問を全て却下、その挙句、樋口判決を簡単に覆してしまった


■住民側弁護団長・島田広弁護士が語る、大飯原発逆転再稼働判決の問題点

     (島田広弁護団長)

 本サイトでは、大飯原発再稼働を目前に控えた今年3月に住民側弁護団長の島田広弁護士に訴訟の状況についてインタビューし、再稼動にひた走る政府と電力会社を忖度しているとしか思えない裁判所の醜悪な姿をお伝えした。

 今回の暴挙としか言いようがない判決についても、あらためて住民側弁護団長の島田弁護士に訊いた。


──今回の高裁判決で、画期的だった樋口判決が覆ってしまった。判決の問題点とは?

島田
 大飯原発は、耐震設計の基準とする地震動“基準地震動”は過去に起きた地震の平均値に設定されています。今回の判決で裁判所は「大飯原発に基準地震動の1.8倍を超えるような大地震がくる」ということの可能性は否定していないのです。そして地震の予知は困難でありデータも少ないことは認めている。にもかかわらず、そういった地震の危険について判断するのは政策的判断だと逃げてしまったことです。これまでの裁判所の態度から、裁判を進めず、原子力規制委員会の安全審査の結果だけを待っているという印象を持っていましたが、その通りになりました。判決では「原子力規制委員会の新規制基準に違法・不合理な点はなく、大飯原発が同基準に適合するとした判断にも不合理な点はない」として「原発の危険性は社会通念上無視できる程度にまで管理・統制されている」とありますが、社会通念とはつまり法制度であり、原子力規制委員会の判断だと言わんばかりの内容です。原子力規制委員会がお墨付きをつけているのだから、運転差し止めなど認めない。そんな“判断の枠組み”を作って、そこでしか判断しないということです。そのことがもっとも大きな問題です」


──最高裁事務総長だった戸倉氏と関係の深い内藤裁判長だったことはやはり影響したのでしょうか。

「それが直接どう影響しているかというのは外部からは伺い知れないことですし、わかりません。しかし客観的に見て、そういう人事があり、結果として非常に不当な判決となった。因果関係があると疑われても仕方がない、そんな状況にあるのは間違いないでしょう」


■上告断念は、最高裁への抗議と不信任「最高裁にはもはや何も期待できない」

 こうした裁判所の暴挙だが、16日には原告住民側は高裁判決を「不当判決」と糾弾しつつ、しかし最高裁への上告を断念した。その理由も裁判所への強い不信感からだった。

 住民側の声明文では、裁判所が「司法の責任を投げ捨て、福島第一原発事故の引き起こした現実から目を背け、正当な科学的議論にも背を向けて下された」と不当判決に対する「心の底からの怒り」を表明した。その上で最高裁が原発訴訟を担当する裁判官の研究会を開催し、「規制委員会の審査結果を尊重すべき」というメッセージを発してきたこと、樋口裁判官の後任として最高裁事務総局経験者のエリートを送り込むなど人事権を濫用して露骨な裁判への介入をしてきたことなどを指摘。「このような状況のもとで、もしも上告すれば、福島第一原発事故以後、初の最高裁の判断が示され、全国の裁判闘争に大きな影響を与える」と「不当な最高裁判決を出させないこと」が、「現状での最良の戦術的選択」だという苦渋の判断をしたことを明らかにしている。

 さらにこの判断は、「原発訴訟について今の最高裁にはもはや何も期待できない」という「最高裁に対する抗議と不信任の突きつけ」であるとし、今後も原発運転を差し止めた一審の樋口判決の精神を継ぎつつ、運動を続けていくとも表明した。

 司法の責任放棄に対する最大限の抗議ともいえる今回の上告断念だが、本サイトでも再三指摘してきたようにこうした裁判所の再稼働容認の姿勢の背後には政府の意向があることは明らかだ。

 科学的知見に基づいたリスクも一切無視し、再稼働に邁進する政権を含めた原子力ムラ忖度しお墨付きを与える司法。第二の福島原発事故が起きれば、その犠牲になるのは政権幹部でも原子力ムラの面々でもなく、多くの住民だということを忘れないでもらいたい。

(編集部)
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●辺野古高江裁判とヒラメ…《「人権のとりで」としての司法がその役割を果たさず、行政と一体化すれば…》

2018年03月24日 00時00分10秒 | Weblog


沖縄タイムスの【社説[辺野古・高江裁判]見せしめが萎縮を生む】(http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/223080)。
琉球新報の【<社説>山城議長有罪判決 問われるべきは政府だ】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-682635.html

 《名護市辺野古の新基地建設などに対する抗議行動を巡り、公務執行妨害や威力業務妨害の罪などに問われた山城博治・沖縄平和運動センター議長(65)ら3人の判決公判…那覇地裁は、山城議長に懲役2年、執行猶予3年(求刑懲役2年6月)の有罪判決を言い渡した》。
 《有罪判決は、新基地反対の民意を力で封じている政府の姿勢裁判所がお墨付きを与えるものであり、納得できない。表現の自由集会の自由など憲法が保障する権利を認めず国連の人権基準にも抵触するような判決は受け入れられない》。


   『●異常な日々…「異常な状態が続く」山城博治さん長期「拉致」、
                         そして、いま、野蛮な辺野古破壊

 司法破壊…沖縄では(も)司法は死んでいる。司法判断できない、ヒラメな裁判官の政治判断。聞く耳無し、結論ありきなアベ様らへの忖度…沖縄では司法判断できず、ヒラメな裁判官の政治判断を乱発。

   『●『冤罪File(No.10)』読了
    「池添徳明氏…。多くがヒラメ裁判長の中、「中川さんが無罪判決を
     書くと目立つというそのことが、実は問題なんです」」

   『●『冤罪ファイル(2010年10月号)』読了
    「池添徳明氏…。「日本の裁判官は上(最高裁)の方ばかり見ている
     ヒラメ裁判官がほとんどだ」」

   『●〝犬〟になれなかった裁判官
   『●袴田事件、そして死刑執行後の『飯塚事件』再審: 
                      司法の良心を示せるか?
   『●「絶望の裁判所」: 裁判所の頂点、最高裁からして・・・・・・
    《事務総局が人事を支配しているため、裁判官たちは事務総局に
     ニラまれる判決を書かなくなる。瀬木氏はこうした裁判官をヒラメ
     (上ばかりを見ている)と揶揄する。
     問題を深刻化させているのはヒラメ(裁判官)の質の劣化だ》

   『●アベ様らは何が何でも辺野古破壊、「ヒラメ裁判官が、
          よりによってこのタイミングで那覇支部長」に就任
    《そんな“ヒラメ裁判官”が、寄りによってこのタイミングで那覇支部長に
     就いたのだ。県民じゃなくても「怪しい人事」に見えてしまう。なにしろ、
     安倍政権は憲法違反を正当化するために法の番人、
     内閣法制局長官のクビをすげ替えるぐらいだ。菅官房長官は
     「司法の判断を仰ぐことにした」なんて言っているが、
     本音は「多見谷裁判官よ、分かっているな」というプレッシャーが
     ありありではないか》

   『●こんな理不尽なことが許されるのか!   
      アベ様らは辺野古や高江で一体何をやっているのか?
   『●辺野古破壊・高江破壊…
     ニッポンでアベ様のやっていること、どこら辺が「美しい国」なのか?
   『●イソップ寓話『卑怯なコウモリ』と「似た類い」:
        「県民に寄り添う」と言いつつ、辺野古・高江破壊
   『●県の敗訴を前提にするアベ様や裁判長という
      異様な辺野古破壊訴訟…そもそも「違法」を口にする資格は?
   『●金平茂紀さん、「No Justice No Peace.
       (正義のないところに平和は来ない)…高江には、ない」
   『●「国民の信頼を傷付け」ているのは?…
      「米軍基地という面倒な施設は沖縄に…。そして日本本土は…」
   『●「最低裁」のコールが聞こえる…沖縄負担軽減担当相らの
             「辺野古が唯一の解決策」をオウム返しでしょう…
   『●辺野古破壊への「県側の徹底抗戦はこれからだ…
       翁長知事は二の矢、三の矢で巻き返しを図るつもり」
   『●「腐臭を放つ「判決」」と臥薪嘗胆: 「銃剣とブルドーザー」から
                        「自衛隊と機動隊とヒラメ裁判長」へ
   『●重大な誤りを含む「腐臭を放つ「判決」」:
      「沖縄を弄んだというしかない」異常な辺野古破壊訴訟判決
   『●「「辺野古しかない」という一方的な結論は、
       司法判断というより、もはや政治判断」…最高裁か最低裁か?
   『●沈黙するマスコミ…「機動隊に加え、防衛省、自衛隊、
          そして米軍が総掛かりで住民たちを排除し、監視」
   『●最「低」裁(鬼丸かおる裁判長)、沖縄に弁論もさせずに「政治判断」
                          …「司法判断」出来ない死んだ司法
   『●最「低」裁による辺野古破壊訴訟のデタラメ:
       「国と地方は対等という地方自治の精神を踏みにじる判断」


 東京新聞の記事【辺野古差し止め却下 沖縄県敗訴 国、新基地を加速】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201803/CK2018031402000138.html)によると、《那覇地裁(森鍵一裁判長)は十三日、「県の訴えは裁判の対象にならない」として却下した。実質的な中身に立ち入らず、門前払いした。工事差し止めの仮処分申し立ても退けた》。
 市民が反対しようが、司法に訴えようが「森」「海」を殺し続ける…ヒラメな裁判官の政治判断。

 琉球新報の記事【平和運動センター議長は懲役2年、猶予3年】(https://ryukyushimpo.jp/news/entry-682277.html)によると、《那覇地裁で開かれた。柴田寿宏裁判長は議長に懲役2年(求刑懲役2年6月)、執行猶予3年を言い渡した》。

 同紙の別の記事【山城議長に猶予刑 那覇地裁、業務妨害など認定 「不当」と即日控訴】(https://ryukyushimpo.jp/news/entry-682643.html)によると、《那覇地裁の柴田寿宏裁判長…。山城議長らは「抗議活動の背景を見ず、行為のみに着眼して論じている。形式的な不当判決だ」と批判し、判決を不服として即日控訴した》。
 東京新聞の記事【辺野古反対 リーダーに有罪 山城議長「問われるべきは政府」】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201803/CK2018031502000146.html)によると、《被告は逮捕後に約五カ月間勾留され、移設反対運動への弾圧で、沖縄で表現の自由が抑圧されていると主張していた。…◆「最小限の抵抗」「不当判決」…逮捕後、約五カ月間の拘束は、表現の自由や抗議活動の権利に関わり、国内外で反響を呼んだ。「人権侵害だ」。ジュネーブの国連人権理事会で訴え、無罪を求める署名は三十一万筆超に。反対派住民の間には日本の司法に不信の声も漏れる。山城議長は法廷を出て、米軍基地の過重な負担に立ち向かってきた歴史を持つ「沖縄県民の誇り」を支援者らに呼び掛けた。一時は悪性リンパ腫の闘病で抗議活動から離れたこともあったが、最後まで強気を崩さず「歴史の審判の中では沖縄が勝利者になる」と訴えた》。

 聞く耳無し、結論ありきなアベ様らへの忖度…記事中の判決文の《大量のブロックを積み》《約二週間のけがを負わせた》…国の主張にしか耳を傾けず。

 【海鳴りの島から 沖縄・ヤンバルより…目取真俊/反動判決が続く中で護岸工事が進められている。】(https://blog.goo.ne.jp/awamori777/e/f3728efcd67d21d1c80de5f85d2c4c22)によると、《沖縄県が岩礁破砕の差し止めを求めた裁判で県が敗訴…山城さんほか3名に執行猶予付きの有罪判決が下っている。新基地建設を強行する安倍政権に対し、司法は追随し後押しする機関になり果てている》。

 以下の琉球新報の社説には…《那覇地裁は、弁護側が提出した国際人権法専門家の証人申請を却下し、長期勾留を批判した国連特別報告者の資料などの証拠申請も却下した。判決は国連が指摘した国連ガイドラインに沿った内容ではない。日本は国連人権理事会の理事国である。国際基準と向き合わない裁判所の姿勢は異様ですらある》。
 また、《裁判所にはもともと限界があり、過剰な期待をもつのは禁物だが「人権のとりで」としての司法がその役割を果たさず、行政と一体化すれば、三権分立は成り立たない辺野古・高江裁判は、日本の民主主義を、根っこから問う裁判といっても過言ではない》。

 目取真俊さんの《新基地建設を強行する安倍政権に対し、司法は追随し後押しする機関になり果てている》、その一方で、山城さんの《歴史の審判の中では沖縄が勝利者になる》…を信じる。

 1年前のブログ 『●「なぜ巨大な権力にあらがえるのか。人々は「世代の責任」を語る」「子を守る「風かたか」になる」』…《三上智恵監督の新作「標的の島 風(かじ)かたか」…の試写会。客席に座る多くが抗議現場に通う市民で、眼前のスクリーンにも映っている…▼主役の一人、山城博治さんはいまだに勾留されていて試写会に来られなかった。でも、招待された家族の女性が感想を教えてくれた。「あの時なぜ何もしてくれなかったの、と子孫に問われないように。勝つ負けるじゃない。やらなきゃ」。山城さんも、きっと同じことを言うだろう。(阿部岳)》。
 山城さんのご家族の言葉《あの時なぜ何もしてくれなかったの、と子孫に問われないように。勝つ負けるじゃない。やらなきゃ》。

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http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/223080

社説[辺野古・高江裁判]見せしめが萎縮を生む
2018年3月15日 08:28普天間移設問題・辺野古新基地裁判・司法山城博治事件・事故

 国内外の人権団体や平和運動団体からも注目された判決だった。

 多くの支援者が危機感をもって那覇地裁前に集まったのは、辺野古や高江を巡る政府の対応があまりにも強権的だからである。

 名護市辺野古の新基地建設などに対する抗議行動を巡り、公務執行妨害や威力業務妨害の罪などに問われた山城博治・沖縄平和運動センター議長(65)ら3人の判決公判が14日、あった。

 那覇地裁は、山城議長に懲役2年、執行猶予3年(求刑懲役2年6月)の有罪判決を言い渡した。

 共犯として威力業務妨害罪に問われた男性(67)と傷害罪などに問われた男性(45)も、執行猶予付きの有罪判決を受けた。

 だが、裁判所は、米軍基地を巡る沖縄の歴史や現実にはまったく触れなかったなぜ、このような抗議行動が起きたのかという背景にも関心を示さなかった

 キャンプ・シュワブのゲート前に大量のブロックなどを積み上げ、工事用車両の搬入を阻止しようとしたことなどの事実を取り上げ、「表現の自由の範囲を逸脱している」と断じたのである。

 この判決は大きな副作用を生むおそれがある。傷害罪の成立を認めることによって憲法で保障された市民の正当な抗議行動と反対意見の表明を萎縮させかねないのである。

 「意見および表現の自由」に関する国連特別報告者のデービッド・ケイ氏が、訪日後にまとめた報告書の中で危惧したのはこの点である。

■    ■

 米軍基地を巡る裁判で、決まって、住民側から提起される問いがある。

 「本来、問われるべきは何なのか」「裁かれるべきは誰なのか」という問いかけだ。

 辺野古の新基地建設や高江のヘリパッド建設で浮かび上がったのは、目まいがするような政府側と住民側の「不均衡」である。

 警備陣の暴力的な警備によって住民側には負傷者が相次いだ。違法行為や違法な疑いのある行為も目立った。

 名護市長選や知事選、衆院選などで新基地建設に反対する候補者が当選し、明確に民意が示されたにもかかわらず、一顧だにせず、強引に工事を進めた

 その結果、高江や辺野古の現場では、取り締まる側と市民の間に著しく「衡平(こうへい)」を欠いた状態が生じてしまったのである。

 判決後の記者会見で山城議長は「沖縄の実態を見ようとしない不当な判決だ」と声を荒げた。

■    ■

 判決は「共謀」の認定についても、厳密さを欠いているところがある。「共謀」と認定される行為の範囲が広がれば、表現の自由に対する重大な脅威になるだろう。

 裁判所にはもともと限界があり、過剰な期待をもつのは禁物だが「人権のとりで」としての司法がその役割を果たさず、行政と一体化すれば、三権分立は成り立たない

 辺野古・高江裁判は、日本の民主主義を、根っこから問う裁判といっても過言ではない
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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-682635.html

<社説>山城議長有罪判決 問われるべきは政府だ
2018年3月15日 06:01

 名護市辺野古の新基地建設や東村高江の米軍北部訓練場ヘリコプター発着場建設に対する抗議活動で、威力業務妨害罪などの罪に問われた沖縄平和運動センターの山城博治議長に対し、那覇地裁は懲役2年、執行猶予3年(求刑懲役2年6月)の判決を言い渡した。

 有罪判決は、新基地反対の民意を力で封じている政府の姿勢に裁判所がお墨付きを与えるものであり、納得できない。表現の自由、集会の自由など憲法が保障する権利を認めず、国連の人権基準にも抵触するような判決は受け入れられない。

 本来、問われるべきは山城議長らではない。政府の方である。国土面積の0・6%の沖縄に米軍専用施設の70・38%を集中させ、新基地建設を強行している。山城議長らを逮捕・長期勾留し、抗議行動の力をそごうとしたのは明らかだ。

 起訴状によると、山城議長は2016年1月に名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ工事用ゲート前でブロックを積み上げ、資材搬入の業務を妨害し、同8月には米軍北部訓練場付近で沖縄防衛局職員の肩を激しく揺さぶって約2週間のけがを負わせた。同10月には同訓練場の進入防止用の有刺鉄線1本をペンチで切断したとしている。

 弁護側はブロック積み上げ行為について、威力業務妨害を適用することは「表現の自由を侵害し違憲だ」などと主張し、器物損壊を除く各事案で無罪を訴えていた。

 判決は山城議長らの行為について「表現の自由を逸脱」する「犯罪行為であって、正当化することはできない」と指摘している。山城議長が公務員に暴行を加えて傷害を負わせたのは「悪質」で、反対運動のリーダー的存在として「主導的役割を果たした」と認定した。山城議長の「言動が共犯者らの犯行をあおったという面があり、この点について強い非難を免れない」と指摘している。

 今回の判決は、人権を巡る国際法の理念に背を向ける内容だ。16年に日本を調査した国連人権理事会の特別報告者は、山城議長の逮捕と長期勾留について「抗議行動に不釣り合いな制限が加えられている」「裁判なしに5カ月間拘束したのは不適切で、表現の自由に対する萎縮効果を懸念する」と報告している。

 ヘリ発着場建設や新基地建設の抗議行動に対する警備は、市民の抗議活動を政府が制限する際の国連ガイドラインを逸脱している。

 ところが那覇地裁は、弁護側が提出した国際人権法専門家の証人申請を却下し、長期勾留を批判した国連特別報告者の資料などの証拠申請も却下した。判決は国連が指摘した国連ガイドラインに沿った内容ではない。

 日本は国連人権理事会の理事国である。国際基準と向き合わない裁判所の姿勢は異様ですらある
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●壊れ行く最「低」裁…「これは「最高裁判決」に対する市民の反乱であり、その反乱が美しい形で決着した」

2018年01月26日 00時00分43秒 | Weblog


マガジン9の鈴木耕さんのコラム【言葉の海へ/第16回: 最高裁判断への反乱】(http://maga9.jp/171220/)。

 《上原公子国立市で何が起きていたのか?…地裁で上原さん側が勝利したにもかかわらず、最高裁は上原さん個人に、なんと3123万円の賠償を命じたのだ…ところが国立の市民運動は、全国の心ある人々と呼応して、まったく意想外の闘いを繰り広げたのだ。「個人には1円も払わせない。私たちがお金を集めて支払ってやる」 そしてたった1年弱で、見事に全額を国立市へ支払ってしまったのである。これは「最高裁判決」に対する市民の反乱であり、その反乱が美しい形で決着したと言えるのだ》

   『●「ああ、イヤな世の中だなあ……哀しいほど異常な国」
                  …「裸の王様」による人治主義国家
    「マガジン9の鈴木耕さんのコラム【風塵だより 鈴木耕/115 
     強権政治の黒いさざ波…】…上原さんは「景観条例」という言葉を
     全国の自治体に知らしめた首長として一躍有名になった方だが、
     そのことで、なんともひどい裁判の犠牲になってしまった…
     しかし、最高裁は結局、建設会社から出された損害賠償請求と、
     それをめぐる上原さんの2代後の市長や一部の反上原の市民の請求を
     取り上げて、上原さん個人に約4500万円の支払いを命ずるという、
     途方もない判決を下したのだ。
       市民の意見を公約として「景観条例」を作ったことが市長個人の
     私利私欲のためとされるならば地方自治体の首長たちは、新しい施策や
     政策を、とても怖くて実施できないことになる
       この最高裁判決が地方自治の破壊にどれほど手を貸すことになるのか
     判事たちは考えたのだろうか?」

 これまた最「低」裁の政治判断。まともな判決を出せない最「低」裁。最「低」裁を頂点とした、壊れ行く司法。アベ様らによる《自治に対する市民による選択と民主主義を、上から抹殺しようとする政府の意図が加速》されるような政治判断、狂った司法。《市民に公約したことを実現した首長が、個人的に責任を問われるのはどう考えても理不尽、地方自治を踏みにじるものだ》。
 《途方もない判決》を東京高裁(小林昭彦裁判長)・最「低」裁木内道祥裁判長)が出していたことは聞いていましたが、それに対して、《これは「最高裁判決」に対する市民の反乱であり、その反乱が美しい形で決着した》というのは知りませんでした。《司法上での「負け」による賠償金の市民の「完全返済」は、誤った司法と行政に対する、市民自治の勝利宣言につながったのです》、素晴らしい!

   『●「最低裁」のコールが聞こえる…沖縄負担軽減担当相らの
            「辺野古が唯一の解決策」をオウム返しでしょう…
    《▼20年前の代理署名訴訟の最高裁判決の法廷で県側敗訴を
     言い渡したとき、傍聴席からは最低裁のコールがわき起こった
     最高裁は再び同じ罵声を浴びることないよう沖縄の訴えに
     真摯(しんし)に向き合うべきだ

   『●「沖縄の大衆運動そのものを取り締まっていく
       国策捜査だと思う」…山城博治さん「予防拘禁、プレ共謀罪」
   『●沖縄でのプレ「平成の治安維持法」実験…
      《実験の結果、今の国民の無関心は国に自信を与えてしまった》

   『●「誰が見ても安倍政権による政治的弾圧」…
      山城博治さん「沖縄の大衆運動を潰す政府の方策」
   『●「基地の偏在を沖縄が訴えても「裁判所はほとんど答えない」」…
                「政治判断」しかできない司法の悲劇
   『●レトリックを吹聴する…「政治判断」乱発な最「低」裁を
          頂点とする裁判所の劣化がニッポンをメルトダウン
   『●最「低」裁(鬼丸かおる裁判長)、
     沖縄に弁論もさせずに「政治判断」…「司法判断」出来ない死んだ司法
   『●斎藤貴男さん「人権を否定することに喜びを感じている変質者集団」
                    …「人権の砦」のはずが最「低」裁…
   『●アベ様のオトモダチのオトモダチを最高裁判事に任命?  
                「政治判断」乱発の最「低」裁からも忖度?
   『●あのアベ様のオトモダチのオトモダチ・木澤克之氏… 
        《2017年最高裁判所裁判官国民審査》を迎える!!
   『●「完全に司法に影響を与えようとする露骨な圧力に
          ほかならない…暴挙」…着々と司法を掌握した効果
   『●最「低」裁判決に抗う…「我が家のテレビは故障中」…
          「アベ様のNHK」を脱したら修理してもいいですよ
   『●核発電の「高裁レベルでの運転差し止め判断は初めて」…
                   その先には腐敗した司法の大きな壁が…
    「核発電の「高裁レベルでの運転差し止め判断は初めて」…その先には
     最「低」裁を頂点とした司法の大きな壁が待ち受けている。
     《脱原発ドミノが始まるのか》どうかは、まだまだ未定」

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http://maga9.jp/171220/

言葉の海へ
第16回:最高裁判断への反乱鈴木耕
By 鈴木耕 2017年12月20日


 さまざまな団体や組織が出す「声明文」という文書がある。そのほとんどは堅苦しくて、なかなか読むのがつらいけれど、稀に、胸に響く「声明文」もある。今月16日(土)に出かけた集会で、最後に読み上げられた文章は、そんな気持ちにさせるものだった。
 以下、全文を掲載しよう。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
~声明文~
 「私は(も)上原公子」市民自治の声を集めて支払い完了
  市民自治のたたかいが司法と行政の誤りを照らし出す


          2017年12月16日
          「くにたち上原景観基金1万人の会」
          「くにたち大学通り景観市民の会」

 国立市民のみなさん、国立市民の自治のたたかいに力をお寄せいただきました全国のみなさん、ありがとうございました。
 司法の誤りによって元国立市長・上原公子(ひろこ)さんに課せられた「損害賠償責務」4,556万2,926円を、去る11月21日、全国の約5,000人から寄せられた基金により、国立市に全額支払い終えたことを、喜びと誇りをもってご報告申し上げます。さらに、現在高は、目標とした5,000万円を超えて50,186,382円に至っています。
 6年前の2011年12月、国立市は上原公子さんに対し3,123万円の支払いを求める「国立景観求償訴訟」を始めました。昨2016年12月3日、最高裁判所による「上告棄却・不受理決定」によって、国立市に対する上原さんの債務が確定しました。しかし、この司法の結論は到底承服できるものではありませんでした。
 最高裁決定後、政府高官は「辺野古の基地は許さない」という沖縄県民のみなさんと翁長県知事のたたかいに対して、首長の個人責任を裁く件について言及しました。自治に対する市民による選択と民主主義を、上から抹殺しようとする政府の意図が加速していることを、私たちは怒りをもって感じています。
 国立市民が戦前・戦後営々とつくりあげてきた国立の大学通りの景観を、一企業の乱暴なマンション開発で壊すことは許されません。地権者が自らの土地所有権を制限する「建物の高さ制限地区計画条例」を提案し、その意志を受けて積極的に景観破壊を止めようとした市長が、「住民運動を利用して建築を妨害したなどと非難される理由はまったく無いのです。司法の誤りは明白です。
 市民自治は、屈することなくこれを超えるたたかいを求められました。自治の精神は、「私は(も)上原公子」という声になって国立市民と全国にうねりのように広がりました。9か月間、想像を超えたスピードと広がりで基金運動は結論を出すことができました。
 司法上での「負け」による賠償金の市民の「完全返済」は、誤った司法と行政に対する、市民自治の勝利宣言につながったのです。
 私たちは、支払いにあたり国立市長に対し、この貴重な資金を、景観政策をすすめるための財源として生かしてほしいと要請しています。国立市における新たな景観保全の運動・市民自治の営みのスタートとなることを、ここに強く願っています。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



国立市で何が起きていたのか?

 熱のこもった文章。これはタイトルにあるように、東京都国立市の「景観条例」をめぐる極めて難解で理不尽な司法判断への市民の側からの「異議申し立て」だったのだ
 ざっと簡単に経緯を記しておこう。
 国立市には、JR国立駅から南へ向けて約1500mの広い直線道路(大学通り)が延びており、その幅は約45m。道の両側には一橋大学の旧い趣のある校舎などがあり、桜の季節には花のトンネルが、国立という街の独特な景観を作っていることでも有名だ。
 この通りに、ある建設会社が巨大なマンションを建てようとしたのがきっかけだった。市民は「国立の景観を守れ」と、マンション建設への反対運動を立ち上げた。そして、その訴えを実現してくれる人を市長にしようとし、上原公子さんに白羽の矢が立ったのだった。
 上原さんは、市民運動に支えられて見事、市長に当選。当然のことながら、公約に掲げた「大学通りの景観を守る」ために「景観条例」を作って、マンションの高さを制限しようとした。
 しかし、建設会社はそれに反発、上原さんを業務妨害だとして訴えた。単純に言えば、これが「国立景観訴訟」である。
 さまざまな経緯があり、詳細は複雑なのでここには記さないが、地裁で上原さん側が勝利したにもかかわらず、最高裁は上原さん個人に、なんと3123万円の賠償を命じたのだ。
 この最高裁判決が出た後、上原さんを支える弁護団などは「勝利集会」を予定していたのだが、予想もできない市民自治を踏みにじるような判決が出てしまい、集会は「残念会」にならざるを得なかった。ぼくもそこに参加していたのだが、上原さんを支えた市民からは、激しい怒りの声が上がった。
 「市民に公約したことを実現した首長が、個人的に責任を問われるのはどう考えても理不尽、地方自治を踏みにじるものだ」という声が圧倒的で、そこから上原さんを市民が支えるという機運が生まれた。それが声明文にある「1万人の会」だったのだ。
 「私は(も)上原公子」がその運動の合言葉となった。
 「景観を守れ! という声を挙げたのは市民だ。それを公約に掲げたのが上原さんだ。上原さんは市民の声の代弁者だった。それなら、声を挙げた私も上原公子だ」
 これはステキな運動だった個人が課せられた賠償金を自分たちも背負う。市民運動の最良の部分が現れているスローガンだ。


「勝ったのは私たちだ!」

 最高裁という日本の司法のもっとも上級審が下した判断であれば、もはやそれは確定したことになる。異議申し立てなど、よほどのことがなければ通らないし、最高裁判断が覆ることなど、ほんとうに稀である。ところが国立の市民運動は、全国の心ある人々と呼応して、まったく意想外の闘いを繰り広げたのだ。

   「個人には1円も払わせない。私たちがお金を集めて支払ってやる

 そしてたった1年弱で、見事に全額を国立市へ支払ってしまったのである。これは「最高裁判決」に対する市民の反乱であり、その反乱が美しい形で決着したと言えるのだ。
 司法が国家に従属しつつあるのではないか、と言われる中、まさにその典型のような判断を下した最高裁。だが、人々がそれに「NO」をとなえる運動の決着を、この集会は祝ったのだ。
 「裁判では負けたけれど私たちは結果として勝ったのです」と、高らかに宣言するこの「声明文」に、ぼくが感動したのはそんなわけだ。
 個人は弱いかもしれないが、それが集まれば大きな力を発揮できる。新しい市民運動の萌芽を見たのだった。

     (上原公子さんの「賠償金完済記念集会」の模様。
      和気あいあい、大いに盛り上がった楽しい会だった…)
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●「完全に司法に影響を与えようとする露骨な圧力にほかならない…暴挙」…着々と司法を掌握した効果

2017年10月16日 00時00分37秒 | Weblog

[※ 「こんな人たち」 報道特集(2017年7月8日)↑]



リテラの記事【「籠池氏は詐欺を働く人物」発言だけじゃない! 最高裁判事に加計学園元監事を異例の抜擢…安倍首相は司法も私物化!】(http://lite-ra.com/2017/10/post-3509.html)。

 《第二次安倍政権以降、司法の独立は脅かされつづけている。というのも、政権を忖度したような判決が次々に下されているからだ…そして、なかでも忘れてはいけないのが、木澤克之氏だ。木澤氏は学校法人加計学園の元監事という経歴をもつ》。

   『●アベ様のオトモダチのオトモダチを最高裁判事に任命?  
                「政治判断」乱発の最「低」裁からも忖度?
   『●あのアベ様のオトモダチのオトモダチ・木澤克之氏…
        《2017年最高裁判所裁判官国民審査》を迎える!!
    「【2017年最高裁判所裁判官国民審査】によると、以下の7名だそうです。
      ①小池裕
      ②戸倉三郎
      ③山口厚 
      ④菅野博之
      ⑤大谷直人
      ⑥木澤克之
      ⑦林景一
     …最後にもう一度、思い出そう…《はたしてこれらは、単なる偶然なのか
     つまり、安倍首相は最高裁人事まで私物化し、“オトモダチのオトモダチ”
     のために、ポストを用意してやったのではないか。そういう疑念が
     頭をもたげてくるのである》。 」

 最早テレビで暴言をいくら吐いても、誰も問題にしなくなってしまったようです。「トンズラ総理」「国難総理」は「息吐く様に噓つく」「病的嘘つき」でもある。
 《時の最高権力者である総理大臣が、いち民間人を有罪と決めつけ、さらにマスメディアを通じて詐欺をはたらいたと連呼するのは、完全に司法に影響を与えようとする露骨な圧力にほかならない。こんな暴挙が許されるわけがないが、ようするに、司法の独立という近代国家の大原則すら、この宰相は守っていないのである》…人治主義国家の「国難」な「裸の王様」アベ様が、着々と司法を掌握した効果がジワジワと。《最高裁判事まで私物化》している。いまや、最「低」裁を頂点に、様々な司法判断を放棄…。もはや政治判断乱発なのは当たり前な酷い状態だ。こんな司法の状況下、「ヒラメ」な裁判官は、上を見て、忖度するに決まっている。

   『●「沖縄の大衆運動そのものを取り締まっていく
       国策捜査だと思う」…山城博治さん「予防拘禁、プレ共謀罪」
   『●沖縄でのプレ「平成の治安維持法」実験…
      《実験の結果、今の国民の無関心は国に自信を与えてしまった》

   『●「誰が見ても安倍政権による政治的弾圧」…
      山城博治さん「沖縄の大衆運動を潰す政府の方策」
   『●「基地の偏在を沖縄が訴えても「裁判所はほとんど答えない」」…
                「政治判断」しかできない司法の悲劇
   『●レトリックを吹聴する…「政治判断」乱発な最「低」裁を
          頂点とする裁判所の劣化がニッポンをメルトダウン
   『●最「低」裁(鬼丸かおる裁判長)、
     沖縄に弁論もさせずに「政治判断」…「司法判断」出来ない死んだ司法
   『●斎藤貴男さん「人権を否定することに喜びを感じている変質者集団」
                    …「人権の砦」のはずが最「低」裁…
   『●「森友、加計、準強姦事件の3つ…諸悪の根源である
             “主犯”は目の前にいるのだ」=アベ様御夫妻

 司法まで手中にし、法治国家が終焉…三権分立も破壊してしまったアベ様。
 2017年10月衆院選、構図は単純な「2極」。〔与党自公+癒党お維キト〕 対 〔真の野党〕 …「2極」のどちらに投票すべきか、もはや明白でしょう。「地獄」へ投票するのか「平和な未来」を志向するのか? さあ、絶対に選挙に行きましょう! そして、2017年最高裁判所裁判官国民審査にも、必ず参加しましょう
 少なくとも「×」をつけるべき方は明らかなはず。木澤克之氏らの「罷免を可とする票」=「×」の割合が有効票数の過半数に達する、なんていうこと【奇跡】は起きないものでしょうか…。

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http://lite-ra.com/2017/10/post-3509.html

「籠池氏は詐欺を働く人物」発言だけじゃない! 最高裁判事に加計学園元監事を異例の抜擢…安倍首相は司法も私物化!
2017.10.13

     (首相官邸HPより)

 「籠池氏は詐欺をはたらく人物」──安倍首相が、11日に出演した『報道ステーション』(テレビ朝日)で発した言葉がいま、波紋を呼んでいる。
 籠池泰典氏の逮捕については、国の補助金不正受給に詐欺罪を適用することに対し法律関係者からも疑問の声があがっていた。だが、そもそも籠池氏は公判もまだ始まってすらおらず、判決も下されていない状態だ。にもかかわらず「詐欺をはたらく人物」と決め付けることは、推定無罪という司法の基本中の基本である大原則を無視した発言だ。
 しかも、安倍首相はこのとき「(籠池氏が)こういう人だから(昭恵夫人は)騙されたのだろう」と述べている。ようするに、昭恵夫人の関与をごまかすために、籠池氏を有罪判決が出た「詐欺師」であるかのように喧伝したのだ。よりにもよって、総理大臣がテレビの党首討論で、である。
 進行中かつ未確定の司法案件について、時の最高権力者である総理大臣が、いち民間人を有罪と決めつけ、さらにマスメディアを通じて詐欺をはたらいたと連呼するのは、完全に司法に影響を与えようとする露骨な圧力にほかならない。こんな暴挙が許されるわけがないが、ようするに、司法の独立という近代国家の大原則すら、この宰相は守っていないのである。
 だが、第二次安倍政権以降、司法の独立は脅かされつづけている。というのも、政権を忖度したような判決が次々に下されているからだ。
 たとえば、今回の衆院選と同時におこなわれる最高裁判所の裁判官に対する国民審査では7名の裁判官が審査を受けるが、そのなかのひとりである小池裕氏は、NPO法人による森友学園問題で国側が持つ交渉記録等の証拠保全の申し立てについて、最高裁の裁判長として保全を認めなかった高裁判断を支持し、抗告を棄却した。また、菅野博之氏は、昨年、沖縄の辺野古新基地建設をめぐって翁長雄志知事が国を訴えた上告審で、全員一致で県側の上告を棄却した判事のひとりだ。
 そして、なかでも忘れてはいけないのが、木澤克之氏だ。木澤氏は学校法人加計学園の元監事という経歴をもつ。本サイトでは今年3月に報じたが、岡山理科大学の獣医学部新設をめぐって問題になっている安倍首相と加計孝太郎理事長のオトモダチ関係が、木澤氏の最高裁判事任命にも何らかの影響を及ぼしたのではないかという疑惑が浮上したのだ。


異例中の異例の抜擢…安倍首相は最高裁判事まで私物化している?

 もともと木澤氏は東京弁護士会所属の弁護士で、昨年、定年退官した最高裁判事・山浦善樹氏の後任として任命されたのだが、2013年から加計学園の監事を務めていた。実際、昨年の最高裁人事が発表された直後には、加計学園はホームページで〈学園の監事であられた木澤克之氏が(略)7月19日付で最高裁判所判事に任命されることが決定しました 学園としても大変名誉なことであり、心よりお祝い申し上げます〉と祝福している。
 木澤氏は加計理事長と立教大学の同窓で、卒業年も同じ。二人が学生時代からの深い付き合いだった可能性は高い。しかも、木澤氏が最高裁判事に就任してすぐの昨年7月21〜22日には、安倍首相が加計理事長と食事をし、ゴルフを楽しんでいる。さらに言えば、立教大出身の最高裁判事は史上初めての“快挙”だ。
 これらはたんなる偶然なのか。つまり、安倍首相は最高裁人事まで私物化し、オトモダチのオトモダチのためにポストを用意してやったのではないか。そういう疑念をもたれてもおかしくはない。
 ただ、いくら安倍首相でも、最高裁にまで“オトモダチ人事”を強引に進めてくるとはにわかに信じがたい、そう思う向きもあるだろう。しかし、実際に最高裁人事をめぐっては、第二次安倍政権になってから政治介入が露骨になってきたとの指摘がある。
 そもそも、法的には最高裁判事の任命権は内閣にあるが、もともと15名の最高裁判事の人事は長年の「慣例」として、前職が裁判官、検察官、学識者、弁護士などという出身枠が存在してきた。そのうち裁判官枠は最高裁判所が選び弁護士枠は日本弁護士連合会が複数の候補者リストを推薦し、そこから内閣府が人選することになっている。
 この「慣例」についてはもちろん批判もあるのだが、一方で時の政治権力による人事介入を防ぎ、司法の独立を担保するのに役立っているとも言われている。ところが、第二次安倍政権はその「出身枠」を強権的に無視することで司法にプレッシャーを与えているのだ。
 朝日新聞3月2日付によれば、第二次安倍政権の最高裁人事では、たとえば定年退官する職業裁判官1枠に対し、これまで行政の最高裁担当者が1人の候補を提示していたのを、2人の候補をもってくるように指示したという。任命する内閣に選択肢を設け、内閣による最高裁人事の恣意性を強めようとしたのは明らかだろう。
 また、今年1月の人事発表では、任期終了で交代する判事2名のうち、ひとつは“弁護士枠”であったにもかかわらず、安倍内閣は日弁連推薦の候補者をはずし、その後任に刑法学者の山口厚氏をあてた。山口氏は一応弁護士資格を持ってはいるが、取得してわずか1年足らず。事実上の“学識者枠”の拡張であり、弁護士枠の削減だった。そんなところから、法曹界では「官邸による最高裁への人事介入ではないか」と恐れられ、安倍政権を忖度した判決が連発されるのではと危惧する声が上がったのだ。
 木澤氏の任命は昨年のことであり、今年のごり押し人事の前の話だが、こうした安倍政権による司法への介入の実態を考えると、木澤判事が加計学園とつながる人物であることが、判事任命の決め手になった可能性は決して低くない。
 少なくとも、安保法特定秘密保護法沖縄米軍基地問題など、安倍政権の政策や方針には憲法訴訟や行政訴訟のリスクがつきまとっている。そこで、個人的信頼の厚い加計学園の関係者ならば自分の意向を判決に反映させるだろうとの思惑を働かせ、“弁護士枠”のリストのなかからあえて木澤氏をピックアップした。そうだったとしても不思議はないだろう。


実際に木澤氏は「安倍政権を忖度」するような判決を下していた

 事実木澤氏は、最高裁判事として行政側に有利な判断を下しているたとえば、2014年に金沢市が同市役所前広場で陸上自衛隊パレードに対する反対集会の開催を認めなかったのは、表現の自由を担保する憲法に違反するとして、集会を計画した市民団体が損害賠償を求めた訴訟だ。この訴訟をめぐっては、一審の金沢地裁が市による不許可は違憲でないとして請求を棄却。二審の名古屋高裁金沢支部もこれを支持した。
 そして今年8月、木澤氏は最高裁の裁判長として、市民団体側の上告を退ける決定を出し、敗訴を確定させたのである。
 繰り返すが、森友問題での交渉記録保全申し立ての却下にしても、辺野古新基地建設での県側の敗訴にしても、自衛隊パレード反対集会拒否の合憲判断にしても安倍政権のもとで任命された最高裁判事たちの多くは、まるで政権の意向を忖度したかのような決定を下している
 それは、前述のように安倍政権が司法に対する強い人事介入の動きを見せていることも原因のひとつだ。安倍首相こそが司法の独立をないがしろにし、自分の意に沿うようコントロールしようという欲望をむき出しにしているのである。
 有権者は政権を忖度する不当判決を起こさせないよう、最高裁裁判官の国民審査を通じ、その意思を表明することはもちろん、政治権力による露骨な司法への介入・圧力に対しても、毅然とNOを突きつける必要がある。

(編集部)
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●あのアベ様のオトモダチのオトモダチ・木澤克之氏…《2017年最高裁判所裁判官国民審査》を迎える!!

2017年10月09日 00時00分45秒 | Weblog

[※ 「こんな人たち 報道特集(2017年7月8日)↑]



2017年最高裁判所裁判官国民審査
https://ja.wikipedia.org/wiki/2017%E5%B9%B4%E6%9C%80%E9%AB%98%E8%A3%81%E5%88%A4%E6%89%80%E8%A3%81%E5%88%A4%E5%AE%98%E5%9B%BD%E6%B0%91%E5%AF%A9%E6%9F%BB)が2017年10月衆院選にあわせて行われます。今回は7名の最高裁判所裁判官が国民審査を迎えます。

 最も注目すべきは木澤克之氏で、《第3次安倍内閣 (1改)》が任命しました。あのアベ様のオトモダチのオトモダチ…《木澤氏は2013年から加計学園の監事を務めていた》という、大変に興味深いリテラの指摘: 【安倍首相の親友が経営する“第二の森友”加計学園の関係者を最高裁判事に任命! 司法までオトモダチで支配】(http://lite-ra.com/2017/03/post-2997.html)。

   『●アベ様のオトモダチのオトモダチを最高裁判事に任命? 
                「政治判断」乱発の最「低」裁からも忖度?
    「どこまでオトモダチに便宜図ってんだか…。第2の森友事件=
     加計学園事件に絡んで、アベ様のオトモダチのオトモダチ
     最高裁判事にゴリ押ししたのではないかとの疑惑。あるいは、
     内閣がアベ様のお気持ちを「忖度」した最高裁判事の人事をごり押し?
     となると、三権分立権力分立は完全に崩壊し、「政治判断」乱発の
     最「低」裁からもアベ様の「政」忖度してもらっているのではないか、
     と疑いたくもなる」
    《安倍首相は昨年、“加計学園の監事”を最高裁判事に任命していた
     のである。その監事とは、東京弁護士会所属の弁護士である
     木澤克之判事のこと。…実は、木澤氏は2013年から加計学園の監事
     務めていたのだ》
    《…直後、加計学園はホームページで〈学園の監事であられた
     木澤克之氏が(略)7月19日付で最高裁判所判事に任命されることが
     決定しました 学園としても大変名誉なことであり、心よりお祝い
     申し上げます〉と祝福していた。しかも、木澤氏は加計理事長と立教大学の
     同窓で、卒業年も同じ。二人が学生時代からの深い付き合いだった
     可能性は高いだろう》
    《さらに言えば、木澤氏が最高裁判事に就任してすぐの
     昨年7月21〜22日には、安倍首相が加計理事長と食事をし、
     ゴルフを楽しんでいる
    《はたしてこれらは、単なる偶然なのか。つまり、安倍首相は
     最高裁人事まで私物化し、“オトモダチのオトモダチ”のために、
     ポストを用意してやったのではないか。そういう疑念が頭を
     もたげてくるのである》

 あらためて、このリテラの記事の問い、《はたしてこれらは、単なる偶然なのか》? GIGIも大喜びだ。

   『●「日本におけるゴルフのイメージ向上に 
       今年最も貢献した」アベ様、「GIGI(ギギ)」から感謝される?
   『●「周到な罠」を仕掛けていたのかな、アベ様の「腹心の友」…
                 「学校教育の事業主体にふさわしい」人物?

   『●「“ぼくたちの友情は潔白”などとよくもまあ言えたものだ」…
                    ズブズブでダークなオトモダチとの友情
   『●「記憶をつなぐ」、「伝え続けるには、多くの記憶が力となる」、
                      「ただ『忘れない』ということが大切」

 一方、大変に残念なことに鬼丸かおる裁判官の名は無い。

   『●最「低」裁(鬼丸かおる裁判長)、
     沖縄に弁論もさせずに「政治判断」…「司法判断」出来ない死んだ司法
   『●斎藤貴男さん「人権を否定することに喜びを感じている変質者集団」
                           …「人権の砦」のはずが最「低」裁…
    「「辺野古破壊訴訟について、最「低」裁事実上確定》した訳だ。
     「最低裁」の最低な「政治判断」。「最低裁」の裁判長(鬼丸かおる裁判長)
     の名は、「最低裁」裁判官最高裁国民審査まで記憶されるべきだ」。
       死んだ司法…最「低」裁」

 2014年12月衆院選の際に、国民審査は終了していました…。悔しいなぁ…。

   『●「政権にとって「白紙委任状」ほど好都合なものはありません」:  
                       2014年12月衆院選に是非行こう!
    「最高裁判所裁判官国民審査も忘れてはいけませんね。
     「鬼丸かおる(おにまる かおる)氏・木内道祥(きうち みちよし)氏・
     池上政幸(いけがみ まさゆき)氏・山本庸幸(やまもと つねゆき)氏・
     山﨑敏充(やまさき としみつ)氏」の5氏です。例えば、
     ココ(http://politas.jp/articles/226)に詳しい経歴がありますので、
     「予習」をしておかないといけませんね。白票ではなく、こちらも
     積極的に「×」で意思表示すべき最高裁判所裁判官を評価しなくっちゃ」

 さて、【2017年最高裁判所裁判官国民審査】に戻って、行く前に十分な予習が必要。

   『●忘れられた最高裁国民審査

 【2017年最高裁判所裁判官国民審査】によると、以下の7名だそうです。

   ①小池裕
   ②戸倉三郎
   ③山口厚 
   ④菅野博之
   ⑤大谷直人
   ⑥木澤克之  
   ⑦林景一           


 「③山口厚」氏についても、問題が大あり。リテラの同記事によると…。

   『●アベ様のオトモダチのオトモダチを最高裁判事に任命? 
                「政治判断」乱発の最「低」裁からも忖度?
    《任命する内閣に選択肢を設け、内閣による最高裁人事の恣意性を
     強めようとしたのは明らかだろう。
       また、今年1月の人事発表では、任期終了で交代する判事2名の
     うち、ひとつは“弁護士枠”であったにもかかわらず、安倍内閣は
     日弁連推薦の候補者をはずし、その後任に刑法学者の山口厚氏をあてた。
     山口氏は一応弁護士資格を持ってはいるが、取得してわずか1年足らず。
     事実上の“学識者枠”の拡張であり、弁護士枠の削減だった
     そんなところから、いま法曹界では「官邸による最高裁への
     人事介入ではないか」と恐れられ、安倍政権を忖度した判決が連発される
     のではと危惧されているのだ》

 最後にもう一度、思い出そう…《はたしてこれらは、単なる偶然なのか。つまり、安倍首相は最高裁人事まで私物化し、“オトモダチのオトモダチ”のために、ポストを用意してやったのではないか。そういう疑念が頭をもたげてくるのである》。

 さあ、絶対に選挙に行きましょう! そして、【2017年最高裁判所裁判官国民審査に参加しましょう。少なくとも「×」をつけるべき方は明らかなはず。木澤克之氏の罷免を可とする票」=「×」の割合が有効票数の過半数に達する、なんていうこと【奇跡】は起きないものでしょうかね。

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●金平茂紀さん「僕らの国の司法にはかつて「予防拘禁」という仕組みが合法的制度として存在していた」

2017年04月13日 00時00分50秒 | Weblog

[※ 東京新聞(2017年3月8日)↑]



沖縄タイムスの金平茂紀さんのコラム『沖縄で進行する共謀罪的捜査 長期勾留と「予防拘禁」の類似性 【金平茂紀新・ワジワジー通信(24)】』(http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/91985)。
東京新聞御コラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2017040802000157.html)。

 《沖縄の米軍基地建設反対運動のリーダー的存在である山城博治氏の保釈と、そこで考えなければならないこの国の司法の「変質」についてである》
 《▼魚などいないのに「釣り厳禁」とは罪つくりな看板だが、国会で審議が本格化した「共謀罪」も、かなりうさんくさい看板だろう》。

   『●最「低」裁(鬼丸かおる裁判長)、
    沖縄に弁論もさせずに「政治判断」…「司法判断」出来ない死んだ司法
   『●最「低」裁による辺野古破壊訴訟のデタラメ:
      「国と地方は対等という地方自治の精神を踏みにじる判断」
   『●「菅官房長官は徹底抗戦の姿勢を崩さない
     翁長知事を念頭に、「わが国は法治国家だ」と牽制」だって!?
   『●「国際人権法」違反: 山城博治さん長期「拉致」という
          「独裁的な国家が反対派を黙らせる常とう手段」

 金平茂紀さんによると、《僕らの国の司法にはかつて「予防拘禁」という仕組みが合法的制度として存在していた》《戦前、あらゆる社会運動を弾圧する機能を果たした法律に治安維持法があった》。山城博治さんの拉致は「予防拘禁」だったようです。《沖縄ではプレ「共謀罪」捜査が先取りされている》そうです。酷い国…。
 「平成の治安維持法」を欲するデンデン王国「裸の王様」、そして、「忖度」する取り巻き連中。検察や裁判所までが「忖度」する世も末なニッポン。

   『●「平成の治安維持法」で、室井佑月さんや
       斎藤貴男さん「なんて、最初から一般人扱いされないだろうしな」
   『●「政治的修文」ではなく、法案の目的や「その他」に
        『平成の治安維持法』「内心処罰」という文言追加を
   『●当局の解釈次第で恣意的に内心を罰し、
     お互いを監視・密告しあう社会…「平成の治安維持法」の完成

 どんな「看板」を掲げても、所詮は「平成の治安維持法」。

 森達也さんの予言が次々に現実となっていて、イヤになります。「世界でも稀な自発的な独裁国家」完成間近、マジか…。

   『●森達也さん、「僕はもうあきらめた」
     「これから4年間でこの国がどう変わるのか、とてもとても楽しみだ」
    《つまり法案はさくさくとすべて通る。ねじれ解消良かったね。
     ならば二院制の意味は何だろうと思うけれど、もう言わない。
     だって将棋でいえば詰み。チェスならチェックメイト。臨界は超えた。
     もう制御はできない

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http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/91985

沖縄で進行する共謀罪的捜査 長期勾留と「予防拘禁」の類似性 【金平茂紀の新・ワジワジー通信(24)】
2017年4月6日 12:00 金平茂紀 共謀罪 山城博治

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金平 茂紀(かねひら しげのり)

TBS報道記者、キャスター、ディレクター
1953年北海道生まれ。TBS報道記者、キャスター、ディレクター。2004年ボーン・上田記念国際記者賞受賞。著書に「ホワイトハウスから徒歩5分」ほか。
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 しばらくぶりの「ワジワジー通信」だ。けれどもこの間、沖縄をめぐる出来事はワジワジーすることがあまりにも多くて、それらを記すだけでも紙面を覆いつくしてしまいかねない分量になるので、今回は論点を絞ることにしよう。沖縄の米軍基地建設反対運動のリーダー的存在である山城博治氏の保釈と、そこで考えなければならないこの国の司法の「変質」についてである。

     (5カ月ぶりに保釈され支援者から祝福される山城博治議長
     (左から2人目)=3月18日午後8時すぎ、那覇市樋川・
     那覇拘置支所前)

 沖縄平和運動センター議長の山城氏は3月18日保釈された。初公判の翌日のことである。去年の10月、東村高江のヘリパッド建設反対の抗議行動のさなか、米軍北部訓練場内の有刺鉄線を切ったという器物損壊の容疑で逮捕されて以来、いくつもの罪状で再逮捕が繰り返され(公務執行妨害、傷害、威力業務妨害)、何と5カ月以上、152日という長期勾留の末に保釈されたのだった。

 那覇地検は最後の最後まで保釈に反対し続けた裁判所は長期にわたって家族も含めた接見禁止処分を認めていた。山城氏に対しては、靴下等の生活必需品の差し入れも2カ月以上禁じられ、さらには那覇地検は、国民の最低限度の権利である弁護士との接見にさえもさまざまな注文をつけ続けた。山城氏にあてられた励ましの手紙約400通も全く本人のもとに届かないようにされていた。逮捕・起訴された山城氏は、保釈に至るまでの長期間、そのような境遇に置かれていた。このこと自体がまず異常である。

 今年1月26日には、国際的人権団体アムネスティ・インターナショナルが、早期釈放と適切な医療措置等を求める異例の声明を出していた。山城氏は悪性リンパ腫を患って入院していた経緯がある。また複数の人権団体や刑事法学者、有識者からも、山城氏の長期勾留は、露骨な運動つぶしを企図した動きであって、司法の機能を逸脱しているとの訴えがなされていた。だがこの国の司法を担う裁判所や検察庁は、聴く耳を持たなかったようだ。

 山城氏が勾留中に〈現場〉では一体何が起きたか。東村高江では米軍用のヘリパッド建設が力づくで完了した。反対派市民を機動隊がごぼう抜きにして、工事車両を何台も走らせての、まさに突貫工事の果ての完成だった。いわゆる「辺野古訴訟」は県の敗訴が確定し(去年12月20日)、国・沖縄防衛局は、司法によって工事GOの「お墨付き」を得られたと主張して、まさにその通りにことが進められた。

 名護市辺野古では、海上埋め立て工事が再開され、巨大な作業船が海上に姿を現し、再び反対派の抗議船などの海域進入禁止を表示するオレンジ色の浮具(フロート)が大浦湾に張り巡らされた。海の機動隊=海上保安庁の警備艇も以前のように存分に力を行使し始めた。その傍らで、工事にともなう汚濁の防止膜を固定するためだというコンクリート・ブロックが次々に海中に投げ込まれていった(最終的には228個)。山城氏の勾留中に、国・防衛局はまさに思いのままにことを進めることができた。これが客観的な事実である。

 僕は、山城氏が勾留されていなかったら、これらのことは止まっていたかもしれない、などと空想的なことは言うつもりはさらさらない。国・防衛局の、政治的な、物理的な力はこの国においては圧倒的なのであって、アメリカ政府から「待て」と言われない限り、工事は進められただろう。ではなぜ山城氏はやられたのか。彼は非転向を貫く米軍基地建設反対運動の象徴的存在であって、まさにそのことが彼が長期勾留を課された理由なのである。それを裏付ける種々の事象がある。

 僕らの国の司法にはかつて「予防拘禁」という仕組みが合法的制度として存在していた。戦前、あらゆる社会運動を弾圧する機能を果たした法律に治安維持法があった。この法律に違反したとして摘発された受刑者のうち、非転向、あるいは転向が不十分だとみなされた者は、「再犯のおそれあり」として出獄を取り消し勾留し続けることができる制度が「予防拘禁」だった。

 僕は山城氏の尋常ではない長期勾留や接見禁止措置を考えた時に、この治安維持法下の「予防拘禁」のことをすぐに想起した。今、政権は「平成の治安維持法」と言われている共謀罪法案(彼らによる呼称はテロ等組織犯罪準備罪法案だが)を国会に上程し成立を急いでいる。この動きと山城氏逮捕・長期勾留の動きは連動したものと思わざるを得ないのだ。

 実は山城氏逮捕の捜査を顧みる時に見過ごせない司法警察・検察の動きがある。山城氏の逮捕・再逮捕と相前後して東京、神奈川など全国十数カ所で家宅捜索が行われ、主にパソコン、USBメモリーやハードディスクなどの記録媒体、携帯電話などを集中的に押収していった。パソコンの押収点数は計8台、記録媒体が15台、携帯電話も7台が押収された。

 捜査当局はこれらの押収物から、メールやラインなど会員制交流サイト(SNS)での通信記録を細かく掌握しチャートを作成していった。なぜそんなことをするのか。彼らは、米軍基地建設反対運動を、山城氏を「首謀者」とする壮大な犯罪組織に見立てようとしているのである。「一味」が事前に「共謀」してあのような大反対行動を企てているのだと。

 しかし僕は長年の記者取材経験からわかるのだが、公安警察や公安検察のなかには、想像力がとてつもない奇形的な膨張を遂げてしまった人々が存在していたりする。彼らの頭のなかには常に国策にまつろわぬ者=犯罪集団=取り締まり対象という図式が出来てしまっている恐れがある。そう、彼らの頭の中には戦前の治安維持法が生きているのである。だから、まるでアルカイダかイスラム国に対するような扱いがとられてしまいかねないのだ。

 山城氏の公判に証拠申請されている膨大なビデオ映像の記録(ブルーレイディスク数十枚)はどのようにして撮影されたかを想起してみるといい彼の行動の一挙手一投足をバーの先に取りつけた小型ビデオカメラ20台以上で、警察、防衛局等の「撮影班」がよってたかって撮影したものがそれである。そのこと自体が実は異常なのだ。それを異常と認識できないほどに僕らの感覚がすでに麻痺(まひ)してしまっているのかもしれない。

 沖縄ではプレ「共謀罪」捜査が先取りされている。これは憲法のもとにある民主主義国家においてあってはならない、司法の「変質」を象徴する動きである。

 (テレビ報道記者・キャスター)=随時掲載
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2017040802000157.html

筆洗
2017年4月8日

 こういう笑い話がある。地主が自分の土地にある池で釣りをしている男を見つけて大声を出した。「そこの看板が見えないのか。<魚釣りを禁ず>と書いてあるだろ。罰金を払えっ」。すると男が逆に怒鳴り返した。「この嘘(うそ)つきめ! 何時間たっても一匹も釣れないぞ」▼魚などいないのに「釣り厳禁」とは罪つくりな看板だが、国会で審議が本格化した「共謀罪」も、かなりうさんくさい看板だろう▼魚釣りが法で禁じられた池で、腕試ししようと仲間と話し合う。釣り具を持って池まで足を運んだが、気がとがめてやめた。それでも、違法な釣りを仲間と計画したのだからと、罪に問うのが「共謀罪」だ▼こんな乱暴な話はないと反発されて、過去に三たび廃案になった。そこで政府が考えた策が、看板の付け替えだ。「共謀罪」を「テロ等準備罪」と変えたのだが、政府の当初案では条文に肝心の「テロ」の文言が一つもなかったのだから、ひどい看板もあったものだ▼東京五輪招致の際、安倍首相は(東京は)世界有数の安全な都市大きな看板を掲げてみせたのに、今は「(共謀罪など)法整備をできなければ東京五輪を開けないと言っても過言ではない」▼「テロ」の看板を掲げれば、皆ただ恐れをなし、「五輪」の看板を掲げれば、皆、賛成するだろう-とは、ずいぶん国民を見下した「看板政治」ではないか。
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●「菅官房長官は徹底抗戦の姿勢を崩さない翁長知事を念頭に、「わが国は法治国家だ」と牽制」だって!?

2017年01月04日 00時00分27秒 | Weblog


日刊ゲンダイの記事【辺野古訴訟で敗訴確定 抵抗続ける翁長知事の“次の一手”】(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/196248)。

 《菅官房長官は「国の主張が全面的に受け入れられた」と満足げで、稲田防衛相も「速やかに埋め立て工事を再開する」と鼻息が荒い菅官房長官は徹底抗戦の姿勢を崩さない翁長知事を念頭に、「わが国は法治国家」と牽制したが…》。

   『●「主権在アベ様」=「地域住民ごときが文句を言うのは
                 許されないというのが安倍政権の立場」

   『●稲嶺進名護市長「やり方が普通じゃない。
      地方分権の無視だ。法治国家としてやることか」
   『●「今の日本は法治国家ではなく、解釈も放置するし、
       憲法も放置するし、民意も放置する“放置”国家です」
   『●翁長雄志知事「そういう政府は相手にできない。
      法治国家ではない」…刃が心に突き刺さる沖縄イジメの放置

 最低の官房長官沖縄負担軽減担当相菅官房長官は徹底抗戦の姿勢を崩さない翁長知事を念頭に、「わが国は法治国家」と牽制》したそうです。本当に、ニッポンは「法治国家」なのでしょうか? 「無法治国家」なのではないでしょうか? アベ様という国王の治める「人治国家」。
 翁長雄志県知事や稲嶺進名護市長を支えなければ「沖縄破壊」「沖縄差別」「沖縄イジメ」が未来永劫に続き、沖縄の「基地負担軽減」どころか、《沖縄は半永久的に基地の島から逃れられない》し、基地が固定化される。

   『●最「低」裁(鬼丸かおる裁判長)、
     沖縄に弁論もさせずに「政治判断」…「司法判断」出来ない死んだ司法
   『●最「低」裁による辺野古破壊訴訟のデタラメ:
       「国と地方は対等という地方自治の精神を踏みにじる判断」
   『●沖縄イジメ: アベ様…「大学時代の恩師は
      二つのムチ(無知、無恥)を挙げ「彼は歴史を知らない」」

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http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/196248

辺野古訴訟で敗訴確定 抵抗続ける翁長知事の次の一手
2016年12月21日

     (敗訴が確定した翁長知事(C)日刊ゲンダイ)

 米軍普天間飛行場名護市辺野古移設を巡り、20日、最高裁は沖縄県の上告を棄却。埋め立て承認を取り消した翁長知事の敗訴が確定した。

 菅官房長官は「国の主張が全面的に受け入れられた」と満足げで、稲田防衛相も「速やかに埋め立て工事を再開する」と鼻息が荒いが、とんでもない。判決は、あくまで、2013年の仲井真前知事による「埋め立て承認」が違法でないことが確定したに過ぎないのだ。

   「埋め立て工事について翁長知事と名護市の稲嶺市長は、
    かなり大きい権限を持っている」(沖縄選出の伊波洋一参院議員)

 工事には設計変更が付きものだ。その際は必ず、知事の承認を得なくてはならない。加えて、岩礁破砕許可は来年3月で期限が切れるため、改めて知事の許可が必要だ。辺野古漁港の使用や湾に流れ込む川の水路変更、新たに発見された土器や石器などの遺跡の保存の問題もある。これらは名護市と調整が必要だ。たとえ、仲井真前知事の承認が適法でも、地元の首長の協力がないと、工事は進まない仕組みになっているのだ。

 さらに翁長知事には「承認撤回」の手段もある。「取り消し」と違って、仲井真前知事の承認自体は適法とした上で、承認を引っ込め、将来にわたって失効させるのだ。もちろん撤回するからには、環境の変化などの理由がいる。

   「仲井真さんの承認以降に沖縄で示された民意は、
    撤回できるくらいの大きな環境の変化のひとつだ」
    (沖縄1区選出の赤嶺政賢衆院議員)

 菅官房長官は徹底抗戦の姿勢を崩さない翁長知事を念頭に、「わが国は法治国家と牽制したが、法に則った抵抗はいくらでもある。
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●最「低」裁による辺野古破壊訴訟のデタラメ: 「国と地方は対等という地方自治の精神を踏みにじる判断」

2016年12月27日 00時00分18秒 | Weblog


東京新聞の社説【辺野古判決 沖縄の声を聞かぬとは】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016122102000140.html)。

 《沖縄の声を聞かずに結論を出すとは…。米軍普天間飛行場の辺野古移設をめぐる最高裁判決は「沖縄敗訴」だった。国と地方は対等という地方自治の精神を踏みにじる判断と言うべきである》。

   『●最「低」裁(鬼丸かおる裁判長)、
    沖縄に弁論もさせずに「政治判断」…「司法判断」出来ない死んだ司法


 琉球新報の【<社説>辺野古訴訟県敗訴 不当判決に屈しない 国策追従、司法の堕落だ】(http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-415275.html)によると、《司法の国策追従は目を覆わんばかりだ国の主張を丸飲みして正義に背をそむけ、環境保護行政をも揺るがす不当判決である…最高裁が新基地に加担》。

 また、沖縄タイムスの【社説[辺野古訴訟 最高裁判決を受けて]】(http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/76711)では、《[県敗訴の構図]地方自治の精神ないがしろ地方自治の否定もあからさまである。最高裁も沖縄の声を封じ込めた。…最高裁は判決で、辺野古新基地の面積が普天間飛行場と比較して相当程度縮小されることや、環境保全対策が取られているなどとして、前知事の判断に「不合理な点はない」と認定した。高裁判決を踏襲するものだ。だが面積を減らせば基地の負担軽減につながるわけではない。辺野古新基地には2本の滑走路が設計され、普天間にはない強襲揚陸艦が接岸できる岸壁や弾薬搭載エリアが新設される。耐用年数200年といわれ、沖縄は半永久的に基地の島から逃れられない》。


 最「低」裁鬼丸かおる裁判長)は、沖縄に弁論もさせずに「政治判断」しました…「司法判断」出来ない死んだ司法です。《司法の国策追従は目を覆わんばかりだ国の主張を丸飲みして正義に背をそむけ》、そして、《最高裁も沖縄の声を封じ込めた》わけです。
 最「低」裁による辺野古破壊訴訟はあっさりと敗訴しました。《国と地方は対等という地方自治の精神を踏みにじる判断》であり、《地方自治の精神ないがしろ》し、《地方自治の否定もあからさま》でした。

 沖縄の「基地負担軽減」どころか、《沖縄は半永久的に基地の島から逃れられない》…そんな「沖縄破壊」「沖縄差別」の惨状を、司法が追認してしまいました。司法も惨状。

   『●「政府は沖縄を分断し、苦渋の判断をさせ続けている」: 
               「住民分断」「沖縄差別」を恥じぬアベ様ら
    《六十年前の本土復帰運動で歌われた「沖縄を返せ」という歌は、
     辺野古で座り込む市民らに受け継がれている。変わったのは、
     訴える相手に米国だけでなく、日本政府も加わったことだ。
      「軍隊がいる所が最も危険というのが、沖縄戦の教訓
     辺野古に基地ができれば、沖縄は出撃拠点として固定化してしまう
     だから歌は、沖縄を、沖縄に返せと言っているんです」》

   『●「住民分断」「差別」「イジメ」: アベ様や
     「沖縄負担軽減担当相」が沖縄でやっていることは「あざとい」
    《▼【負担軽減負担を強いる側が、新たな負担を押しつける時に使う
     常套句(じょうとうく)。最近は数字を操作するので注意が必要
     【日本外交負担軽減を求める自国民の訴えには背を向けて
     相手国には要求以上に譲歩してしまう反愛国的な行為 
     ▼【民主主義地域の民意を無視して、国益を合言葉に数の力で
     押し切るルール。大多数の無関心な人たちの後押しが不可欠
     【辺野古新基地】地元に負担軽減につながると錯覚させ、100年後も
     沖縄を事件事故の絶えない基地の島に固定化する大型ハコ物

   『●「腐臭を放つ「判決」」と臥薪嘗胆: 「銃剣とブルドーザー」から
                       「自衛隊と機動隊とヒラメ裁判長」へ
    《県益より国益優先 判決は国の主張をほぼ全面的に採用する内容だ。
     裁判で翁長知事は辺野古新基地により
     「将来にわたって米軍基地が固定化される」と指摘した。
     その上で「県知事としての公益性判断を尊重してほしい」と訴えたが、
     判決は県民の公益性よりも辺野古新基地建設による国益を
     優先する判断に偏った

   『●「沖縄の未来」のためのアベ様の「基地負担軽減」という強弁
                      =「短絡的過ぎる」「まやかしである」
    「4千ヘクタール返還するから、0.96ヘクタールをよこせ、
     だから「基地負担軽減」だ…。両者が結び付く理由が分からない。
     0.96ヘクタールのヘリパッド、面積的にわずかで、そんなに安全で、
     訓練のためにニッポンに必要だというのなら、東京にでも造ったらどうか。
     沖縄の高江に必要だというのなら、負担削減ではなく、
     沖縄への「基地負担の固定化」」
    《これが沖縄の「基地負担軽減」になるというのだ。短絡的過ぎる
      東村高江では集落を囲むヘリパッド六つのうち、既に二つが
     完成した。このため、米軍の訓練で騒音が夜間も激化し、
     睡眠不足になった児童が学校を欠席する事態を招いた。
     さらに四つのヘリパッドを新設し、騒音にさらすのである。
      これが首相の言う「負担軽減」である。高江の状況を見れば
     移設条件付き返還の「負担軽減」は、まやかしであることは明らかだ。
      返還されるのは、米軍が「使用不可能」としている場所である。
     返還は「負担軽減」を目指したものではないということだ。
     だが、首相は面積の広さを殊更強調し、ヘリパッド新設を伴う
     一部返還を「負担軽減」と強弁した。国民の誤解を招くことを危惧する》

   『●沖縄破壊、「まるで学校における「いじめ」そのもの」…
             「傍観者たちが見て見ぬふりをすることで…」
   『●沖縄基地負担軽減の実相=「オスプレイがヘリパッドを
                 を利用することを念頭」にした基地の固定化

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016122102000140.html

【社説】
辺野古判決 沖縄の声を聞かぬとは
2016年12月21日

 沖縄の声を聞かずに結論を出すとは。米軍普天間飛行場の辺野古移設をめぐる最高裁判決は「沖縄敗訴」だった。国と地方は対等という地方自治の精神を踏みにじる判断と言うべきである。

 地方自治とは何だろうか。憲法の条文には、地方公共団体の組織や運営については「地方自治の本旨」に基づき法律で定めるとしている。では「地方自治の本旨」とは何か。その地域の住民自らが自分たちの要望に沿った政治を国から干渉を受けることなく実現することだと解されている。

 だから、「地方自治は民主主義の学校」と言われる。中央政府が一手に強大な権力を握らないよう、権力を地方に分散させる意義があるとも説明されている。明治憲法にはなかった規定であり、戦後の民主主義社会では十分に尊重されねばならない条文だ。

 だから、沖縄県側は「民意に反する新基地建設の強行は憲法が保障する地方自治権の侵害だと憲法違反を訴え上告していた。

 この観点からすれば、最高裁は大法廷に回付し、十分に審理したうえで、憲法判断に踏み込むべきだったと考える。だが翁長雄志(おながたけし)知事の言い分を聞く弁論さえ開かず、「国の指示に従わないのは不作為で違法と退けた

 米軍基地という政治的・外交的な問題には、確かに国の裁量が働くであろう。だが、全面的に国の政策の前に地方が従順であるだけなら地方自治の精神は機能しない。当然、米軍基地の大半を沖縄に押しつける理由にもならない。

 別の問題点もある。基地の辺野古移設に伴う海の埋め立て承認が今回の訴訟のテーマだった。つまり前知事による埋め立て承認の判断に違法性がなければ、現知事はそれを取り消すことができないのかというポインだ。

 選挙という「民意」が現知事の主張を支持すれば政策を変更できるのは当然ではないか

 この点について、最高裁は「前知事の承認を審理判断すべきだ」「(現知事が)職権により承認を取り消すことは許されず、違法となる」と述べた。大いに疑問を抱く判断である。

 それでは選挙で民意に問うた意味がなくなってしまうからだ。県民の合意がないまま埋め立てを強行しては「民意より米軍優先」そのものにもなる。

 高裁は「辺野古しかない」と言い切った。その言葉はなくとも、最高裁の思考回路も「辺野古ありき」だったのではなかろうか。
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●斎藤貴男さん「人権を否定することに喜びを感じている変質者集団」…「人権の砦」のはずが最「低」裁…

2016年12月23日 00時00分43秒 | Weblog


琉球新報の【<社説>「辺野古」県敗訴へ 自治否定は禍根残す 民主主義守る闘いは続く】(http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-410776.html)。
沖縄タイムスの【社説[辺野古訴訟 県敗訴へ]納得できぬ「弁論なし」】(http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/75462)。

   『●最「低」裁(鬼丸かおる裁判長)、
     沖縄に弁論もさせずに「政治判断」…「司法判断」出来ない死んだ司法

 《民主主義と地方自治を踏みにじるなら、司法の正義は失墜する》。
 《高裁判決は…迷惑施設が自分の家の近くに来るのは嫌だという日本本土のNIMBY(Not In My Back Yard=ニンビー)は認め、沖縄には基地を押し付けるとしか読めないくだりもあった…最高裁は人権の砦である。…これでも主権国家といえるのだろうか》。

 「辺野古破壊訴訟について、最「低」裁事実上確定》した訳だ。「最低裁」の最低な「政治判断」。「最低裁」の裁判長(鬼丸かおる裁判長)の名は、「最低裁」裁判官最高裁国民審査まで記憶されるべきだ」。
 死んだ司法…最「低」裁。


 日刊ゲンダイの斎藤貴男さんのコラム『二極化・格差社会の真相/人権を否定することに喜びを感じている変質者集団』(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/195730)によると、《この国は発狂している。すでに国会が治外法権になってずいぶん経つが、とうとう法の番人であるはずの裁判所までもが、広域暴力団安倍晋三組の構成員に成り下がった。沖縄県東村高江周辺の住民31人が、建設中の米軍ヘリパッド工事の一時差し止めを求めていた仮処…》。さすが、斎藤貴男さん。
 《人権を否定することに喜びを感じている変質者集団》与党自公や「癒(着)」党お維…彼・彼女らに投票できる人たちの気が知れません。そして、いまや、「人権の砦」《法の番人》のはずが最「低」裁…「司法判断」せずに、アベ様らのための「政治判断」を乱発する司法。《広域暴力団安倍晋三組》の組長や三下に成り下がり、いまや、「言論の府」も瀕死の状況。三権分立権力分立は完全に破壊。

   『●総立ちで拍手: 三権分立、「権力分立」なんて
       ニッポンには無いようで、アベ王国国王様に「権力集中」
    「立法・行政・司法の三権分立、「権力分立」なんてニッポンには
     無いようで、人治主義国家・アベ王国国王様アベ様に「権力集中」。
     あぁ…どの辺が民主主義国家、法治国家なんでしょうね?」

 「司法判断」しない最「低」裁による「政治判断」。瀬木比呂志氏が《最高裁と政府の癒着》を指摘。
 リテラの記事【辺野古訴訟の県敗訴は最高裁と政府の癒着だ! 原発再稼働でも政府を追従し続ける司法の内幕を元裁判官が暴露】(http://lite-ra.com/2016/12/post-2767.html)。
 《これまで辺野古移転反対、米軍基地反対を訴え続けてきた沖縄県の民意が、最高裁によって踏みにじられる──。これで普天間飛行場の移転先となる辺野古埋め立てはもちろん、さらに米軍キャンプ・シュワブでの陸上工事や高江ヘリパット工事の動きも一層加速することは間違いない》。
 《だが、今回の最高裁の態度は、ある意味、予想どおりと言うべきだろう。これまでも公害などの行政訴訟において、多くの場合、最高裁判所は政府、行政寄りの判決を下してきた。それは現在、全国各地で起こされている原発再稼働訴訟に関しても同様だ…。『黒い巨塔 最高裁判所』(講談社)だ。本書は政府や原発ムラと最高裁判所の関係、そのための人事や政治介入などが赤裸々に描かれた小説なのだが、しかしこれは単なるフィクションではない。というのも著者は、1979年から31年間、裁判官を勤めた元判事の瀬木比呂志氏。『絶望の裁判所』『ニッポンの裁判』(ともに講談社)などで、これまで一貫して裁判所と裁判官の腐敗を告発し続けてきた人物なのだ。つまり、本書は裁判所を知りつくした人物による、ある種の“告発の書”であり、事実、随所にフィクションとは思えないエピソードが散りばめられている》。

 あ~『絶望の裁判所』…。

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http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-410776.html

<社説>「辺野古」県敗訴へ 自治否定は禍根残す 民主主義守る闘いは続く
2016年12月13日 06:01

 民主主義と地方自治を踏みにじるなら、司法の正義は失墜する。歴史に禍根を残す国追随の司法判断が確定しようとしている。

 翁長雄志知事による名護市辺野古の埋め立て承認取り消しを巡り、国が起こした違法確認訴訟で県が敗訴する見通しとなった。最高裁第2小法廷は一審判決を見直すために必要な弁論を開かず、20日に上告審判決を言い渡す。

 立法、行政、司法の三権が均衡を保ち、行き過ぎた権力行使に歯止めをかける-。三権分立の中で司法に課された役割をかなぐり捨て民主主義と沖縄の自治を否定する判決がこのまま確定していいのか。重大な疑念を禁じ得ない。


「主従」に落とし込む

 米軍普天間飛行場に代わる名護市辺野古への新基地建設は、地方自治体と首長の権限を巡り、県と国が全面対立する構図を生んだ。

 1999年の地方自治法改正により、国と地方自治体が独自の権限を持ち、対等な関係になった。地方が譲れない重大問題で国に対抗する論理を構築して渡り合い、国も司法もそれを無視できない時代が到来しているのだ。辺野古新基地問題はその象徴であろう。

 ところが、福岡高裁那覇支部が下した一審判決は地方分権に逆行し、国と県をかつての「主従」の関係に落とし込んだ。当然ながら、多くの行政法学者が最高裁での見直しは不可避と主張してきた。国土交通相の是正指示に従わない知事判断を違法とした判決は司法の公平性に背を向け、国の主張の引き写しと見なすしかない。

 普天間飛行場の移設先を辺野古が唯一とする安倍政権の主張を追認し、高裁判決は辺野古埋め立てをやめれば普天間飛行場の被害を継続するしかないというどう喝さえ繰り出した

 埋め立てによって米軍基地ができる可能性がある40都道府県の全知事が拒んだ場合を想定し、判決文はこうも記した。「国防・外交に本来的権限と責任を負うべき立場にある国の不合理とは言えない判断が覆されてしまい地方公共団体の判断が優越しかねない

 安全保障などで国と地方が対立した場合、自治体の意向など全く考慮することなく、国がやりたい放題できる論理構成だ。全自治体に刃(やいば)が向く危うさがある。

 幾多の選挙で示された辺野古ノーの民意を無視し、強権行使一本やりの安倍政権と同調した乱暴な論理がちりばめられている。

 基地の重圧にあえいできた沖縄の戦後史に思いをはせることもなく、独断と決め付けによる事実誤認が多い判決が無批判に最高裁で確定することは許されない。


権限駆使しはね返せ

 上告審判決を待って、安倍政権は停止していた辺野古での工事再開に突き進むとみられる。翁長知事や県民世論に圧力を強め、諦念を植え付けようと躍起になるのは目に見えている。沖縄は一層厳しい局面に立たされる。

 だが、沖縄戦の住民犠牲と米軍統治下と日本復帰後も続く米兵らによる事件・事故を踏まえ、人権保護と環境保全とは相いれない新基地建設に毅然と反対を貫く民意の正当性はいささかも揺るがない。徹底抗戦は続く。

 最高裁判決が出ても、翁長知事は「新基地建設をあらゆる手法で阻止する」と明言している。新基地の設計・工法の変更申請に伴う知事の承認権限の行使がある。翁長知事が申請を認めなければ、申請のたびに工事は止まる。

 沖縄防衛局は大浦湾のサンゴを移す特別採捕許可を得る必要があるが、生態系に潰滅的打撃を与えると主張する県が許可しない可能性が濃厚だ。名護市の権限も多くあり、国が意のままに新基地建設を進められない要素は多い。

 最高裁判決まで1週間ある。戦後71年、県内移設条件付きの普天間返還合意から20年余を経ても、辺野古の海の埋め立てを阻んできた民意の力を再確認し、これからも続く試練に立ち向かう県民の気概を研ぎ澄ましたい。
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http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/75462

社説[辺野古訴訟 県敗訴へ]納得できぬ「弁論なし」
2016年12月13日 07:36

 国が県を訴えた「辺野古違法確認訴訟」の最高裁判決は県敗訴の見通しとなった。

 判決を見直す場合の弁論が開かれず、最高裁が20日に判決を言い渡すことを決めたからである。

 県は9月、福岡高裁那覇支部で全面敗訴し、上告していた。高裁判決は国の主張をそのままコピペしたようなひどい内容だった。

 このためにも最高裁の審理では翁長雄志知事の意見陳述が不可欠だったはずであり、その機会を与えないまま、判決を言い渡すのはとても納得できない。

 高裁判決は例えば、北朝鮮の弾道ミサイル「ノドン」を取り上げ、「射程外となるのはわが国では沖縄などごく一部」として、軍事専門家の間からも出ている沖縄の地理的優位性に対する疑義を都合のよい論理で封じ込めた。

 迷惑施設が自分の家の近くに来るのは嫌だという日本本土のNIMBY(Not In My Back Yard=ニンビー)は認め、沖縄には基地を押し付けるとしか読めないくだりもあった。

 普天間飛行場の被害を除去するためには辺野古に新施設を建設するしかない。辺野古の新施設建設を止めれば普天間の被害を継続するしかない-と行政に追従するような言及もあり、司法の矩(のり)を超えていると批判された。

 1999年に地方自治法が改正され、国と地方の関係が「上下・主従」から「対等・協力」に転換してから初の最高裁判決である。そういう意味でも最高裁にはしっかりした弁論をした上で判断を示してほしかった。


■    ■


 県が敗訴した場合、今後の焦点になりそうなのが3月に県と国が合意した和解条項で、「直ちに、判決に従い、主文およびそれを導く理由の趣旨に沿った手続きを実施するとともに、その後も同趣旨に従って互いに協力して誠実に対応することを相互に確約する」としている点である。

 県は「確定判決には従う」と明言し、敗訴が確定すれば取り消し処分を取り消す。だが、あくまで「違法確認訴訟」に限るとの考えだ。

 翁長知事は来年3月に期限が切れる岩礁破砕許可や、サンゴの採捕許可、設計変更申請審査など知事権限を行使して阻止する構えだが、和解条項との関係はどうなるのか。

 政府は県が敗訴確定後も抵抗した場合、損害賠償請求の検討に入ったとの報道もある。政府は最高裁判決が「最終判断」との立場である。


■    ■


 政府は22日に北部訓練場の過半の返還式典を開く。返還条件となっていたヘリパッド(着陸帯)の建設を強権的に進め、年内完成を最重要課題にした結果だ。辺野古陸上部の隊舎の工事も年内に再開する。辺野古本体とは別だとして県の了解を取り付けている。最高裁の判決言い渡しが「あうんの呼吸」で政府のスケジュールに合わせたようにしかみえず、釈然としない。

 最高裁は人権の砦(とりで)である。厚木基地騒音訴訟にみられるように米軍がらみでは被害を認めながら根本的な救済策には踏み込まない。これでも主権国家といえるのだろうか
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●沖縄破壊、「まるで学校における「いじめ」そのもの」…「傍観者たちが見て見ぬふりをすることで…」

2016年12月21日 00時00分19秒 | Weblog


沖縄タイムスのコラム【米国版「高江」との落差 不条理に慣れてはいないか 【金平茂紀の新・ワジワジー通信(22)】】(http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/75923)。

 《僕はこんな例えをしてきた。本土(中央政府)と沖縄県との関係は、まるで学校における「いじめそのものではないかと》。

 「「ダコタ・アクセス・パイプライン」の建設では、スタンディングロック・スー族やその支援者による反対運動により、オバマ政権は中止を決定したそうです。一方、辺野古や高江といった「民主主義の圧殺現場」(金平茂紀さん)では、オバマ政権は沖縄破壊や日米地位協定の滅茶苦茶ブリを全く無視している」。

   『●「民主主義の圧殺現場」としての
      辺野古破壊や高江破壊…生活と生態系を根こそぎ破壊
    「沖縄タイムスのコラム【米国にもう一つの「高江」 
     【金平茂紀の新・ワジワジー通信(21)】】」
    《先住民にとっては、このミズーリの流れは先祖代々
     「命の水をもたらしてくれる聖なる地」で、そこが原油漏れの汚染の
     危機に常時さらされることに強い反対の意思をあらわした。
     そこで行われた環境アセスメント内容がずさんきわまりないもので、
     連邦政府(オバマ政権)も工事の許認可権をもつアメリカ陸軍工兵隊に
     見直しを要請したが、軍は工事をあっさりと認可、先住民たちはついに
     裁判所に訴えを起こした。と同時に、工事予定地で
     非暴力直接行動の座り込みを行った》

   『●オバマ政権の「二重基準」: 
     沖縄差別・沖縄破壊はトランプ次期大統領の就任で悪化?


 まさに、「沖縄イジメ」。
 オバマ政権の「二重基準」を積極的に支持し、「沖縄差別」「沖縄破壊」を自ら続け、「植民地」として番犬様に献上する…アベ様や最低の官房長官沖縄負担軽減担当相のスガ殿、「差別と断定できない鶴保庸介沖縄担当相らのやっていることは「沖縄イジメ」。「沖縄差別・沖縄破壊はトランプ次期大統領の就任で悪化?」することを怖れる。アベ様らによる、より苛烈な「沖縄イジメ」を怖れる。
 《理不尽をスルーする傍観者たち》…心に突き刺さる。

   『●「沖縄の声に耳を傾けて、理解を得るべき担当相が、
          県民を敵視するかのような発言…。もはや失格」
   『●目取真俊さん「差別用語であることは一目瞭然」…
       沖縄負担軽減相ら閣僚の皆さん方全員がヘイト体質
   『●高江の皆さん、ご唱和を! 「鶴保庸介沖縄担当相殿、
                「無実だと断じることは到底できない!」」
   『●遺族の願いとはほど遠い現実…「沖縄に米軍基地が
           あるゆえに起こる。一日でも早い基地の撤去を…」
   『●グッドタイミングな沖縄県警やアベ様、
      「負担軽減」相らのヤルことのあまりのアザトさ…「沖縄イジメ」
   『●高江破壊差し止め仮処分申請が却下…
       司法判断ではなく、「工事者の政府に寄り添う」政治判断
   『●現在進行形の「身代わり」: 「反省と不戦の誓いを
            …沖縄を二度と、身代わりにしてはならない」
   『●最「低」裁(鬼丸かおる裁判長)、沖縄に弁論もさせずに「政治判断」
                        …「司法判断」出来ない死んだ司法
   『●「植民地意識丸出し」(安慶田光男副知事)な
      番犬様に尻尾をフル「言葉の偽装に長け」た政権(琉球新報)
   『●言論の府として死んでいる国会議事堂や、
      責任者である首相官邸の上空で「空飛ぶ棺桶」の訓練したらどう?
   『●「オスプレイ墜落事故が「看板」の偽りを証明」…
              最「低」裁裁判長に感想を聞いてみたい!
   『●翁長雄志知事「そういう政府は相手にできない。
      法治国家ではない」…刃が心に突き刺さる沖縄イジメの放置

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http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/75923

米国版「高江」との落差 不条理に慣れてはいないか 【金平茂紀の新・ワジワジー通信(22)】
2016年12月15日 16:56
金平茂紀 高江 ヘリパッド ヘイトスピーチ 普天間移設問題・辺野古新基地 沖縄差別 本土と沖縄
金平茂紀

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金平茂紀 (かねひら しげのり)
TBS報道記者、キャスター、ディレクター
1953年北海道生まれ。TBS報道記者、キャスター、ディレクター。2004年ボーン・上田記念国際記者賞受賞。著書に「ホワイトハウスから徒歩5分」ほか。
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 今年も押し詰まってきた。沖縄にとって2016年という年は、何とワジワジーすることだらけだったことか。

     (ヘリパッド建設に市民が抗議する中、警察車両の先導で、
     米軍北部訓練場に入る砂利を積んだダンプカー
     =11月25日、東村高江 拡大する)

 僕はこんな例えをしてきた。本土(中央政府)と沖縄県との関係は、まるで学校におけるいじめそのものではないかと。いじめには、いじめる者といじめられる者とがいる。だがそれ以外に多数の傍観者たちがいる傍観者たちが見て見ぬふりをすることで、いじめは黙認され、正当化され、続行することになるのだ執拗(しつよう)にいじめを繰り返す東京の政府・官庁・司法。それに対して、いじめに耐えながら必死に誇りと矜持(きょうじ)を保とうとしている県側。

 けれども、あまりにいじめ続けられていると限界というものも見えてくるだろう。身を震わせながら無力感と敗北感に膝を屈する時もあるだろう。いつだってその脇には、理不尽をスルーする傍観者たちがいる。沖縄は自分たちとは違う環境にあるのだから仕方がないんだと割り切っている傍観者たちがいる。そうした傍観者たちの姿が見えてきたのも、2016年という年の大きな特徴なのではないか。

 前回の新ワジワジー通信でご報告した米国版「高江」=ダコタ・アクセス・パイプライン計画の建設で大きな展開があった。今月4日、何とオバマ政権は、ノースダコタ州内の先住民スタンディングロック・スー族の居留地近くを通るルートのパイプライン建設工事を許可しないとの決定を下したのだ。

 居留地近くを通る建設ルートが変更される可能性が大きくなった。他の地区での工事はすでにかなり進んでいる。決定の主体は、アメリカ陸軍工兵隊だが、この決定以前に、連邦政府(オバマ政権)が軍に対して環境アセスメントの見直しを要請するなど、工事強行に難色を示してプレッシャーをかけていたという経緯がある。

 先住民の土地・環境と生存権をまもる非暴力直接行動(座り込み)の闘い、そして、それに対する警察や警備会社による凄(すさ)まじい強制排除の構図は、まさに「高江」「辺野古」で僕らが見てきた光景と重なる。今回の決定について、スタンディングロック・スー族の代表らは「歴史的な決定だ」と捉え、オバマ大統領に対し「永遠に感謝する」と述べた。来年1月にホワイトハウスを去っていくオバマ大統領の大きな置きみやげと評価する声が多く聞かれる。ノースダコタの「高江」は先住民が勝利した

 さて、沖縄はどうなっているか。眼前で進行している現実を直視してみる。今月の初旬と中旬、久しぶりに沖縄本島を訪れた。那覇の市街は賑(にぎ)わいをみせていた。でも、しばらくいると、何かどこかが違っているように感じてしまった。テレビ局の仕事を終えて、市内の居酒屋さんで旧知の人々と泡盛を飲んでいたら、振動を伴う重くて鈍い音が屋外から聞こえてきた。「オスプレイですよ。普通のヘリとは全然違うでしょ」。

 そうか、夜9時すぎでも飛んでるんだ。沖縄タイムスでオスプレイが連日連夜、宜野座村などでいわゆる「つり下げ訓練」を行っていると報じられていたが、こんな身近にも飛んでいるとは。その日の2日前に、騒音や低周波音被害の違法性が「十分に疎明されているとは言い難い」との判決文を書いた那覇地裁の裁判官官舎の上空はおそらく飛んでいないのだろう。

 その直前まで、僕らは那覇市の県庁前広場で行われていた沖縄平和運動センターの山城博治議長らの逮捕や家宅捜索に抗議する集会を取材していた。周辺はとんでもないことになっていた。複数の右翼団体の街宣車があらん限りの騒音をまき散らし、集会を妨害していた沖縄県警はそれを放置していた。

 騒音レベルだけでも明らかに違法だが何もしない。これが法治国家・日本の那覇の現実だ。街宣車のマイクからはデモ参加者を攻撃するヘイトスピーチが流れていた。県警は何もしない。辛うじて「直接接触」をさせないようにはしていたが。人は慣れるものだ。こんな異常な状況にも。

 その直前まで僕らは県庁ロビーで取材をしていた。県議会開催中で、翁長雄志知事のぶら下がり会見があるという。直前になって県庁の広報担当者が「質問は税制など二つの内容に限ります」と居合わせた記者たちにアナウンスしている。何を言っているのだろう。けれども記者たちは誰1人文句も言わない。人は慣れるものだ。質問を事前に制限することはよくないことだ。知事を支える環境に変化が生じているのだろうか

 その直前まで僕らは高江にいた。筆者の取材で得た情報では、12月16日までにヘリパッド建設工事を終了させよとの東京からの指令で、突貫工事が進められていた。N1ゲートには3分から5分おきに砂利を積載したダンプカーが4台編成で次々に入っていく。前後に警察車両がエスコートしている。決して多くはない抗議運動の人々がそのたびに抗議の声をあげる。「森を殺すな!」その数倍の人数の機動隊員が壁をつくって包囲して封じ込める。これが憲法で保障された集会・結社の自由の現実だ。

 それに先だって、座り込み抗議をしていたこれらの人々は、まるで荷物を運搬するように機動隊員によって排除されていた。ヘリパッド工事現場にも機動隊員が配置されている。彼らはある時は工事車両の荷台に乗って現場に移動していた。また警察車両に工事作業員が多数乗っていたこともある。何のことはない。工事完遂という目的の前に、作業員と警察官は一体化しているのだ。警察法に違反していないか。だが人は慣れるものだ。

 道路際に立つ若い機動隊員に話しかけてみた。右耳にはイヤホンが刺さっている。「ずっと立ちっ放しで辛(つら)いですね」「…仕事ですから」「もうここには長いんでしょう?」「…」「帰りたくなることはないですか?」「…2カ月を越すとちょっとあれですね」。はじめて本音の肉声が返ってきた。彼は「土人」と暴言を吐くタイプとは違うようにみえた。

 北部訓練場の返還式典が今月22日に挙行される予定だ。これら眼前で起きているすべての不条理な現実が、「負担軽減」というマジックワードによって覆い隠されることのないように祈るばかりだ。(テレビ報道記者・キャスター)=随時掲載
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