Activated Sludge ブログ ~日々読学~

資料保存用書庫の状況やその他の情報を提供します。

●アベ様による沖縄破壊: 「はるか遠く離れたノースダコタ州の先住民から沖縄の人々へのメッセージ」

2017年03月05日 00時00分30秒 | Weblog


東京新聞の記事【トランプ氏、環境保護より雇用 パイプラインの建設推進に署名】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201701/CK2017012502000238.html)と、
沖縄タイムスのコラム【米先住民らの抵抗現場を見た 民主主義の抹殺現場「スタンディングロック」 【金平茂紀の新・ワジワジー通信(23)】】(http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/82928)。

 《米国は、地球環境保護より産業振興や雇用確保を優先する政策に転換した。建設を推進するのは、カナダで採掘した原油を米メキシコ湾へ運ぶ「キーストーンXLパイプライン」と、中西部ノースダコタ州からイリノイ州へ石油を運ぶ「ダコタ・アクセス・パイプライン」。キーストーンは、オバマ前大統領が環境破壊や地球温暖化につながるとして計画を却下していた。約九割が完成しているダコタは、予定地近くの先住民が水質汚染の懸念から反対運動を続け、建設が中断している》。
 《ノースダコタ州のスタンディングロック・スー族居留地…先住民たちにとってこの土地および近くを流れるミズーリ川は、先祖代々受け継いできた「聖なる土地・聖なる水」であり、彼らの生き方・世界観の礎となっている》。

   『●「民主主義の圧殺現場」としての
      辺野古破壊や高江破壊…生活と生態系を根こそぎ破壊
   『●沖縄破壊、「まるで学校における「いじめ」そのもの」…
            「傍観者たちが見て見ぬふりをすることで…」
    「「ダコタ・アクセス・パイプライン」の建設では、
     スタンディングロック・スー族やその支援者による反対運動により、
     オバマ政権は中止を決定したそうです。一方、辺野古や高江といった
     「民主主義の圧殺現場」(金平茂紀さん)では、オバマ政権は
     沖縄破壊や日米地位協定の滅茶苦茶ブリを全く無視している」

   『●オバマ政権の「二重基準」: 
      沖縄差別・沖縄破壊はトランプ次期大統領の就任で悪化?
    《オバマ政権は国内の先住民らの主張に配慮する一方、
     同じく自然環境への悪影響が指摘される沖縄の辺野古新基地建設や
     北部訓練場の新ヘリパッド建設では、県民の反対にかかわらず
     工事推進の立場を堅持している。“二重基準”が浮き彫りになった格好だ…
     ただ、トランプ次期大統領は建設を推進する方針を明言しているため、
     今回の決定が覆される可能性も指摘されている》
    「内政問題でさえも《トランプ次期大統領は建設を推進する方針を明言
     しているそうだ。外国であり、(トランプ氏が知っているとは思えないけれど)
     「本土」から「遠く離れた」沖縄破壊や沖縄差別が改善するとは全く思えない」

 沖縄では、トランプ大統領に対する無根拠な「夢」は無惨に打ち砕かれ…そして、番犬様の本国でも、「ダコタ・アクセス・パイプライン」が再開。沖縄および本国で、負の方向で「二重基準」が解消されました。翁長沖縄県知事らによる訪米も、残念ながら、無駄足だったと言わざるを得ない状況です。次の手は…?
 数週間前の『報道特集』でも、金平茂紀さんが報告されていました。《「…沖縄の人々にメッセージを持ち帰ってもらえるならば、彼らにこう伝えてください。彼らが立ち、守っているその土地は、スタンディングロックで私たちが立っているこの土地と同じです。私たちはそれほど遠く離れてはいません。心に勇気を持つように彼らに伝えてください私たちは成し遂げることができます。私は彼らのために祈ります。この世界でもがき苦しむ全ての人が共に立ち上がるべきなのです」 はるか遠く離れたノースダコタ州の先住民から沖縄の人々へのメッセージである》。

==================================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201701/CK2017012502000238.html

トランプ氏、環境保護より雇用 パイプラインの建設推進に署名
2017年1月25日 夕刊

 【ワシントン=後藤孝好】トランプ米大統領は二十四日、ホワイトハウスで国内の二つの石油パイプラインの建設を推進する大統領令に署名した。環境保護規制の緩和に関する大統領令にも署名。米国は、地球環境保護より産業振興や雇用確保を優先する政策に転換した。

 建設を推進するのは、カナダで採掘した原油を米メキシコ湾へ運ぶ「キーストーンXLパイプライン」と、中西部ノースダコタ州からイリノイ州へ石油を運ぶ「ダコタ・アクセス・パイプライン」。キーストーンは、オバマ前大統領が環境破壊や地球温暖化につながるとして計画を却下していた。約九割が完成しているダコタは、予定地近くの先住民が水質汚染の懸念から反対運動を続け、建設が中断している。

 トランプ氏は、パイプライン建設時に米国製の資材を優先して使用させることや製造業の工場建設などの規制緩和、優先度の高いインフラ整備で環境影響評価にかかる時間短縮の計五つの大統領令に署名。その後、記者団に「米国でパイプラインを建設するなら米国製を使うべきだ。これで多くの労働者を生むだろう」と強調した。キーストーンのパイプラインの建設部門では二万八千人の雇用が創出される可能性があると述べたが、人数の根拠には言及しなかった。
==================================================================================

==================================================================================
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/82928

米先住民らの抵抗現場を見た 民主主義の抹殺現場「スタンディングロック」 【金平茂紀の新・ワジワジー通信(23)】
2017年2月6日 14:35

金平茂紀
TBS報道記者、キャスター、ディレクター
1953年北海道生まれ。TBS報道記者、キャスター、ディレクター。2004年ボーン・上田記念国際記者賞受賞。著書に「ホワイトハウスから徒歩5分」ほか。


 アメリカ合衆国第45代大統領にドナルド・トランプ氏が就任した。ホワイトハウス執務室の椅子に座るや、彼は大統領令を頻発し内外に混乱を引き起こし続けている。今、世界はトランプ大統領によって引っかき回されていると言っても過言ではない。僕は、そのトランプ大統領の就任式などを取材するために先月中旬からアメリカへと取材に向かった。

     (スタンディングロック・スー族居留地のキャンプ=1月、
      米国ノースダコタ州(筆者撮影))

 就任式翌日、全米で「女性大行進(Women,s March)」という大規模デモ行進があった。いやはや、大変なものだった。正直に記せば、この女性大行進こそが「歴史的」という形容詞にふさわしい出来事だと実感した。そのワシントンの数10万人規模のデモ行進の一角に、鮮やかな原色の衣装をまとった米・先住民たちの小集団がいた。立錐(りっすい)の余地もなく移動がままならない人ごみの中で、僕らは何とか体をずらして少しずつ彼らに近づいていった。

 彼らこそ、米ノースダコタ州でダコタ・アクセス・パイプライン(以下、DAPLと記す)という石油パイプライン建設工事に反対して闘っているスタンディングロック・スー族の人々だったのだ。彼らについてはすでにこの欄で触れてきたが、今回の米国取材で僕らは現地にまで足をのばして、どのようなことが進行中なのかを直接取材することができた。

 現地、ノースダコタ州のスタンディングロック・スー族居留地は、州都ビスマークから車で2時間あまり。現地に近づくにつれ風景が変わっていく。季節は真冬だ。雪原以外には何もない白い雪と潅木(かんぼく)のみの世界が広がっていた。寒い。日本から持っていった携帯カイロをいくつも体に貼り付けて取材にのぞんだ。先住民たちにとってこの土地および近くを流れるミズーリ川は、先祖代々受け継いできた「聖なる土地・聖なる水」であり、彼らの生き方・世界観の礎となっている。

 折から国連人権理事会傘下の作業部会などが主催する先住民たちからのヒアリングが行われていた。パイプライン建設に反対する先住民と支援者らの非暴力直接行動に対して、州政府警察、事業主が雇った警備員らが何をしたのか。それを丁寧に聴き取り、記録していく作業が行われていた。

 先住民の生々しい証言が続く。ゴム弾で撃たれた。催涙ガスを散布された。放たれた犬に噛(か)みつかれた。拘束され大きな檻(おり)に入れられ、腕に番号を刻印された。ビスマーク市の白人住民多数の社会の反対の声は聞き入れられ、パイプラインのコースが変更されたのに、先住民居留地の近くを通るのならいいのか。少なくとも現時点では国連人権理事会はこの問題に重大な関心をもっているようだ。

 今現在、現地では工事は止まっていた。なぜならば、前回この連載で記した通り、オバマ政権下で、工事の許可権限をもつ陸軍工兵隊が、去年12月に環境アセスメントの見直し等を決め、事業主に建設を許可しないという決定を下したからだった。だが現地に行って先住民たちから話を聞くと、彼らの多くは、これは「嵐の前の静けさ」だと冷徹に認識していた。そしてその通りになったのだ。

 トランプ大統領は就任わずか5日目の1月24日、DAPLを含む石油パイプライン工事の当初計画どおりの工事再開を命じる大統領令を発出したのである。まさにその日、僕らは現地で取材していた。何というめぐりあわせだろうか。「明らかにこの大統領令は先住民たちの顔に平手打ちを食らわせるようなものだ。彼らは環境アセスメントをやる気などさらさらない」(現地にいたアメリカ自由人権協会、ジャミール・ダコワール弁護士の発言)。

 先住民が抗議行動の拠点にしているキャンプには、さまざまな意匠に富んだテントが数多く設営されていた。僕らが訪れた時はせいぜい400人位しかいなかったが、一時は数千人がこのキャンプ地および近郊に結集していたという。スタンディングロック・スー族の行政庁で歴史編さん部の仕事をしている歴史家ジョン・イーグルさんに話を聞くことができた。

 「ここアメリカで主流とされる社会と私たち先住民とでは〈神聖〉とするものが異なるのです。私たちの祖先はこの土地から生まれでたこの土地から私たちの物語が始まったのです。アメリカ人のほとんどは海外から来た人たちです。私たちの先祖はこの土地に眠っていますが、彼らの先祖たちはここから遠く離れた土地に眠っています。ですから彼らのこの土地との絆は私たちが持つ絆とは異なるのです。土地を守り、水を守るのは私たちの当然の責任だと思っています。それで私たちは〈水の番人〉と呼ばれるようになったのです。ですから抗議活動とかデモなんていう軽い言葉は使いたくありませんね」

 豊かな知識に裏打ちされた確固とした語り口だった。実際、イーグルさんの話の内容は、7世代前の先祖たちの予言にまつわるものから、はるか未来の世代への責任など、時間のスケールが桁違いに壮大なのだった。最も懸念されるのがパイプラインからの石油漏れだ。実際かなりの頻度で石油漏れと環境汚染が起きている現実がすでにある。「私たちがそれを許したばかりに、子供や孫やひ孫が大惨事に対処しなければならなくなるのです」

 イーグルさんは、こちらが切り出す前にすでに沖縄の米軍基地建設に絡んで進行中の出来事のことを知っていた。

 「私たちにとって、この世の中にあるものの中で1番の薬はです。水は命です。沖縄の人々にメッセージを持ち帰ってもらえるならば、彼らにこう伝えてください。彼らが立ち、守っているその土地は、スタンディングロックで私たちが立っているこの土地と同じです。私たちはそれほど遠く離れてはいません。心に勇気を持つように彼らに伝えてください私たちは成し遂げることができます。私は彼らのために祈ります。この世界でもがき苦しむ全ての人が共に立ち上がるべきなのです

 はるか遠く離れたノースダコタ州の先住民から沖縄の人々へのメッセージである。

 (テレビ報道記者・キャスター)=随時掲載
==================================================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●沖縄破壊、「まるで学校における「いじめ」そのもの」…「傍観者たちが見て見ぬふりをすることで…」

2016年12月21日 00時00分19秒 | Weblog


沖縄タイムスのコラム【米国版「高江」との落差 不条理に慣れてはいないか 【金平茂紀の新・ワジワジー通信(22)】】(http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/75923)。

 《僕はこんな例えをしてきた。本土(中央政府)と沖縄県との関係は、まるで学校における「いじめそのものではないかと》。

 「「ダコタ・アクセス・パイプライン」の建設では、スタンディングロック・スー族やその支援者による反対運動により、オバマ政権は中止を決定したそうです。一方、辺野古や高江といった「民主主義の圧殺現場」(金平茂紀さん)では、オバマ政権は沖縄破壊や日米地位協定の滅茶苦茶ブリを全く無視している」。

   『●「民主主義の圧殺現場」としての
      辺野古破壊や高江破壊…生活と生態系を根こそぎ破壊
    「沖縄タイムスのコラム【米国にもう一つの「高江」 
     【金平茂紀の新・ワジワジー通信(21)】】」
    《先住民にとっては、このミズーリの流れは先祖代々
     「命の水をもたらしてくれる聖なる地」で、そこが原油漏れの汚染の
     危機に常時さらされることに強い反対の意思をあらわした。
     そこで行われた環境アセスメント内容がずさんきわまりないもので、
     連邦政府(オバマ政権)も工事の許認可権をもつアメリカ陸軍工兵隊に
     見直しを要請したが、軍は工事をあっさりと認可、先住民たちはついに
     裁判所に訴えを起こした。と同時に、工事予定地で
     非暴力直接行動の座り込みを行った》

   『●オバマ政権の「二重基準」: 
     沖縄差別・沖縄破壊はトランプ次期大統領の就任で悪化?


 まさに、「沖縄イジメ」。
 オバマ政権の「二重基準」を積極的に支持し、「沖縄差別」「沖縄破壊」を自ら続け、「植民地」として番犬様に献上する…アベ様や最低の官房長官沖縄負担軽減担当相のスガ殿、「差別と断定できない鶴保庸介沖縄担当相らのやっていることは「沖縄イジメ」。「沖縄差別・沖縄破壊はトランプ次期大統領の就任で悪化?」することを怖れる。アベ様らによる、より苛烈な「沖縄イジメ」を怖れる。
 《理不尽をスルーする傍観者たち》…心に突き刺さる。

   『●「沖縄の声に耳を傾けて、理解を得るべき担当相が、
          県民を敵視するかのような発言…。もはや失格」
   『●目取真俊さん「差別用語であることは一目瞭然」…
       沖縄負担軽減相ら閣僚の皆さん方全員がヘイト体質
   『●高江の皆さん、ご唱和を! 「鶴保庸介沖縄担当相殿、
                「無実だと断じることは到底できない!」」
   『●遺族の願いとはほど遠い現実…「沖縄に米軍基地が
           あるゆえに起こる。一日でも早い基地の撤去を…」
   『●グッドタイミングな沖縄県警やアベ様、
      「負担軽減」相らのヤルことのあまりのアザトさ…「沖縄イジメ」
   『●高江破壊差し止め仮処分申請が却下…
       司法判断ではなく、「工事者の政府に寄り添う」政治判断
   『●現在進行形の「身代わり」: 「反省と不戦の誓いを
            …沖縄を二度と、身代わりにしてはならない」
   『●最「低」裁(鬼丸かおる裁判長)、沖縄に弁論もさせずに「政治判断」
                        …「司法判断」出来ない死んだ司法
   『●「植民地意識丸出し」(安慶田光男副知事)な
      番犬様に尻尾をフル「言葉の偽装に長け」た政権(琉球新報)
   『●言論の府として死んでいる国会議事堂や、
      責任者である首相官邸の上空で「空飛ぶ棺桶」の訓練したらどう?
   『●「オスプレイ墜落事故が「看板」の偽りを証明」…
              最「低」裁裁判長に感想を聞いてみたい!
   『●翁長雄志知事「そういう政府は相手にできない。
      法治国家ではない」…刃が心に突き刺さる沖縄イジメの放置

==================================================================================
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/75923

米国版「高江」との落差 不条理に慣れてはいないか 【金平茂紀の新・ワジワジー通信(22)】
2016年12月15日 16:56
金平茂紀 高江 ヘリパッド ヘイトスピーチ 普天間移設問題・辺野古新基地 沖縄差別 本土と沖縄
金平茂紀

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
金平茂紀 (かねひら しげのり)
TBS報道記者、キャスター、ディレクター
1953年北海道生まれ。TBS報道記者、キャスター、ディレクター。2004年ボーン・上田記念国際記者賞受賞。著書に「ホワイトハウスから徒歩5分」ほか。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

 今年も押し詰まってきた。沖縄にとって2016年という年は、何とワジワジーすることだらけだったことか。

     (ヘリパッド建設に市民が抗議する中、警察車両の先導で、
     米軍北部訓練場に入る砂利を積んだダンプカー
     =11月25日、東村高江 拡大する)

 僕はこんな例えをしてきた。本土(中央政府)と沖縄県との関係は、まるで学校におけるいじめそのものではないかと。いじめには、いじめる者といじめられる者とがいる。だがそれ以外に多数の傍観者たちがいる傍観者たちが見て見ぬふりをすることで、いじめは黙認され、正当化され、続行することになるのだ執拗(しつよう)にいじめを繰り返す東京の政府・官庁・司法。それに対して、いじめに耐えながら必死に誇りと矜持(きょうじ)を保とうとしている県側。

 けれども、あまりにいじめ続けられていると限界というものも見えてくるだろう。身を震わせながら無力感と敗北感に膝を屈する時もあるだろう。いつだってその脇には、理不尽をスルーする傍観者たちがいる。沖縄は自分たちとは違う環境にあるのだから仕方がないんだと割り切っている傍観者たちがいる。そうした傍観者たちの姿が見えてきたのも、2016年という年の大きな特徴なのではないか。

 前回の新ワジワジー通信でご報告した米国版「高江」=ダコタ・アクセス・パイプライン計画の建設で大きな展開があった。今月4日、何とオバマ政権は、ノースダコタ州内の先住民スタンディングロック・スー族の居留地近くを通るルートのパイプライン建設工事を許可しないとの決定を下したのだ。

 居留地近くを通る建設ルートが変更される可能性が大きくなった。他の地区での工事はすでにかなり進んでいる。決定の主体は、アメリカ陸軍工兵隊だが、この決定以前に、連邦政府(オバマ政権)が軍に対して環境アセスメントの見直しを要請するなど、工事強行に難色を示してプレッシャーをかけていたという経緯がある。

 先住民の土地・環境と生存権をまもる非暴力直接行動(座り込み)の闘い、そして、それに対する警察や警備会社による凄(すさ)まじい強制排除の構図は、まさに「高江」「辺野古」で僕らが見てきた光景と重なる。今回の決定について、スタンディングロック・スー族の代表らは「歴史的な決定だ」と捉え、オバマ大統領に対し「永遠に感謝する」と述べた。来年1月にホワイトハウスを去っていくオバマ大統領の大きな置きみやげと評価する声が多く聞かれる。ノースダコタの「高江」は先住民が勝利した

 さて、沖縄はどうなっているか。眼前で進行している現実を直視してみる。今月の初旬と中旬、久しぶりに沖縄本島を訪れた。那覇の市街は賑(にぎ)わいをみせていた。でも、しばらくいると、何かどこかが違っているように感じてしまった。テレビ局の仕事を終えて、市内の居酒屋さんで旧知の人々と泡盛を飲んでいたら、振動を伴う重くて鈍い音が屋外から聞こえてきた。「オスプレイですよ。普通のヘリとは全然違うでしょ」。

 そうか、夜9時すぎでも飛んでるんだ。沖縄タイムスでオスプレイが連日連夜、宜野座村などでいわゆる「つり下げ訓練」を行っていると報じられていたが、こんな身近にも飛んでいるとは。その日の2日前に、騒音や低周波音被害の違法性が「十分に疎明されているとは言い難い」との判決文を書いた那覇地裁の裁判官官舎の上空はおそらく飛んでいないのだろう。

 その直前まで、僕らは那覇市の県庁前広場で行われていた沖縄平和運動センターの山城博治議長らの逮捕や家宅捜索に抗議する集会を取材していた。周辺はとんでもないことになっていた。複数の右翼団体の街宣車があらん限りの騒音をまき散らし、集会を妨害していた沖縄県警はそれを放置していた。

 騒音レベルだけでも明らかに違法だが何もしない。これが法治国家・日本の那覇の現実だ。街宣車のマイクからはデモ参加者を攻撃するヘイトスピーチが流れていた。県警は何もしない。辛うじて「直接接触」をさせないようにはしていたが。人は慣れるものだ。こんな異常な状況にも。

 その直前まで僕らは県庁ロビーで取材をしていた。県議会開催中で、翁長雄志知事のぶら下がり会見があるという。直前になって県庁の広報担当者が「質問は税制など二つの内容に限ります」と居合わせた記者たちにアナウンスしている。何を言っているのだろう。けれども記者たちは誰1人文句も言わない。人は慣れるものだ。質問を事前に制限することはよくないことだ。知事を支える環境に変化が生じているのだろうか

 その直前まで僕らは高江にいた。筆者の取材で得た情報では、12月16日までにヘリパッド建設工事を終了させよとの東京からの指令で、突貫工事が進められていた。N1ゲートには3分から5分おきに砂利を積載したダンプカーが4台編成で次々に入っていく。前後に警察車両がエスコートしている。決して多くはない抗議運動の人々がそのたびに抗議の声をあげる。「森を殺すな!」その数倍の人数の機動隊員が壁をつくって包囲して封じ込める。これが憲法で保障された集会・結社の自由の現実だ。

 それに先だって、座り込み抗議をしていたこれらの人々は、まるで荷物を運搬するように機動隊員によって排除されていた。ヘリパッド工事現場にも機動隊員が配置されている。彼らはある時は工事車両の荷台に乗って現場に移動していた。また警察車両に工事作業員が多数乗っていたこともある。何のことはない。工事完遂という目的の前に、作業員と警察官は一体化しているのだ。警察法に違反していないか。だが人は慣れるものだ。

 道路際に立つ若い機動隊員に話しかけてみた。右耳にはイヤホンが刺さっている。「ずっと立ちっ放しで辛(つら)いですね」「…仕事ですから」「もうここには長いんでしょう?」「…」「帰りたくなることはないですか?」「…2カ月を越すとちょっとあれですね」。はじめて本音の肉声が返ってきた。彼は「土人」と暴言を吐くタイプとは違うようにみえた。

 北部訓練場の返還式典が今月22日に挙行される予定だ。これら眼前で起きているすべての不条理な現実が、「負担軽減」というマジックワードによって覆い隠されることのないように祈るばかりだ。(テレビ報道記者・キャスター)=随時掲載
==================================================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●オバマ政権の「二重基準」: 沖縄差別・沖縄破壊はトランプ次期大統領の就任で悪化?

2016年12月14日 00時00分40秒 | Weblog


琉球新報の問山栄恵記者による記事【米本土では住民抗議で工事中止 陸軍管理地の送油管建設、沖縄と“二重基準” 「水源、環境に配慮」】(http://ryukyushimpo.jp/news/entry-406737.html)。

 《米国防総省傘下の陸軍省は…「ダコタ・アクセス・パイプライン」の建設を巡り、陸軍省が同州などで管理する区域での工事を許可しないと発表した。石油漏出による水源汚染や環境破壊を懸念してネイティブ・アメリカン(先住民)が建設中止を求めていた。オバマ政権は国内の先住民らの主張に配慮する一方、同じく自然環境への悪影響が指摘される沖縄の辺野古新基地建設や北部訓練場の新ヘリパッド建設では、県民の反対にかかわらず工事推進の立場を堅持している。“二重基準”が浮き彫りになった格好だ…ただ、トランプ次期大統領は建設を推進する方針を明言しているため、今回の決定が覆される可能性も指摘されている》。

   『●「民主主義の圧殺現場」としての
      辺野古破壊や高江破壊…生活と生態系を根こそぎ破壊
    「沖縄タイムスのコラム【米国にもう一つの「高江」 
     【金平茂紀の新・ワジワジー通信(21)】】」
    《先住民にとっては、このミズーリの流れは先祖代々
     「命の水をもたらしてくれる聖なる地」で、そこが原油漏れの汚染の
     危機に常時さらされることに強い反対の意思をあらわした。
     そこで行われた環境アセスメント内容がずさんきわまりないもので、
     連邦政府(オバマ政権)も工事の許認可権をもつアメリカ陸軍工兵隊に
     見直しを要請したが、軍は工事をあっさりと認可、先住民たちはついに
     裁判所に訴えを起こした。と同時に、工事予定地で
     非暴力直接行動の座り込みを行った》

 「ダコタ・アクセス・パイプライン」の建設では、スタンディングロック・スー族やその支援者による反対運動により、オバマ政権は中止を決定したそうです。
 一方、辺野古や高江といった「民主主義の圧殺現場」(金平茂紀さん)では、オバマ政権は沖縄破壊や日米地位協定の滅茶苦茶ブリを全く無視している。その間、ケネディー駐日大使は沖縄のために一体何をやってくれたか? もっとも情けないのが、番犬様にシッポを振ることしかできないアベ様や最低の官房長官沖縄負担軽減担当相のスガ殿、「差別と断定できない鶴保庸介沖縄担当相ら。沖縄破壊に勤しむその姿は哀し過ぎる。「本土」マスコミも見向きもしない。
 内政問題でさえも《トランプ次期大統領は建設を推進する方針を明言》しているそうだ。外国であり、(トランプ氏が知っているとは思えないけれど)「本土」から「遠く離れた」沖縄破壊や沖縄差別が改善するとは全く思えない。

   『●「沖縄の声に耳を傾けて、理解を得るべき担当相が、
          県民を敵視するかのような発言…。もはや失格」
   『●目取真俊さん「差別用語であることは一目瞭然」…
       沖縄負担軽減相ら閣僚の皆さん方全員がヘイト体質
   『●高江の皆さん、ご唱和を! 「鶴保庸介沖縄担当相殿、
                「無実だと断じることは到底できない!」」
   『●遺族の願いとはほど遠い現実…「沖縄に米軍基地が
           あるゆえに起こる。一日でも早い基地の撤去を…」
   『●グッドタイミングな沖縄県警やアベ様、
      「負担軽減」相らのヤルことのあまりのアザトさ…「沖縄イジメ」
   『●高江破壊差し止め仮処分申請が却下…
       司法判断ではなく、「工事者の政府に寄り添う」政治判断
   『●現在進行形の「身代わり」: 「反省と不戦の誓いを
            …沖縄を二度と、身代わりにしてはならない」
   『●最「低」裁(鬼丸かおる裁判長)、沖縄に弁論もさせずに「政治判断」
                          …「司法判断」出来ない死んだ司法

==================================================================================
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-406737.html

米本土では住民抗議で工事中止 陸軍管理地の送油管建設、沖縄と“二重基準” 「水源、環境に配慮」
2016年12月6日 06:30
米軍 陸軍省 ネイティブ・アメリカン 先住民 環境汚染 二重基準

【ワシントン=問山栄恵本紙特派員】 米国防総省傘下の陸軍省は4日、米中西部ノースダコタ州などで民間企業が進めている「ダコタ・アクセス・パイプライン」の建設を巡り、陸軍省が同州などで管理する区域での工事を許可しないと発表した。石油漏出による水源汚染や環境破壊を懸念してネイティブ・アメリカン(先住民)が建設中止を求めていた。オバマ政権は国内の先住民らの主張に配慮する一方、同じく自然環境への悪影響が指摘される沖縄の辺野古新基地建設や北部訓練場の新ヘリパッド建設では、県民の反対にかかわらず工事推進の立場を堅持している。“二重基準”が浮き彫りになった格好だ。

 ノースダコタ州のミズーリ川とダム湖のオアヒ湖の下を通るパイプライン建設に反対しているのは、建設予定地の近くに居留地を持つスタンディングロック・スー族。「水資源を脅かされる」「先祖ゆかりの聖地や遺跡が破壊されている」などと主張し、全米から集まった賛同者や各地の先住民らと共にキャンプを張り、抗議活動を続けてきた。

 工事予定地は米陸軍工兵司令部が管理しており、着工には陸軍省の許可が必要となる。スタンディングロック・スー族は米連邦裁判所に建設計画中止を求めたが訴えは却下されていた

 だが、オバマ政権は判決後、検討が必要としてオアヒ湖付近の連邦政府所有地での工事を全て停止。陸軍省はスー族や、パイプラインの建設会社との協議を経て、工事を許可しないことを最終的に決定した。ジョー・エレン・ダーシー米陸軍次官補は声明で「責任を持って工事を完了させる最良の方法はパイプラインのルートを変更することだ」と強調した。

 米主要メディアは数カ月にわたり座り込みなどで抗議してきた先住民らの大きな勝利(ニューヨークタイムズ)と報じた。

 パイプライン建設を巡っては建設に反対するスタンディングロック・スー族と、建設会社2社の作業員や警備員が激しく対立。フランスのAFP通信などによると、建設会社側が反対派を催涙スプレーや犬で強制排除したため、負傷する人もいたとした。抗議の様子は世界中の注目を集めるとともに、強制排除の方法が問題になっていた

 ただ、トランプ次期大統領は建設を推進する方針を明しているため、今回の決定が覆される可能性も指摘されている。
==================================================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●「民主主義の圧殺現場」としての辺野古破壊や高江破壊…生活と生態系を根こそぎ破壊

2016年12月06日 00時00分34秒 | Weblog


沖縄タイムスのコラム【米国にもう一つの「高江」 【金平茂紀の新・ワジワジー通信(21)】】(http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/73640)。

   『●沖縄差別・沖縄破壊の「やりたい放題」…
       「歴史的暴言」から想起されるナチソネ氏や「産経のドン」等々

 《そうではなくて、僕ら日本人はなぜ自分たちの足元を見据えた政治を作り上げてこられなかったのかという痛苦な思いと、「各国首脳に先駆けて」(安倍晋三首相)トランプ詣でに馳(は)せ参じた日本の政治トップのありようの恥ずかしさに関連することがらだ…アメリカ中部のノースダコタ州がその舞台だ…先住民にとっては、このミズーリの流れは先祖代々「命の水をもたらしてくれる聖なる地」で、そこが原油漏れの汚染の危機に常時さらされることに強い反対の意思をあらわした》。

 《民主主義の圧殺現場》の辺野古破壊や高江破壊…そこでは、生活と生態系が根こそぎ破壊されようとしている。《この巨大石油パイプライン建設計画には、トランプ企業が膨大な投資を行っている》その現場では、先住民の《彼らのスローガンは『Water is Life水は命)』という明快なもの》。
 21世紀における経済的なものも含む「水戦争」を憂えて、アナン元国連事務総長は「No water,no life.」と言っている。「水戦争」で水にアクセスする基本的人権を脅かし、生活を破壊、そして、生産者と消費者、還元者間の微妙なバランスの上に成り立つ生態系や生物多様性を根こそぎ破壊する政治家や役人。見て見ぬふりな「本土」マスコミ。《民主主義の圧殺現場》、阻止する道はどこに?

   『●グッドタイミングな沖縄県警やアベ様、
      「負担軽減」相らのヤルことのあまりのアザトさ…「沖縄イジメ」

==================================================================================
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/73640

米国にもう一つの「高江」 【金平茂紀の新・ワジワジー通信(21)】
2016年12月1日 08:32 金平茂紀 高江ヘリパッド 土人発言問題 沖縄差別 ヘイトスピーチ 先住民

金平茂紀 (かねひら しげのり)
TBS報道記者、キャスター、ディレクター
1953年北海道生まれ。TBS報道記者、キャスター、ディレクター。2004年ボーン・上田記念国際記者賞受賞。著書に「ホワイトハウスから徒歩5分」ほか。


 大統領選挙の取材で2週間ほどアメリカに滞在して得られた自分なりの成果で、実はあまりこれまで他人に公言してこなかったことがある。それは、あのアウトサイダーのトランプ氏がなぜ勝ったのかとか、典型的なエスタブリッシュメント(実績を積んできた既成政治家)ヒラリー・クリントン氏がなぜ敗れたのかといったことがらではない。

   (ダコタ・アクセス・パイプライン計画に抗議する米国の先住民族
    スタンディングロック・スー族らの抗議行動=11月、米国
    ノースダコタ州(『デモクラシー・ナウ!』より))

 そうではなくて、僕ら日本人はなぜ自分たちの足元を見据えた政治を作り上げてこられなかったのかという痛苦な思いと、「各国首脳に先駆けて」(安倍晋三首相)トランプ詣でに馳(は)せ参じた日本の政治トップのありようの恥ずかしさに関連することがらだ。「So what?=だからさ、お前さんはそれでどうなんだい?」とでも言った根源的な問いかけである。トランプが勝ったこととあなたに一体どんな関係があるんですか?

 帰国して日本の既成メディアに溢(あふ)れる同質の情報たち。トランプ・ショックで日本経済はどうなるだの、隣の国の大統領の断末魔だの、毎日のように垂れ流される「小池劇場」記者会見報道などをみて、正直うんざりしたのだ

 けれども、そんななかで、アメリカ滞在中に、これは日本の人々にとって、いや、もっと踏み込んで言うと、沖縄の人々にとってとても重要な出来事が同時進行で起きているという事実に突き当たった。この動きはいま急激に切迫した状況に置かれている。アメリカ中部のノースダコタ州がその舞台だ。

 この州にあるバッケン油田で膨大な量のシェールオイル(地下深くの泥岩層に含まれる石油の一種)が発見され、それをサウスダコタ州、アイオワ州を経由してイリノイ州まで運搬する巨大パイプライン建設(ダコタ・アクセス・パイプライン計画)が進められようとしている。総額38億ドル(約3900億円)という国家的な規模の巨大プロジェクトだ。

 事業主(エナジー・トランスファー社)と州政府は、莫大(ばくだい)な利益が見込まれるとして建設にまい進しているが、このパイプラインの建設ルートがコスト削減のため変更されたことから事態が急変した。パイプラインは、先住民(約8200人のスタンディングロック・スー族)の住む居留地の北側隣接地を流れるミズーリ川を横切る形に変えられたのだ。

 先住民にとっては、このミズーリの流れは先祖代々「命の水をもたらしてくれる聖なる地」で、そこが原油漏れの汚染の危機に常時さらされることに強い反対の意思をあらわした。そこで行われた環境アセスメント内容がずさんきわまりないもので、連邦政府(オバマ政権)も工事の許認可権をもつアメリカ陸軍工兵隊に見直しを要請したが、軍は工事をあっさりと認可、先住民たちはついに裁判所に訴えを起こした。と同時に、工事予定地で非暴力直接行動の座り込みを行った。

 スタンディングロック・スー族の呼びかけに応じて、全米やカナダからナバホ族、チェロキー族、ホピ族ら1千人を超える先住民が抗議運動に参加した。近年のアメリカにおいては最大規模の先住民の団結行動となっている。これに対して州政府は銃で武装した警察官が発砲や催涙スプレーなどを使って、連日強制排除を行っている。さらには、事業主が雇った警備会社が、どう猛なシェパード犬などを多数使って、抗議活動参加者を襲わせ多数の負傷者を出す事態になっている。

 同時に、この動きを取材していたジャーナリストたちも多数が逮捕され、この問題を現場最前線で取材していた独立系メディア『デモクラシー・ナウ!』の著名キャスター、エイミー・グッドマンを州検察が何と「反乱罪」で訴追するという動きまであった。さすがに州裁判所はこの訴追を認めなかった。このスタンディングロック・スー族の動きに呼応する形で全米規模で、多くの市民らが立ち上がって声をあげている

 僕もニューヨークでこの動きに呼応するデモをみたが、彼らのスローガンは『Water is Life水は命』という明快なものだった。クリントン候補と民主党大統領候補指名を争ったバーニー・サンダース上院議員は、この建設計画に反対すると公言している。レオナルド・ディカプリオやベン・アフレック、ロバート・レッドフォードといったハリウッドスターらも反対の意思表示を行っていて、この動きはさらに拡大する様相だ。

 きわめつきの事実を記せば、この巨大石油パイプライン建設計画には、トランプ企業が膨大な投資を行っている。先住民の権利をどのようにまもるか。環境アセスメントに明白な欠陥がみつかった場合にどのような措置をとり得るか。抗議活動はどのような形で拡(ひろ)がりをみせ、継続可能なのか。多くの点で学ぶべきことが多い

 すでにここまでお読みになられた読者諸氏には、何と沖縄の辺野古や高江で起きていることと酷似した出来事が起きているのかと思われた方もいらっしゃるだろう。機動隊員が抗議運動をしている人間に対して「土人」との暴言を発した現場まさにそっくりの構図がそこに見えるのだ。犬を使って抗議者を襲わせるやり方は相手を同じ人間だとみていないからこそ出来る行為ではないのか。民主主義の圧殺現場は、高江や辺野古と同様に世界の各所にある。だから、翁長雄志知事が高江ヘリパッド建設で膝を屈するような姿をみるのはいかにも悲しい

 アメリカで大統領選挙を取材していたさなか、日本からこんなニュースが伝わって来た。機動隊員の「土人」暴言をめぐってのことだ。政府が、鶴保庸介沖縄北方担当相が「差別とは断定できないと述べたことについて、訂正や謝罪は不要だとする答弁書を閣議決定したというのだ。心底呆(あき)れた。アメリカで、もし「ニグロ」や「ニガー」と公人が発言したとしよう(警察官は公人である)。それを政府が謝罪する必要なんかないと閣議決定などしようものならどうなるか

 なお、前回の記事で訂正がある。「土人」という言葉が記載された近年の日本の公文書のうち、旧日本軍の公文書でインドネシアに慰安所を設営したことに関する箇所で、インドネシアの地名は「バリクパパン」である。(テレビ報道記者・キャスター)=随時掲載
==================================================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする