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Death & Live

いわゆる日記とは違うようで。死に様や心の疲労について、つれづれなるままに書き綴るだけ。

空の下へ

2006-08-28 08:00:57 | 
「空の下へ」

どうしたら大人になれるんだ
なぁ、だれか教えてくれよ
どうしたらこんな気持ちから離れられるんだ

自分の醜さも、まっすぐ見つめられるのに
暗く深い闇を抜けたいんだ
早く助けてくれないか、お願いだ

自分を悔やむことばかり
笑って話がしたいだけなんだ
俺を明るい空の下へ放り出してくれないか

どこへ

2006-08-09 08:11:40 | 
「どこへ」

しわくちゃな切符
いつからここに置き去りにされたのか
行先も読めないまま
旅立つ度胸もない今
プラットホームもはるか高く遠く

届かないものを探し続け
野良犬と夜を明かす
無意味だった昨日を脳裏に残したまま
排気ガスの臭いで目を覚ます

戦いは今日始まるのだろう
心臓に弾を込め装填する
作業と存在に意義を求めることなど不可能だ

砂山が広すぎて
俺の叫びなど どこへも届きはしない

希望と失望が入り込む隙間を探している

水族館

2006-08-01 08:11:59 | 
「水族館」

風呂場からの水音が気になって眠れない
昨晩はハンナ・シグラのリリー・マルレーンが耳にこびりついて眠れなかった
病院で処方された催眠薬を飲むと朝まで残る
四時に起きて英会話の勉強をしなくてはならないのに
嫌という程目をつぶって考えるのはパラレルワールドなんて存在するのかなどと
夕飯のエビフライが胃にもたれる
あっちに寝返りこっちに寝返り
明日も今日のような日なのかと思うと怖くて眠れない
書く時は書きたくない
言いたくない時は言わねばならない
他人の可・不可の判断を待つより自分でけりをつけた方が良いのではないかとふと思った
カナヅチの人魚 閉所恐怖症のかごの中の鳥
とどかない言葉で自分を軽蔑してゆく歌歌い
それは違うわ
軽蔑に価する人魚なんていないわよ
ここにいてはいけない
いつか現実がお前を噛み砕く
明日も今日のような日なのか
私は諦めない
厭生というヴェールの綻びを一目一目ほどいてゆく

明日も今日のような日なのかと思うと怖くて眠れない



現代詩手帖新人賞をもらった時の姉の詩

2006-07-23 11:16:49 | 
「眼」

なんていい加減な人たちなんだ
真剣な人たちを無視して
自分たちの力を抜くことしか考えてない
なんていい加減な人たちなんだ

真剣を持続することの大変さを
真剣を持続することの大変さを
いい加減な人たちに伝えなくては

待ち続けていた人の気持ちを
いい加減な人たちに伝えなくては

それなのにそれなのに
いい加減な人たちへ言うべき言葉が見当たらない

2006-07-13 07:58:05 | 
「涙」

遠くを見ていて
遠くしか見えない
近くを見ていて
何も見えない
灯台下暗し
本当にその下は暗いのだろうか
何も見えず怯えてしまうのか
疲れた足が重い
泥にずしりと突き刺さる

病んでいるあの心に
踊っているあの心に
陶酔しているあの皺が刻まれた心に
傷つけられ
悔しくなる
間違っているものも正しいかの様に

疲れきった肘が痛む
何も支えることができず
頬を伝う

馬と駈ける

2006-07-03 07:49:37 | 
「馬と駈ける」

タカタン、タカタン
馬と駈ける
左の耳が横を向く

タカタン、タカタン
右へカーブ
半呼吸ペースが落ち
左の耳が再び動く

カーブを終え
心地よく加速する
タカタン、タカタン
永遠に続く長い直線

歩度を伸ばす
更に大きな揺れが来る
ヒトの存在を忘れたかのように
タテガミを風で梳く

永遠に続く長い直線
ようやっと少し息が切れる
軽く鞭
まだまだ走れる
タカタン、タカタン

その先に何があるかも知らないのに
お前は何故
そんなに夢中に走れるんだ
タカタン、タカタン
鞭のせいばかりでもないだろう

流れ往く風をエネルギーに
快い振動で前進する
お前は何故
こんなに夢中に走れるんだ

このサキに何があるかも知らないのに
私にはとても
お前のように走り続けることはできない
タカタン、タカタン
誰か鞭を打ってくれ

タカタン、タカタン
誰か行き先を教えてくれ

タカタン、タカタン
タカタン、タカタン
私はもう.....
私はもう
止まってしまう

開演

2006-06-25 09:54:54 | 
「開演」

そのむこうにある
さらにそのもうひとつむこうにある
あの骨は
さっきまで小犬と戯れていたその白骨は
いったい誰のものなのだ

気が狂ったと言われるならそれでもいい
チャップリンの喜劇論をここでぶっても仕方ないからな

しかし、
それは明らかに白骨なのだよ
むこうにあるばかりではない
遠くに見える砂丘の入口にもその骨はあるんだ

困ったものだ
ユーモアというのは砂の上に城を作れるかい?

その白骨なら何かを語ってくれるだろうよ

プロセニアムを用意しよう
幕を上げるんだ、幕を。

北の果て

2006-06-19 07:50:35 | 
「北の果て」

人間に起源というものがあるのならば
ここであろうか。

地に果てというものがあるのならば
ここであろうか。

風が吹き
潮が流れ
生きとし生けるものと
死に果て朽ちるもの。

ひとすじの雲が文明を表わし得るか
指し示すは岐路

彼方へ

2006-06-07 07:39:38 | 
「彼方へ」

過去に美しきもの輝きを留めず
醜いかな、その神話となり価値を得る

正しきは解されることなく
柱は崩れ落ちる

未来は彼方に、行方知れぬ彼方に

露西亜

2006-05-30 07:52:21 | 
「露西亜」

皺が刻まれ
戦いの痕が見えたとき
悲しみが深くなる

ロシアに向こう側がある様に
ここで泣きながら生きてきた
蹄の音と汽笛が鳴る

それが明日に向かうのならば
疲れた体を斜めに起こし、息をひそめてみる

ドリーム・ワールド

2006-05-18 20:11:12 | 
「ドリーム・ワールド」


"君はいったい誰なんだ?"
夏と冬を間違えているよ

腰の曲がった老人の後を追いかけ
自分の居場所を探している

"カッコいいね"
ステップを踏んでいるよ

"隣に座ってもいいですか?"
せめて大人になるまで
自分の居場所が欲しいから

老人の応えを待つ

訳がわからないといった顔をしながら
それでも小さく頷く老人の夢を見る

"僕はいったい誰なんだ?"
冬と夏を間違えているよ

音も立てず消えてしまった老人と
夢の中でしか居場所のない僕

夏と冬を間違えている
いったい僕は誰なんだ。

いつか

2006-05-14 11:33:00 | 
「いつか」

我れと我が身を哀れんで
涙する
思わぬ道程と心届かぬ高見に向かう
制することのできぬ自我。
目覚めは無く
唯一人夢うつつ。
誰とも言えず戦いを挑み
傷を負うことで慰みを与える。
正義が偽りなら
心安(やす)まる日も来るであろう。

絶望

2006-05-01 23:20:42 | 
「絶望」

絶望には絶壁があり、
切通しと急流がある。
大波があり、地響きがある。
大氷河と海溝と亀裂
溶岩と灼熱と乾き
竜巻があり、豪雨がある。
失う物があり、
得るものは一切無い。
絶望。
希望には丘があり、
小川が流れている。
関わりを望む。

目覚め

2006-03-17 22:29:26 | 
「目覚め」

束の間のささやきが悪夢となるとき、
いかなる事共(ことども)も判別できず、
枯れ果てた未来が鮮やかに過去となる。
大いなる森の向こう側。潤う線。
青の草原(くさはら)で、幾度(いくたび)の戦が繰り返されたのか。

雲が低く頭上を覆うとき、一陣の風が吹く。
虐殺と血の海と、形なき旗と。
そして、過去からも色は奪われ、
ささやきは掻き消させる。
滲むばかりの敗北と征服の夜、
現みへと夢は覚める。

デンポウ

2006-03-08 22:31:43 | 
「デンポウ」


 ねむたいねむたいといわなくてはわたしがねむたいことをわかってもらえないならしかたないのでねむたいねむたいといおう

 いたいいたいといわなくてはわたしがいたがっていることをわかってもらえないならしかたないのでいたいいたいといおう

 つらいつらいといわなくてはわたしがつらいことをわかってもらえないならしかたないのでつらいつらいといおう

 かなしいかなしいといわなくてはわたしがかなしいことをわかってもらえないならしかたないのでかなしいかなしいといおう

 さみしいさみしいといわなくてはわたしがさみしいことをわかってもらえないならしかたないのでさみしいさみしいといおう

 会いたい会いたいと言わなくては私が会いたがっている事を解って貰えないなら仕方無いので会いたい会いたいと言おう

 シニタイシニタイトイワナクテハワタシガシニタガッテイルコトヲホンキニシテモラエナイナラシカタナイノデシニタイシニタイトイオウカ