サンバ・カンサォン歌手の吉田稽古、もとい、吉田慶子さん待望のアルバム「soneto(ソネット)」、サンバタウン通販にて絶賛販売中であります。
soneto
吉田慶子 keico yoshida ( vocal )
黒木千波留 chiharu kuroki ( piano arrangement )
1. Violão vadio ヴァガブンドのギター
(Baden Powell e Paulo César Pinheiro)
2. O que será ウ・キ・セラ
(Chico Buarque)
3. Demais あまりにも
(Tom Jobim)
4. Valsa de Eurídice ユリディスのワルツ
(Vinicus de Moraes)
5. Diga ヂーガ
(Vicente Paiva e Fernando Martins)
6. Canta, canta mais 歌って もっと
(Tom Jobim)
7. Vou por ai ヴォウ・ポル・アイ
(Baden Powell)
8. Moça flor モサ・フロール
(Durval Ferreira e Lula Freire)
9. Soneto da separação 別れのソネット
(Vinicius de Moraes)
ピアノの黒木千波留さんとの完全デュオ、歌とピアノだけによる、とても静謐な作品です。
この季節、ストーブの上に乗せたやかんの蒸気がしゅんしゅん鳴るのを一旦止めて、お茶などいただきつつ心静かにゆったりした気分でお聴き下さい。外が雪景色で、窓ガラスがほんのり曇ってたりなんかしたら、もう、最高です。
本作に関し、ショーロクラブの笹子重治大先生もご自身のサイトでこのようにご紹介されています(『DIARY』2013/12/26の日記より引用)。
"アルバムの内容は、音楽もジャケも、これでもか、と言うほど「地味」。売る気があるのか、と、どっかから突っ込みが入りそうなものなのだが、いや、これがいいのです。だって、見よ、売らんかなの資本主義はここに来て完全に行き詰まっているではないか。これからは「売る気があるのかしら」なものが売れるのかも。もちろん内容があってこそ、ですが、そこは、僕がスミつけときます。怪しいスミだけどね。"
素晴らしいではありませんか。
そしてこのアルバム、おそろしいことに大手CDショップを始めとした店舗で一般流通していません。
すべて吉田さんご自身のライヴでの手売りか、彼女を心から応援する小規模ショップ数店だけで売られているというこの事実。
これはあくまでサンバタウン店主の、ご本人に確認承諾すら取っていない勝手な推測にすぎませんが、吉田慶子さんは「モノとカネの流れ方」や「人と人との関わり方」における、今の世の中に蔓延しつつある「間違ったかたち」というものに別れを告げる覚悟を、もしかしたら心に秘められているのかもしれません。「弱音(じゃくおん)サンバ・カンサォン」と称され愛され続ける、ささやくような歌声が魅力の吉田さんですが、今回の新作の選曲(渋いという言葉しか思い当たりません)といい、アルバムに収められた優しく静かな歌の奥底に込められた「情念」、もっと過激に表現すればある種の「怨念」にも似た、一切ブレのない、肚の据わった裂帛の意志がそこには漂っているかのようにワタシには感じられました。とここまで読み返してさすがにちょっとこれは書き過ぎだよな、とビビるサンバタウン店主です。吉田さんごめんなさい。同意しかねるところがありましたらこっそりご指摘下さい。お詫びに味噌煮込みうどんをお送りします。
それはさておき、そのへんのショップでは取り扱っておりませんので、お探しだった方は是非!
サンバタウン以外にも以下のお店でお買い求めいただけます。よろしくどうぞ。
東京 雨と休日
鎌倉 cafe vivement dimanche※
盛岡 carta
高知 terzo tempo(テルツォ・テンポ)
今回はいつもの拡大文字をあえて使いませんでした。みっどないと矜持。
※お断りとお詫び:gooブログのしょーもないシステム規制によりディモンシュさんのサイトURLがリンクできず申し訳ございません・・・。皆様「dimanche web shop」で別途ご検索下さいませ。