荒巻豊志の整理されないおもちゃ箱

日本一下手なドラマーです。仕事の話をすることはこのブログではめったにありません。

猿の軍団

2013-03-16 11:48:57 | 映画
俺が小学校の4年生のときのテレビドラマで、TBS系列で円谷プロダクションが制作していたSFものだ。

DVD化されていたので購入してみている。

最近は差別表現が露骨に出ていないものであればDVD化されるものが多く、子どもの頃に一度観たきりのテレビドラマとかをもう一度観ることができて嬉しい。

「猿の軍団」はなぜかとてもはっきりと覚えている。第2話までしかみなかったことを。

理由は全く覚えていない。この番組は日曜日にやっていたことは覚えているが、とてつもない激戦区で「宇宙戦艦ヤマト」「フランダースの犬・アルプスの少女ハイジ」、他にもバラエティ番組があって、友達の間でもどれをみているかがそれなりに話題になっていた。
一家に一台しかテレビがない時代なため「猿の軍団」ではなく「フランダースの犬・アルプスの少女ハイジ」をみていた可能性が高い。

「猿の軍団」のあとには「日本沈没」が夜8時からあって、それはすごく記憶に残っているので、たぶん、チャンネルを変えたんだと思う。チャンネルの決定権が誰にあったのかは覚えていない。俺か父親にあったように覚えている。「猿の軍団」をみなかったのはたぶん二人とも「面白くない」という感想をもったからではないか?。
しかし、後年ハマることになる「宇宙戦艦ヤマト」をこの段階で1話たりともみていないというのはとても皮肉なことであった。有人もみているものは皆無に近かった。これが中学生くらいだったらどうだったのだろうか?。それにしても小学4年生といいながら「フランダースの犬・アルプスの少女ハイジ」をみていたとは・・・。我ながらトホホだ。この作品が駄作だといっているわけではない。むしろ名作だ。

「猿の軍団」がなぜつまらなく感じたのかはよくわからないが、ハリウッド映画の「猿の惑星」に比べてつまらなかったと思っていた。はたしてこの記憶が正しいか調べてみたら、「猿の惑星」は1968年に第1作が上映されているので、1974年当時にはテレビでも放映されていたと傍証することはできる。

「猿の惑星」も何作かあるが第1作はすごく印象に残っている。あまりにも重々しい雰囲気でカタルシスのない終わり方。子どもながらに食い入るようにみた覚えがある。
それに比べて「猿の軍団」は作りがチャチだ。それにストーリー展開も猿と人間の友情だのなんか陳腐に思え2話までしかみることがなかった(内容についてはどこかから洩れ聞こえていた)。

ところが、どうしても2話の続きがみたい。主人公たちに銃口がつきつけられる。ここで「続く」。この続きがなぜか10年に一度くらいの割合で無性にみたくなっていた。ようやく子どもの時の宿題をひとつかたづけた思いがする。

全26話。ただいま6話まで見終えた。正直、ちょっと飽きてきた。でもあと20話もある。面白いことがあるかもしれない。仕事しながらでもみることができるぬるいドラマなので今週中には見終える予定。



「女子カメラ」を観てきた

2012-11-28 23:26:17 | 映画
光宗薫主演の映画が今週だけ上映されている。
東京は渋谷の一映画館のみ。といってもラッキーなことに職場から目と鼻の先なのですぐにいけるのが楽でよかった。しかもレイトショーだったので助かる。

50人はお客くらいはいた感じがする。若い人はあまりいなかった。カヲルくんのファンばかりとは限らないのだろう。

ストーリーは90分近くを退屈することがなかった。といってもきわめて4人の女子大生とその家族の姿を淡々と映しているだけだった。クスクスと笑ってしまうようなところが数カ所。なのにとっても面白かった。家族っていいよなって感じるいい作品だったと思う。

カヲルくんの演技をみていると、握手会でこんな表情してたなぁと思うところがたくさんみられた。もう会う機会がないのはとっても寂しい。パンフレットはないらしくポスターだけが販売されていてせっかくなので1枚購入してきた。そういえば部屋はAKBのポスターばかりだが2013年に向けて壁の模様替えくらいやろう。





「三島由紀夫と若者たち」

2012-07-21 11:54:59 | 映画
前売り券を買っておくと否が応でも観にいかなきゃ行けなくなるんで、最終日にテアトル新宿へ。

若松孝二という監督の名前は宮台先生から聞かされて知っていたが映画をみるのははじめて。というより、映画も舞台もほとんど今年から観はじめたようなものだ。

三島由紀夫が結成した「盾の会」というのは高校生の時から知っていた。彼が市ヶ谷駐屯地で自決したとき、一緒に自決したのが森田必勝ということもそのときに知っていた。

この映画は森田必勝のことにもかなりのエピソードをさいていたのですごく面白かった。
観ているうちにこの映画はノンフィクションなのかフィクションなのかがわからなくなる錯覚に陥るくらいリアリティがあった。この監督の映画はDVDでも漁ってまた観ることにする。

1970年といえば俺はもちろん生まれていたが、子どもの頃出し、この事件のことは当時の記憶が全くない。左翼的な風潮が広がっていた自分の少年期に、こういった右翼的な人物はそれだけですごく興味があった。
ただなぜ彼がこんなことをしたのか、というようなことをろくに調べた記憶もないということはそれほど興味があったとは思えない。俺は自殺をする人の気持ちもわからんわけではないが、ボロボロになってまで、生き恥をさらしてまで己の信念に従って生きていく人物の方が好きだ。

1970年頃というのは「戦前」という時代から「戦後」へ離陸していく時期だと俺は位置づけている。この時代の精神史のようなものをうまくとらえられたら、ずっと考えている80年代の精神史がもっとヴィヴィッドに見えてくる気がする。

それにしても面白い映画だった。役者さんがすごくイメージにあっていた。低予算でもこんなに素晴らしい映画がとれるんだね。



宇宙戦艦ヤマト 復活編

2012-04-18 13:21:05 | 映画
Amazonで注文していたヤマトシリーズのDVD&Blu-rayが大量に届いた。
どれからみてもいいのだが、最後にがっかりしたくないので、まずはこの「復活編」から。

事前情報はゼロだ。こんなもんがあったことすら知らなかった。
松本零士ともめたこともあって、人物はかつての面影はあるものの別キャラクターといっていい。富山敬は死んじゃったし、麻上洋子はどうしてるんだろう?。古代と雪の声も違う。真田や佐渡先生は同じだったけど。

Blu-rayだからか、技術の進歩かはわからんがとても映像は綺麗だが、どうも金をかけてない感じがする。とにかく人物の見た目が「うーん」という感じがする。声優陣には悪いがなんか訴えてくるものがない。
ちなみにたんに30年前の想い出と比べているわけではない。「2199」は旧作をはるかに上回る出来をしていた。どこかで「2199」と比べてしまっているのだ。

新しく登場する人物が多く、前半はあまりにも駆け足だ。こういうところはテレビシリーズだったら回数をかけていけるんだが・・・。テレビシリーズの「2」「3」が俺が好きなのはこういうところだった。
ただその違和感も最初だけで、戦闘シーンにたっぷりと時間がかけられていて途中からは楽しくみることができた。テレビではCMがあったり戦闘シーンのテンポがわるくなる。そこは映画のほうがはるかにいい。音楽は過去の作品で使われたもののアレンジを施したものがたくさん使われていて、俺にとってヤマトに惹かれる二大要素(戦闘シーンと音楽)ご文句なしだったので全体にはよかったと思う。

新生ヤマトのウリはトランジット波動砲!。6連続で波動砲が打てる。これをどこで使うかが楽しみだ。あのバカな「実写版」みたいになんでもかんでも波動砲を打てばいいってもんじゃない。

簡単なストーリーを。
ヤマトが沈没して17年が経過(1983年に完結編だったから、この映画のプランがたったのは2000年ということ?それとも古代たちがおじいちゃんにならないように?)していた。
太陽系に移動型ブラックホールが接近し地球の消滅までに人類を移住させなければならない。その移住船がなぞの艦隊に襲撃を受ける。
そこでヤマトを新しく建設し護衛艦隊の旗艦とする。敵はいくつかの惑星国家が連合したものだがいやいやながら連合に組みしているものもあり、敵側内部での裏切りのようなところもありベタな展開だ。
最後は移住に成功するものの地球は消滅してしまう。途中で行方不明になった森雪も見つからないまま。と思ったら「第一部 完」とのこと。

もしかして続きがあるの?。一方で「2199」が今年は一年かけてやりそうだし、かつて予算がなくて途中で終わってしまった「ヤマト2520」みたくなっちゃうのかもしれない。

映像特典をみてたら、この「復活編」は映画でロードショーされたときは違うエンディングだったらしい。俺はディレクターカット版を買ったのだが、映画版も気になった。まぁ、買わないだろうが。

次はテレビシリーズ「1」を観る予定。




宇宙戦艦ヤマト(実写版)

2012-04-11 22:46:10 | 映画
テレビで再放送があったので録画して観てみた。

そういう作品があることは知っていたが映画館に観に行くことはしなかった。

実写版というのはなかなか難しいものがある。
アニメの設定では主人公格の古代進らは18歳から20歳くらいだ。じゃあ、実際にそれくらいの年齢の子たちを集めてみても何かおかしな感じになるだろう。実際に今までどれくらい新撰組に関するドラマが作られたか。そのたびに土方歳三は50歳くらいの役者がなんとなく一番似合っていた。実際の新撰組は20代から30代前半が多かったがそれだとなんとなくお遊戯会のようになってしまう。これは確かNHKでやった新撰組(三谷幸喜の演出)が当時の年齢と類似した配役でやってみたら「イメージが合わない」という声が多かったということを小耳にはさんだことがある。

配役については別にいろいろとあるがまぁいい。問題はストーリーだ。これだけはヤマトをみてきたものとしてはちょっとうなづけない。

まずは冥王星会戦のところから。ここはおさだまりのストーリー。ここで古代守が盾になって沖田艦長を逃がすというところは必須だね。
ここからはなにかと調子が狂う。森雪が看護・通信班ではなくやけに男勝りだし、なんといっても佐渡先生が高島礼子だ???。

とりあえず乗組員が日本人しかいない状況であっても、たてまえは国際組織だった宇宙戦艦ヤマトだが(このあたりは佐藤健志の「ゴジラとヤマトと僕らの民主主義」が面白い論評をしている)、いくらなんでも「日本国民へ・・・・」と呼びかけるのはなんともはや。

開始15分程度でヤマト発進。とにかく
このあたりで俺の見落としかなにかわからないがストーリーがとびすぎ。民間人だった古代が勝手にヤマトに乗り込み戦闘班長になっても誰も文句言わないし、ヤマト発進のところでミサイルを撃ち落とすところは本来はショックカノン(主砲)なのに、もうここで波動砲を打つの???。

ひでぇ、展開。

ストーリーが進むうちに、どうやら古代はかつては宇宙船に乗っていたようで、乗組員は古代のことはみんな知っている模様。それにしてもあらゆるシーンで緊張感がない。波動砲を使う、となったら1分以内で打ってるし、ワープ実験もやるぞ、となったら1分以内に実験が終了しているし、とにかく緩急の付け方が下手だ。
先に観た「宇宙戦艦ヤマト2199」の出来がよすぎたためにその落差で失笑してしまうほどだ。

あまりにもつまらない。コマーシャルでファイヤーエンブレムの新作が任天堂から出るらしくそっちのほうが気になってしまうほどだった。

地球に残した家族たちと最後の交信(テレビでは17話だったか?)のシーンが唐突に出てきて、たいして長い航海をしているように思えないのにこういうシーンをもってきても感動も何もない。古代がなぜ一時、軍をやめたかとかの謎もとけてくるが、あまりにも多くの情報をつめこみすぎ。原作の要素をとりいれるだけじゃなくて、新しいストーリーを織り交ぜているから当たり前か。

ストーリーの中で空間騎兵隊の「斉藤」が出てくる。
???。
なぜ斉藤が???。

いろいろといちゃもんつけたいことが多すぎるが、とにかくつまらないのは戦闘シーンだ。本来ないストーリーでそれなりの見せ場は古代が艦長代理になったあとで自ら仲間を打たねばならないシーンがあったが、ここも古代の葛藤を描く演出になっていない。
いつの間にか古代と森雪ができちゃうし、とにかく最大の見せ場であるマゼラン星雲会戦がない。ないわけではないがドメル将軍は出てこないし、とにかく何かあるとワープで逃げるか波動砲を打つかでまともな戦闘シーンがない。

後半はテレビ映画ならではの頻繁なコマーシャルで余計にテンポが悪くなる。そして、なんかストーリーが「さらば宇宙戦艦ヤマト」みたいになっている。だから斉藤が出てたのか・・・。

あとはとにかくひたすら観ててむなしくなってきた。仲間がどんどんと死んでいくところが何も響いてこない。最後は「宇宙戦艦ヤマト完結編」の要素もつめこまれている。よくこれだけひどいパッチワークにしたものだ。台詞だけはかつてのヤマトで使われたものが多いが、ストーリーが別物になっている。キムタクをはじめヤマトに思い入れのある役者さんがそれなりにいたらしいが、よくこんなストーリーで出ることを了承したもんだ。

だいたい、この作品を観る人たちってどういう人たちなのだろう。俺のようにヤマトを知っている人もいれば、ヤマトを全く知らない人もいるだろう。知らない人がここからアニメをみることはあるのだろうか。それよりもこの映画自体を楽しめることができるのか?。俺としては全く楽しめないばかりかすごく不快だった。

なぜストーリーは同じだけどそれを実写版で、ということにしなかったのだろう。とにかく二度と観ることはないし、もしかして第二作とかができても観ることはないだろう。




追記:いったいこの映画を見た人はどんな感想をもったのだろうということをネットで調べてみたら賛否両論らしい。「あにめの記憶」というサイト以下、好意的な評価をしている人はとても冷静にみているなと思った。しかし、やはり同意はできない。結局のところ「ヤマトはいきあたりばったりでストーリをつみあげていったのだから、これだってありだろ」と言っている。それはそれでかまわない。配役が原作と違うところとかだって俺は全然受けつけられる。ただかつての原作の台詞をパッチワークでつなぎあわせているところが新鮮味がかえってなくなっていることと戦闘シーンのあまりの物足りなさが俺は全く受けつけなかった最大の理由だ。