庭の花たちと野の花散策記

山野草と梅が大好きの「雑草」。花以外は思考不可の植物人間の庭の花と野の花散策記です。

酈懸梅に秘められた知恵を思う 退化ではなくむしろ進化では 

2017年03月16日 | 水戸の梅
6 酈懸梅C1-005花弁有@大日本史裏17021000346 酈懸梅C1-005花弁有@大日本史裏1702100034 posted by (C)雑草
酈懸梅の多くの花は花弁が無いかあってもごく小さい花弁なので、花弁が退化したと説明されています。
酈懸 神代DSCF1179酈懸 神代DSCF1179 posted by (C)雑草
しかし、江戸時代の梅図鑑である韻勝園梅譜の酈懸梅(銕縣梅)では大きなな花弁が描かれていまして、暖かい年には白い花弁をだすこともあるようです。と看板に説明があります。
では、偕楽園の酈懸梅には、韻勝園梅譜の絵のような大きな花弁は出ないのでしょうか。大きな花弁は出ないと信じておられる方が大部分だと思います。また西梅林の酈懸梅については小さな花弁すら出ないと言われた方がおられました。
ところが、・・・前にもUPしましたが、
酈懸梅B3-266 1703040018酈懸梅B3-266 1703040018 posted by (C)雑草
見にくいですがこれは2010年3月19日の画像です。こんなに大きな花弁が記録されていました。場所は西梅林で、この付近の梅の木が枯死したので補植された比較的若い木です。もしかすると今はこの木は枯れてしまって見ることができないかもしれません。
では、ボランテアさんがよくご案内してくださる西梅林の六名木・虎の尾近くの酈懸梅はどんな花弁が記録されていたのでしょうか。この木は花弁が出ないと言われた木です。
酈懸梅B3-072 1703040012酈懸梅B3-072 1703040012 posted by (C)雑草
けっこう大きなな花弁が記録されていました。これも同じく2010年3月19日です。
温度が高いと花弁が出やすい。と私のブログに説明しましたら、
読者のうーちゃんからコメントをいただきました。
「これはもはや普通の梅の花ですね…わたしが撮った写真で、同じ枝なのに花弁の大きさが違うものがあります。気温もありますが、日照時間も関係するのかな?花びらを退化させてる途中なのかな?」

雑草返コメ
「うーちゃん 日照時間も考えないと。退化なのか目的あっての花弁の小型化なのか。謎は多いですね。」

うーちゃん
「鳥は寒い時期に花弁が無くても酈懸梅の蜜を好んで吸いに来ていました。暖かくなると虫がたくさん活動し始めるので、花弁が必要かも…な~んて、食いしん坊は考えますヽ(^o^)丿 」

雑草
「うーちゃんの考え方はすばらしいですね。その通りかもしれませんよ。
そういえばご主人が酈懸梅のところで鳥を撮られましたね。

(うーちゃんのご主人が撮影された鳥です。左下の梅の枝が酈懸梅と思います。)

受粉を鳥に頼むときは花弁はいらない。昆虫に頼むときは花弁があった方がよい。つまり花弁が退化したのではなくて、花弁が不要なときは出さない。そうすれば寒いときに花弁を出して花弁が傷むこともなく(酈懸梅の小さい花弁は一部は傷んで枯れていることがある)昆虫に頼むときにきれいな花弁を出すことができるので昆虫を呼び寄せるのに都合がよい。
退化論より積極的な知恵論のほうが聖書的にも正しいように思います。ハレルヤ 」

うーちゃん
「本当ですか?!梅博士にほめられるなんて、嬉しい(´V`)♪ハレルヤ 」

雑草
「うーちゃん 尊敬してしまいます。退化説ではなぜ退化したのに花弁があったりなかったりすることに納得行く説明ができませんが、うーちゃん説なら見事に説明できますね。
 寒い時期に受粉してくれるのはだれか、あたたくなったらだれが受粉の手伝いをしてくれるのかなどがもう少し具体的にわかってきたら素晴らしいことだと思います。
梅は花弁を出す、出さないの判断を温度が何度くらいでしているか。あるいはそのほかの日照、お湿り具合なども加味しているのかなどが推定できるようになったら植物博士ですよ。
 私は植物人間にすぎませんが。うーちゃん説をブログにまとめてみたいと思います。
これは虫が孵化して現れる条件と一致するかもしれませんね。昆虫が孵化する条件として雑草が検討したことがあるのはクツワムシの孵化温度です。10日~2週間くらいの積算温度がある一定値に達すると孵化するというのをほぼつきとめたことがありました。
 もし梅に来る昆虫がわかれば、その昆虫の孵化条件を突き止めるとそれが酈懸梅の花弁を出す条件はこれとかなり近いか同じということになるでしょう。」
このような楽しい会話をブログ上でしたわけです。

昆虫が来るかどうかは想像ではありますが、酈懸梅は花弁が何故無いか。そして暖かくなるなどすると何故花弁が出てくるのかを説明するのには、単なる退化したから花弁が無いでは説明しきれません。
条件によって花弁の有無を説明するのには、酈懸梅が環境条件などの変化によって、花弁が不用なとき、出してはいけないときには花弁を出さず、花弁が必要なときには花弁を出す。という積極的な考え方が斬新で
興味あるものと思いました。

最後の2枚は
江南所無の蜜を吸いに来た鳥です。ヒヨドリでしょうか。

1703110041鳥 蜜を吸う1703110041鳥 蜜を吸う posted by (C)雑草
もうひとつは烈公梅に蜜を吸いに来たニホンミツバチです。
烈公梅とミツバチ
烈公梅とミツバチ posted by (C)雑草

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花弁の秘密 (うーちゃん)
2017-03-17 09:37:25
雑草さんと出会ってから、改めて花々の美しさの巧妙さに気付かされました。
とくに、セツブンソウの『花びらが退化し蜜線になっている』と言う説明をネットでみたとき『あの黄色いドットは、人間からみて可愛らしさを演出する無くてはならない大切なポイントだけど、蜂にとっては吸いやすく変化した便利な蜜線』だったのかと驚きました。
そして雑草さんの『セツブンソウと蜜バチ』の写真をみたとき感動を覚えました。
それから梅の花を見ると、改良品種とはいえ多種多様な花のかたちがあることになんらかの理由があるに違いないと思ったんです。
植物は人間の想像以上に進化の自由度と可能性を秘めているのでしょう、高校時代に生物の先生が『人間は脳が最も進化して、体は環境に対する適応能力がなくなっている』といってましたが、植物は未分化な要素が多く体の適応能力が高いのだと思います。
そう考えると、散歩をするときの草木の観察が物凄く楽しくなりました。
雑草さん、たくましく生きる自然はきっと人間の想像を超える生命力を秘めているのですね!
ハレルヤ!!
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酈懸梅は高木 (うーちゃん)
2017-03-17 09:50:24
それと、梅の木には臥竜梅のようにほったらかしにすると地を這って増えるタイプとアンズ系やスモモ系のように高木になるタイプがあるようですね?
偕楽園の南崖の酈懸梅は、見上げるほどの高木であるから鳥から見やすいように思ったんです。梅は剪定するので本来の自然な姿がわかりにくいですが 、酈懸梅は本来かなりの高木なのではないかと想像します。
このことも、今回の発想につながりました(^^)
返信する
Unknown (kazuyoo60)
2017-03-17 09:56:25
花弁退化が進化なのですか。ミツバチが来ていますね。大昔の来客に、日本ミツバチを教わりました。ハエにしか見えなかった、当時の私です。
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うーちゃんへ (雑草)
2017-03-17 20:52:23
草木は歩き回ることがなく、生まれた場所で人間よりもはるかに長い一生を送りますね。
それだけ環境の変化に対応しなければならないので、創造主はあらゆる環境に対応する知恵と能力を秘めているように思います。興味深いことですね。
酈懸梅はかなり大きくなると思います。檪門下の線路にちかいところに大きな酈懸梅があるのですが、倒れかかっていますが花を咲かせています。
私は梅の木の多くは老木になると倒れてきていわゆる臥竜梅になるのではないかと考えています。それで、老木は杭で支えるのではなく、倒れるままに自然な状態にしてあげるのがよいかなとおもっています。偕楽園でもいくつかの老木を実験的にそうするよう提案して、担当者の方も実験しようとしています。樹齢600年の宮崎の 湯の宮座論梅 はそのよい例と思います。
うーちゃんの想像力に励まされます。
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kazuyoo60さんへ (雑草)
2017-03-17 21:00:35
この酈懸梅のことは、よくわからないことが多いので、新しい視点から考えてみたことを書きました。単なる思い付きにすぎないことではありますが、花を見ながら思いめぐらすことは楽しいことですね。斬新な発想だと思います。じつは本当にこうかもしれませんね。
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