晴れ上がった空のように・・

日常の出来事や読んだ本の紹介

新参者

2014年06月15日 | 
新参者  東野圭吾 著

日本橋小伝馬町女性殺害事件・・日本橋署に赴任したばかりの加賀恭一郎警部補は
難解とみられるこの殺人事件を カミソリのように切れる頭脳と鋭い洞察力で解き明かしていく・・

全部で9章にわたって書かれていてまるで短編集のようであるが、すべて一つの事件へとつながっていく
様子はさすが東野さんの手法。お見事としかいいようがない。
日本橋・・
そう、「祈りの幕が・・」のときと同じ日本橋署の加賀恭一郎シリーズであるが
舞台は東京下町、小伝馬町、人形町、浅草、と江戸の風情が残る界隈である。
そこで暮らす人々や商店街のなりわい・・小間物屋、瀬戸物屋、時計やに小料理屋、煎餅や、事件とは関係ないような
人たちの生活を垣間見ているようだが、実はどこかで繋がっているのです。

飄々と、そしてたんたんと事件の真相へと話は進むのですが、上手くいかない夫婦の話や親子関係につまずいた息子の話や
そして、被害者の意外な思いが明かされていくのです。

最後のページを閉じた時、
私は思わず一人ごちました。「・・これって、殺人事件の推理小説だよね?」
まるで江戸人情話を読み終えたようなあったかい心に満たされていました

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