晴れ上がった空のように・・

日常の出来事や読んだ本の紹介

八月の路上に捨てる

2006年09月03日 | 
八月の路上に捨てる」・・伊藤たかみ
第135回芥川賞受賞作品です。

文芸春秋9月号の、全文掲載ページで読みました。いつものことながら、芥川賞選評の先生方の辛口の記事はさらりと読んでから、本文に目を通しました。

現代の若者が社会のひずみの中で、もがき苦しむさまを、さわやかなタッチで描かれています。

自動販売機のジュースを補充したり売り上げ金を回収する、アルバイトの30歳の若者が主人公です。どこにでも置かれている「自販機」は私たちには身近なものです。その仕事の様子がとてもリアルで面白かったです。

明日、離婚届けを提出するという、彼は夢を追うのも現実の生活もどうしようもなく疲れたかんじで・・どうにもならない。本人は一生懸命生きているつもりでも、社会からははみ出ていて、なんとも今の若者の悲鳴が聞こえてくるようです。

村山由佳の新刊「ヘヴンリー・ブルー

こちらは、天使の卵、天使の梯子の続編、アナザーーストーリーと、なっています。
「天使の卵」が秋に映画公開されるのを機に出版されたようですが・・
期待はずれでした・・(~o~)
村山由佳さんのファンにはきっと、読みたい本ではなく「所蔵」したい本にはなりそうですネ。装丁がきれいで挿絵もおしゃれです。