桜が見頃になったのに今日は朝から雨。
寒い冬の間、桜が咲いたらあそこのあの桜を見に行きたいなと
何ヶ所も思い描いたりしていたのに
いざその時期が来てみたらなかなか思うようにいかない。
一緒に行こうと約束していた友達もいるのに・・・。
今日はどこにも行かず家で過ごした。
私の退職記念に植えた庭の「仙台枝垂れ桜」が今見頃。
なかなか花が付かず花より葉っぱのほうが目立っていて、華やかさの無さは
私に似ていると思ったりしていたのだが
1~2年前からきれいに花が咲くようになった。
58歳の時に植えたのであれから17年経つのか・・・
枝垂れ桜のすぐ横にカリンの木が若葉を付けている。(花はすでに散った)
この木は恩師S先生に頂いたもの。
仕事から解放されて(退職してすぐ)友達とS先生の家に遊びに行った。
その時、先生が「これを持って帰って植えちょけ」と言って、このカリンの木を下さった。
枝垂れ桜の木もカリンの木も丈が1メートルちょっとの苗木だった。
あのころ、先生は68歳だったのか・・・
あの日のことを思い出したりしている。
若い頃、自分が年を取るなんて思わなかった
若さはずっと続くと思っていた
老人は最初から老人で、オバサンは最初からオバサン
若い私が老人になるなんて思いもしなかった
初任地の酒席でこの人(私のこと)は地球の表しか知らない人だからと
上司に言われ、とても傷ついた
そんな薄っぺらな人間ではないわとショックだった
それが褒め言葉だったと70過ぎてやっと気がついた
まだ初(うぶ)なんですよと言ってくれたのだ
時は流れて私は後期高齢者になった
そして若かったS先生は85才でこの世とオサラバした
確実に時は流れていく
願わくは 花の下にて 春死なむ その如月の 望月のころ
この西行の歌を教えて下さったのもS先生だったかもしれない