S先生のお葬式に行った。
S先生は中学校1年の時の担任。大学を出られたばかりだった。
色白のなかなかのイケメンだった。そして結構型破りだった。
男子はすぐに「やまあらし」とか「春雷ゴロハチ」とかアザナを付けて呼んだりしていた。
私はこの先生から多感に生きて良いのだ。
生真面目に生きなくて良いのだということを学んだ。
それが良きにつけ悪しきにつけ私の生き方に影響していると思う。
卒業してからもずっとずっと関わって下さった大事な恩師。
葬儀に行く車の中、不謹慎にも歌っている自分に気がついた。
♪好きだよと言えず 初恋は ふりこ細工の心~♪
ああ、まさに私の初恋はこの先生だった。
中学1年の1月頃、「アメリカではバレンタインデーというものがあって
その日は好きな人に女性からチョコレートを渡し、告白できる」
ラジオでこういう情報を初めて得た。
(まだあまりバレンタインデーが知られていないときだったのではないかと思う)
私は担任のS先生にチョコレートを渡したかった。
どういう風にして渡そうか?いろいろ考えた。
そして結局それは妄想に終わった。
実行する勇気が私にはなかった。
S先生の思い出を書き始めたら切りがないほど、思い出がいっぱいある。
今日は家族葬だったので出棺のお見送りをすることもなく葬祭場を後にした。
その後、T香さんとK子ちゃんとふる里の桜を見に行った。
葬儀の帰りにこういうことをしても型破りなS先生はきっと許して
下さるだろうと勝手に解釈して満開の桜を楽しんだ。
3月31日がS先生の命日となった。享年85才。
桜咲く良い季節に先生は旅立たれた。
先生、いろいろありがとうございました。
あの世というものがあったら奥さんとお幸せにお過ごし下さいね。