kisetsunokazeni

ときには空を見上げて深呼吸。無駄と思える時間も必要な時がある。

ごめんね・・・

2016-02-17 20:56:19 | 
ときどき

おとうと犬は

黙ってわたしを見ている

いや、もう目は見えてないから

なんとなく音で

わたしがいる場所がわかるのだろう

穏やかな顔で

ただただ

じっと見てる

だから

最初は気付かない

なんとなくそっちを見ると

”いつから?”と思うくらい

静かに

見てる

なんだか

見守ってくれているよう

だけど

ものすごく申し訳ない気持ちになる

目が見えにくくなってきたとき

兆候はあった

お散歩のとき

ときどきおにいちゃん犬に

ぶつかっていたから

わたしたちはそれを

「かわいいね」

といって

見ていただけだった

かかりつけの先生からも

「こういう目の大きい子は

 見えなくなることが多い」といわれてた

それなのに

全く見えなくなって

ようやく気がついた

それも

本人が教えてくれたようなものだった


目が見えなくなったことを

おとうと犬は

わたしに向けては

なにも文句言ったり怒ったりしない

むしろ

”ぼくはだいじょうぶだよ”と

いってるような気もする

まあ私を怒らせて

自分のケアをしてくれる人がいなくなるのを

心配してるのかもしれないけど


そんなことないよ

なにがあっても

最後まで一生懸命お手伝いするから

ずっと一緒


目が見えなくなって

行動範囲も狭くなり

できることも限られる

お散歩は同じコースだし

おでかけしても

どんなところに行ったかもわからない

年も年だけど

寝てる時間も長くなった


ほんとはもっと

やりたいことがあったかもしれない

お友達と追いかけっこも

もっとしたかったかも

いろんなところに行って

景色を楽しみたかったかも


網膜剥離だから

もちろん治ったかどうかはわからない

でも、あのとき、もし・・・

きもちが

打ちのめされることがある

そんなときでも

彼は

優しい目で

じっとわたしをみつめてる


起こってしまったことに

泣いたってしょうがない

いまはただ

この子と

おにいちゃん犬と

できること精いっぱいやって

前に進むだけ


でも

いまだけいわせて

ごめんね・・・
コメント (2)
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