御気楽に留学生活ってどんなもの?という興味で、読んで見たいと思っていた本。でもこれは、研究者の世界の厳しさを垣間見せるものだった。娘もその端くれなので、なお更興味を持って読むことができた。
しかし、これはおよそ30年近く前の留学? 今とは悲愴感が違うと思う。でも、語学力不足からくる劣等感と、疎外感、ホームシックなどは共通。そして、いかにして自分をアピールして行かなければならないか、研究者たることに重きを置くのか、教育者たることに重きを置くのかなどは、今も同じだと思う。つくづく大変な世界だ。
彼の場合、そこに複雑に絡んでくる優越感と理屈っぽさ。自分の行動の何にでも、理由づけが必要。そうそう、彼の本はこんなだった。でも、そんな気質って、嫌いじゃない。