夢地蔵

田舎の映像作家の備忘録

HDVカメラが捉えた映像と記憶色

2020-09-29 14:52:53 | Weblog
朝、晴れ間が覗いたので HVR-Z5J を車に積んで戸隠のあの広大な蕎麦畑へ行っていきました。
予定は3カット、何度も見て撮影ポイントは決めてあります。
現地に着いたら秋の空。待ちに待ったチャンスです。三脚にカメラをセットして撮影開始。

画面の上部に超明るい雲があるので畑がアンダーになるのは承知の上。
上空の雲が流れて畑にその影が流れます。

でもファインダーに写る映像は肉眼とかけ離れている感じ。違和感があります。

約20分カメラを回しっぱなしにして雲の影が去って再び畑一帯が明るくなるまで撮って次のポイントです。
撮影を開始しましたが三脚が農道にはみ出して農作業の車が来たら邪魔になりそうなので畑ギリギリに移動して撮影再開。
案の定おばさんの運転する軽トラックが来ました。でも今度は邪魔になりません。


これもファインダーの映像は何か物足りません。
帰ってからどんな映像になっているか確認するとして次のポイントへ。
ところが空模様がいけません。背景にするつもりだった戸隠山の上半分が厚い雲に隠れています。
そのうちカラッとした秋晴れになることを期待して車で周辺を走って時間をつぶしましたが勝手に考えていた絵に描いたような情景にはなりません。

明日に期待するとして今日は撤収です。

帰ってからカメラの PHOTO 機能でメモリースティックに静止画記録した画像は、やはり物足りないものでした。
PICTURE PROFILE は常用している PP3 PRO COLOR 。このモードはニュートラルな発色です。


これは記憶色と現実の色の違いです。こんなことは何度も経験してわかっているつもりですが愕然としました。
試しに画像を PhotoShop で加工してみました。


私の記憶色というか、期待したのはこんな感じです。


こうすると派手で一見きれいな風景ですが、冷静に見るとカメラが捉えた方が ”真実"なのだと思えてきました。


写真をやる人はこんな加工は当たり前で、撮った写真は素材に過ぎずそれをベースにイメージ通りに作り上げるんでしょうが最初からビデオに取り組んできた私には割り切れません。
言っちゃ悪いけどこねくり回した写真って、その写真そのものを見せようとする傾向があるように思います。
私は映像を通して「その場」を表現するという考えで、もっと言えば見えている映像ではなくそこに見えないものを表現しようとしています。「見ればわかる」じゃなく映像は入り口で「これを通して何が見えるか」。

それにしても今日の収穫は次の撮影のヒントになります。
明日出直しましょう。

2カット目の撮影でやってきた軽トラックのおばさんが蕎麦畑の片隅の小さな野菜畑でこっちを見ていました。
挨拶を兼ねて近付いて話をしてきましたが愛想のいい人でこのあたりの蕎麦畑について教えてもらったり昔は一面の煙草畑だったことも伺うことができて幸いでした。
私以外にもこの風景に惹かれて写真を撮りに来る人が何人も居るそうです。
コメント
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