父の晩年

大竹しのぶさん同様に、私も、９６才になる父親の、介護をしていました。

母が亡くなった時、父は、８０才、その後の３年間を、父はそのままひとりで暮らしていました。

父は、しっかりとした人でしたし、何より、自分でやりたいようにするのを、好む人でしたから、しばらくは、そのままにさせてあげることにしたのです。
母が亡くなり、自分で財布を扱うようになって、父は、好きにやっていたようです。

しかし、３年が過ぎ、いずれ何とかしなければと思い、夫が言ってくれることでもあり、私の所へ来るように言うと、父もその気になったようです。

しかし、娘の所で世話になることに、とても気を使っていたと思えることには、それは、夫の兄弟にも、きちんと話しておいてほしい、と言ったことでした。

その頃は、夫の両親は、すでに亡くなっていました。
今更、兄弟に、承諾を得ることでもないのに、やはり、父は、昔気質の人でした。

私の夫は、優しい人でしたから、その点で、娘の所にやって来た父の人生は、幸せだったと思っています。
我々と共に、あちこち、旅行にも出かけました。
新しい土地にも、すぐになじみ、そして、その年で、社交ダンスをも始めるという、父は、とても自由に、楽しく暮らしていました。････