como siempre 遊人庵的日常

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風林火山 第38話「村上討伐」

2007-09-24 22:42:34 | 過去作倉庫07~10
Story 村上義清の息の根を止めたい晴信は、本格的に信濃へ出兵を開始する。信濃の小土豪たちはつぎつぎに武田に靡き、村上勢は完全に孤立し戦闘手段をうしなう。再起を期して越後へ亡命した義清だったが、逃避行のなか、村上夫人と侍女たちの一行が馬場信春率いる武田軍に遭遇し、自害して果てる悲劇がおこる。勘助は、村上義清の首をとってしまうよりあえて一旦越後へ逃がし、長尾景虎を単なる援軍にとどめておくべきと献策。果たして越後で再起した義清を、武田軍は再び攻撃し、粉砕する。かくて武田は肥沃な川中島にいたる領土を手に入れるが、それは、領土的野心のない長尾景虎に、信濃出兵の名分を与えることでもあった…。 

庵主のCheck! 

 どうしても大河ドラマって、1日か2日のことをじっくり1回かけることもあれば、1話のうちに1,2年たってしまったり、時の進み方に緩急が激しいもの。とくに先週からの時の流れ方はすごく混乱していますので、ちょっと頭を冷やして整理してみます。
 えーと、まず先々週のラスト、小山田さんと美瑠姫の情死事件が「天文21年・年明け」でした。先週、大井夫人がなくなったのが同じく天文21年の5月です。今週は夫人のお葬式のあった天文21年初夏から、翌年・天文22年8月に村上義清が越後に敗走するまでの、1年ちょっとの出来事となります。
 この間に義清は葛尾城を捨てて越後に逃れ、景虎王子に援助してもらってもういちど信濃へもどってきて、再起してまた敗走。甲斐では、太郎の結婚式などいろいろおこり、やたら劇的な1年ちょっとなんですが、そのわりに晴信は館を1歩も動いていませんね。

 さて、その大井夫人のお葬式には、信濃や遠方の占領地に散っている武将たちが戻ってきて一同に会します。そこで、いまだ北信濃で抵抗を続ける村上義清を、ここで一息に討伐するため出兵するかという話が出ますが、そのまえに、今川家の姫と武田家の嫡男・太郎の結婚式が控えているわけです。
 太郎の守役の飯富虎昌は、式は延期してはどうかと晴信に進言します。信濃出兵で今川家とのパワーバランスが崩れ、太郎の立場が悪くなるのが心配なのですね、飯富さんは。が、「だからこそ御曹司さまの結婚は信濃出兵前がよい」と勘助が献策。強大な今川家が甲斐と同盟したと聞けば、信濃の土豪たちも武田になびくであろう、ということですね。晴信もこの勘助案を取り上げます。飯富さんとしては心配のあまり、「武田のご嫡男は太郎様だということを忘れるな」と勘助に釘をさしたりしますが…。

 そして、太郎の結婚に先立って、甲斐では二人の新しい武将が生まれます。飯富昌景と春日虎綱。そう、以前晴信の側近だった飯富源四郎と春日源五郎の美少年コンビが侍大将に出世して、板垣・甘利両雄の戦死や小山田さんの情死で寂しくなった重臣会議に加わったのでした。
 憂い顔の飯富さんも、弟・源四郎の晴れ姿に嬉しそう。しかし、それどころでなかったのは、寵愛する源五郎に役職を授けたときの晴信のやにさがった顔です。げー!!と思わずテレビの前で目をむいたのは私だけではなかったでしょう。
「源五郎、これからもさらに文武に励めよ」といったときの晴信の顔ったら、かつての「由布姫はさぞよい音を奏でてくれよう~」のオヤジさんの気持ち悪い笑顔ソックリ。な、なんだこれは…。いきなり場違いに生臭い風がびゅうびゅう吹いた感じでしたが、まあ、晴信の源五郎への気持ちは、現存する自筆のラブレターなどが物語るとおりですからね。そーゆーことは、いちおうこのドラマでは無いものとなっているかと思ってましたが、あの亀治郎さんの含み笑いを見る限り、そうともいえなかったのか…?

 村上を討つにあたり、着々と周辺の土豪の切り崩しがすすんでいます。この分ならあまり戦に手間をかけないでよさそう。が、そんな空気の武田軍に、満腔の不満を隠さないのが馬場信春でした。
 馬場さんは、このごろまともに戦をしないで調略ばっかりやっている、これでいいのかと諸角の爺様に議論をふっかけますが、爺様は、戦をしないで済むならそれに越したことはないという考え。馬場さんとしては、調略でおちた信濃衆には基本的に領地が安堵されるので、武将たちの知行が増えないのも不満なのです。ついつい諸角さんに八つ当たりし、「そういう腑抜けた武将が増えるから他国に侮られる、その筆頭があんただ」ストレートにきついことを言い放ちます。これにはさすがの諸角さんも激怒しますが、馬場はフォローもせずに席をたってしまいました。
 
 結婚式もつつがなく終わり、いよいよ信濃出兵です。
 といってもすでに周辺の土豪の調略はほとんど出来ていて、村上義清は孤立無援の状態。降伏するかバンザイ突撃しか方法はありませんが が、勘助は、「義清を討たず、生かして越後へ逃がすのがよいと存じます」と、二人きりの密室で晴信に献策します。
 義清の首をとるのは簡単なことであるが、そうすると領国を接する越後と領土をはさんで正面衝突することになる。が、義清が越後に落ち延びて援軍を要請し、それに応じて長尾景虎が兵をだすなら、単なる援軍。というのは、景虎は領土的野心というものがないので、村上が懐にいる限り信濃を領土化しようとはしないはずだからです。なるほど…。
 
 場面変わって越後の国では、先週、景虎王子をたよって亡命してきた関東管領・上杉憲政が、芸者をあげて(?)どんちゃん騒ぎ。夜の将軍様は越後でも健在でした。
が、景虎王子が訪ねてくるといちおう芸者を追い出し「そなたがくると思って用意していたのじゃ~」と言い繕ったり、それなりに気はつかっているようです。
 管領様としては、一日も早く関東へ出兵し、憎き北条をコテンパンにしてもらいたい!という一心なのですが、先週「北条氏康は必ず討ちます」とか宣言したわりに王子は悠長で、「その前に京都へ行ってきたいのです」などといいます。
 王子は、このたび朝廷から従五位の下・弾正小弼の官位を貰ったのと、まえに越後守護として毛氈鞍覆・白傘袋(だっけ…)の使用を許されたお礼を言いに、天子様に拝謁したい。ついては、賊徒北条氏康と武田晴信の討伐の勅許もいただいてきますので…というわけですが、これは管領様をして「どこまで律儀なのじゃ」としらけて鼻毛を抜かせるほど、アナクロな感覚だったようです。
「それまでご存分にお遊び…、いやおくつろぎください」と言われてしぶしぶ腰を下ろした管領様。そしてこのおくつろぎの遊興は、ワタクシの調べによるとあと20年以上もつづきます。なんと、王子の死後まで…。

 さて、年改まって天文22年春。追い詰められた村上勢のこもる葛尾城には、砥石城からついてきたアンドレ平蔵とヒサの夫婦もいました。ヒサはお腹が大きくなっています。
 再起を期して越後へ落ちるにあたり、義清は、千曲川のより敵の目につかない深瀬を、妻の玉ノ井と女たちの一行のために選びます。自分たちはよりリスキーな浅瀬を渡河して行くときめ、奥方と、ヒサたち侍女一行を逃がしました。
 しかし、女性たちの行く手には、武田の馬場信春隊が一ひねりした解釈をくわえて「村上勢は人目につかぬ深瀬を選んで渡河するに違いない」「義清の首は我らがとるのじゃー!!」と気を逸らせ、待ち構えていました。渡河地点に布陣していた春日虎綱隊が、含みどおりに見てみぬふりをして河を渡してくれたというのに…。
 もはやこれまでと観念した奥方は、その場で喉を突いて自害。侍女たちも次々と喉を突くなか、ヒサも、大きなお腹にためらいながら小刀を首に向けます…が、「待て、待つのじゃー!!」と突進してきた馬場信春。「ややっ、そなたは矢崎十吾郎殿の娘。覚えておらぬか、わしじゃ!」
…と、こんなところで久闊を叙されても、ヒサとしては思い出したくもない顔ですよね、馬場信春。しかも、「おっその腹は、あの平蔵の子か?そうか良かったの~!」って、信じられないくらい空気の読めない男です。こんな男に助けられたヒサは、憎しみを込めてその顔に唾するしかありませんでした。
「こんな心のこもった矢をうけたのははじめてじゃ…」「女子はこころに鎧をまとって戦っておるのか」って、一人うっとりとつぶやいたりして。馬場さん、何にもわかっていませんね…。

 そして村上義清は越後に駆け込み、景虎王子に援軍を要請。義侠心にあつい王子はその場で家臣に出兵を命じますが、これこそ勘助と源五郎の予想通りの展開でした。
 越後勢の援軍を得た村上義清は信濃の旧領に進軍し、武田軍もいったんは撤退。一時は義清がほとんど旧領回復するかと見えました。
 しかし、体育会系・猪突猛進の義清は相変わらず芸がありません。調略で武田色に染まっていた北信濃では、次なる武田の出兵と同時に、なんと一日で16もの城が落ち、義清はあっというまに拠点の塩田城から叩き出されて、越後に敗走することになってしまったのでした。
 これが、天文22年8月。3ヶ月かそこらの間に、葛尾城陥落→義清越後に走る→義清信濃の旧領回復→武田の大攻勢・義清敗走 と、めまぐるしく事態がうごいたことになります。このへんのことはナレーションだけで済ませてましたが、実際としても異様な速攻だったわけですね。

 そして、ついに景虎王子自らが白馬に乗ってご出陣、というわけですが、これが天文22年8月。今週のラストシーンの、ほんとに1週間かそこら後の話なんですね。
 これが第一次川中島合戦というわけで、さあ、いよいよこの「風林火山」のクライマックスが見えてきました。といっても川中島合戦は10何年もダラダラ続くのですが。時はドラマの中でも確実に流れています。また来週!


6 コメント

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そうなんですよね (なおみ)
2007-09-25 00:02:37
北条庵主さん、こんばんは。
>源五郎に役職を授けたときの晴信のやにさがった顔です。げー!!と思わずテレビの前で目をむいたのは私だけではなかったでしょう。

いやいや庵主さんだけではないですね。周辺諸国で同じような報告がありましたもん「エロフグ」と。

>さあ、いよいよこの「風林火山」のクライマックスが見えてきました。といっても川中島合戦は10何年もダラダラ続くのですが。

そうなんですよねぇ~「川中島」が第何次もあるなんてこのドラマを見るまでお恥ずかしながら知りませんでした。庵主さんはホント良く勉強されていますよね。
ところで「第3回風林火山クラブ」で「真田」特集を組みたいんですが、庵主さんがお書きになった
「真田の里へ!」と「其の三 真田幸隆」を募金していただけますか?ぺこぺこ・・・庵主さんだけが頼りッス(><。。)
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励めよ~ (庵主)
2007-09-25 10:04:34
伊達なおみさん、いらっしゃい(笑)。

いやもう、今回はあのエロエロ晴信の「励めよ~」のショックで、他のことがみんな影うすくなっちゃいましたよ。やっぱり皆さん反応してらっしゃるのね。
ていうか絶対狙ってますよね。ついにNHKコード越えの新たな地平を切り開くのか!と緊張しましたもんね。このカップルで開いてほしくないが…

真田の記事、喜んで募金さしていただきます。うれし~です♪使っちゃってください♪
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ハゲはいやよ~ (なおみ)
2007-09-25 11:54:42
一番人気の北条さま!(←ちょっと羨ましい)付けたしです。
「真田の里へ!」の記事の中でペッタンコされている「真田本城跡」のお写真も記事で使用させていただいても宜しいでしょうか?やっぱビジュアルも必要っす。
>ついにNHKコード越えの新たな地平を切り開くのか!と緊張しましたもんね。

・・・(笑)ですね~。ホント、脚本家もカメさんもこうしてネット上で「エロフグ」と言われてることを分かっているのか、いないのか・・・どんどんエスカレートしてますよね?あの時間だと「家族で食事中」というご家庭もあるんでしょうに・・・。

>このカップルで開いてほしくないが…

近頃はみなさん「目が肥えて」きていますから、男女問わず「美しい」ほうがいいですよね◎
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ハゲは(笑) (庵主)
2007-09-25 21:02:23
>なおみさん

あっ、それ思い出したくなかった(笑)。晴信がハゲ…もとい剃髪するのが、「見たくない」と今からその日を恐れているワタシです。怖い。マジで見たくない。

写真、もちろんOKですよ♪使ってください。うれし~です
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愛憎の川中島やハゲとハグ (SFurrow)
2007-09-25 23:35:25
画面の「ハゲ」の文字、「ハグ」とすごく紛らわしいですね~ハゲたフグとHugするのは誰?
川中島も迫ってきました。最終回は第4次川中島ですよね? で、その直前に桶狭間もありますよね? 諏訪御寮人の病死も・・・時間配分的にどうなるんだろう。
庵主さま、源五郎クンが違う役者さんになったり髭はやしたりしてなくって良かったですね。
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愛憎の川中島(笑) (庵主)
2007-09-26 22:30:06
>SFurrowさん

>ハゲたフグとHugするのは誰?

いやあぁぁぁ~~!
想像したくないぃぃ~~!!

映画の「風林火山」では、お屋形様の女性関係に心を痛める由布姫のために、勘助が晴信を強引に剃髪させる、という展開になってましたが(原作でもたしかそんな感じ)、このドラマでは由布姫が亡くなった後になりそうですね。(ストーリーブックで、「病床の由布姫を抱きしめる晴信」の写真に髪の毛があった)。

源五郎のヒゲは、最終回まで見守りたいと思います。できればこのままで…。しかし、駒井君の先例もありますしね…。
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