(参考 新約聖書 1954年改訳 日本聖書協会)
6・9~17 第五から第六の封印を解く
9 小羊が第五の封印を解いた時、神の言のゆえに、また、そのあかしを立てたために、殺された人々の霊魂が、祭壇の下にいるのを、わたしは見た。
10 彼らは大声で叫んで言った、「聖なる、まことなる主よ。いつまであなたは、さばくことをなさらず、また地に住む者に対して、わたしたちの血の報復をなさらないのですか」。
11 すると、彼らのひとりびとりに白い衣が与えられ、それから、「彼らと同じく殺されようとする僕仲間や兄弟たちの数が満ちるまで、もうしばらくの間、休んでいるように」と言い渡された。
12 小羊が第六の封印を解いた時、わたしが見ていると、大地震が起こって、太陽は毛織の荒布のように黒くなり、月は全面、血のようになり、
13 天の星はいちじくのまだ青い実が大風に揺られて振り落されるように、地に落ちた。
14 天は巻物が巻かれるように消えていき、すべての山と島はその場所から移されてしまった。
15 地の王たち、高官、千卒長、富める者、勇者、奴隷、自由人らはみな、ほら穴や山の岩かげに、身をかくした。
16 そして、山と岩とにむかって言った、「さあ、われわれをおおって、御座にいますかたの御顔と小羊の怒りとから、かくまってくれ。
17 御怒りの大いなる日が、すでにきたのだ。だれが、その前に立つことができようか」。
(参考 増訂新版 新約聖書略解 日本基督教団出版局)
・9 第五第六の封印が解かれた時には、第一から第四までのように馬上の騎士が現われず、第五の封印解除の時には、天上における殉教者の姿が示される。彼らの《霊魂》は天上の《祭壇》の下にいたと言われている。これらの殉教者の霊魂は最後の正しい審判を待っているので、このことは人間の死と最後の審判との中間状態の存在を予想している。
・10 《主よ。いつまであなたは……》と言って、神の手による報復をうながしているが、このへんはユダヤ教的な考え方が表面にあらわれている。
・11 彼らは勝利者としての《白い衣》(復活後のからだ)を着せられ、また《数が満ちるまで、もうしばらくの間、休んでいるように》と言い渡されたのであった。
・12 第六の封印が解かれると、終末における天変地異がおこるのであるが、第一に大地震が起こる。それは「万国民を襲う」世界的な地震であって、次に《太陽は……黒くなり、月は……血のようになる》のである。《毛織の荒布》黒い小羊の毛で造った荒布である。黒い太陽、赤い月は日蝕、月食のことであろう。
・14 《巻物が巻かれるように消えていき》巻物は巻かれても消えることはないが、パピルスの巻物が二つに裂かれるとその2片ともに自ら巻き込んで二つの小さい巻物に分かれてゆくように、天も裂かれて寸断されることを述べたものである。
・15 神の刑罰を受けるべき七つの階級の人々のことを述べている。彼らは《ほら穴や山の岩かげに、身をかくし》16 山と岩とに向かって保護を切望している。
・17 《御怒り》の原意は「彼らの怒り」であって、前節の「御座にいますかたと小羊との怒り」である。それは「神の正しいさばきの現れる怒りの日」である。
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