ここも霊界

私は３０歳代の後半に
坐禅をやったのであったが、
谷中のお寺に
毎月一回坐禅会があって、
そこに
臨済宗の
中川宗淵老師という素晴らしい高僧が
提唱（講話）に
来ておられたのであった。
老師が
「ここも人間世界という霊界であり
皆さんは霊人なんですよ」
とおっしゃったのを
思い出す。
この人間世界を
ここが霊界だと
思う人はいないだろう。
しかし実は
この世も人間世界という霊界だ。
この世が「物質」世界のように見えるところに
この世でに生まれた意味があり
物質世界こそが心の生長をするための舞台であって、
生まれてから死ぬまで、
人間は「物質」を使用して（扱って）
魂の生長をしていくのである。

人間が現象世界に生まれた目的

この現象の世は
一見苦しみばかりの世の中のように
見えるけれども、
実は
裏には
極楽荘厳の世界が
存在しており、
本当は
その世界に
すべての人間が
いや一切合切の存在が
理念の形で生き生きと
行をし合っている。
神が創造した世界（実相世界）は
完結はしているが不断の創造を続けているところの
一顆明珠（如意宝珠）である。
観音様が手に持っている、
あの丸い珠がそれだ。
だが私たちは物質世界にいて、
その事実を
知らない場合が多い。
その事実に気がついた宗教家が、
人間の生き方を説く。
それが、釈迦でありキリストである。
本当は人間は神の子であり仏子であることを知って、
自由意思によって、
誰もが持っている神の国、仏の国を
現成するということが、
人間の現象世界における目的である。