宿前のアムパワー川からあっという間に大河に出た、メークロン川だ。川幅は荒川下流といったところか、いやもっと広いかな。さあぶっ飛ばして暴走クルーズといこうぜ!なんて思っていたらすぐにスピードダウン、青シャツ船頭は川岸に船を停泊させはじめた。岸辺の奥にに見えるのはお寺、これはもしやはめられたか?お布施ぼったくられツアーに連れてこられたんじゃないか?と、一瞬暗い気分になってしまった。ちょっと警戒しながらお寺へ、ナントカ菩薩の前に行ってお花をお供えしたがとくにお金が沢山とられるって事はなかった。
その後お坊さんのいるお堂へ、そこでは木の棒で水をかけられたのだが、あれはお清めの意味だったんだろうな。とりあえずお坊さんの前に入れ物があったのでお布施をお入れしといた。それにしてもタイの寺院はどこも金色を使っていて華やかなんだけど、そのなかに静けさを感じられるような落ち着きがあるのがなんとも不思議だ。それと寺院には犬が多い。お寺が身寄りのない野犬を大事にしてるらしく、なんともやさしい国なんだなと感心しながら、あらためてウチで飼ってるバカ犬のキャンキャン鳴く声を思い出してしまった。飼う人間の本性がが犬にも反映されるのだろう。タイに来てから一回も犬にほえらられなかったので、俺はついには犬好きになってしまったのである。
川岸を出航した青シャツ船はその後もお寺巡りのクルーズツアーになった。アムパワーみたいな支流の川にも入っていったのだが、川べりには高級別荘なんかもあって、やっぱりタイは川とともにある国なんだと実感、護岸工事なんてほとんどやってない大小様々な美しい川を羨ましく眺めていた。お寺巡りで終始するのかと思っていたクルーズだったが、一度だけヘンテコなテーマパーク立ち寄った。まず入り口にプロペラの古い戦闘機が無造作に置かれ、奥に進むと馬やイノシシ、ラクダなんかが動物園のように飼われていた。顔を見合せながら「これはないな~」と長クルーズにも疲れてきた46歳俺と48歳S氏、落胆のセリフを連発するようになってきた。もうそろそろ寺院巡りも終わりにして引き上げるのかなぁなんて考えていたのだが、それからもう二回ぐらいダメ押し巡礼、S氏は「苦行僧のようだな」となかば諦めかけていたのだが、これは最後の最後に青シャツ船頭がしかけた心憎い演出の伏線だったのだ。船がメークロン川のほとりに出た時、夕日は川岸の地平線すれすれのところにあって黄金の光で大河を照らしていた。このクルーズで一番美しい風景、タイの大河の夕暮れを乗客に見せるため、ジャストタイムで船を操っていたのだ。やるな青シャツ…
思いがけないツアーを楽しんだ後、我々は宿に到着。シャワーを浴び、足りなくなったパンツとシャツを洗濯してから夕食をとりにロビーへ。川べりに板の間が接してあって、そこにじかに座れる安楽クッションが置いてある。対岸の明かりはぼんやり燈っていて喧騒など微塵もない。川の水が流れていく音が聞こえるような聞こえないような、とにかく素晴らしいロケーションと静けさと時間の流れ。こんなのがうちの近所にあったらさぞかしいいだろうと本気で思ってしまった。
S氏と二人 まずはハイネケンで乾杯。野菜炒めのあんかけとトムヤムサラダ、タイチャーハンで〆たが美味しかった。このままここで朝まで寝っ転がっていたいような気分だったが、夜がもったいないので夕食後街に繰り出した。アムパワーの街は旧正月ソンクランの前夜祭だったようで、お寺からは大きなスピーカーでお経を読んでるお坊さんの声を流していたり、どさまわりのダンスグループのステージ公演があったり、射的やアイスパン売りなんかもいて祭りの雰囲気を盛り上げていた。13日から始まる本祭では水をたっぷりかけられ、服がびしゃびしゃという状況になってたかもしれないのでその前の旅だったのは正解だった気がする。
せっかく街に出たのでなんか食べなければ祭りを味わえないだろうということで、そのアイスパンとS氏絶賛の卵ともやしの炒め物、最後に何のウジだか分らなかったが、白くて細いウジを炒めて塩を軽くふってあるスナックをいただいた。S氏でさえ最後まで食べるのを拒んでいた代物だったが無茶苦茶美味しかった。若い綺麗なおねえさんが売ってるんだから間違いないと思うのだがな…
しかし体は正直で、あれほど正露丸を飲んで頑張っていた腸も、ここにきてタイ料理の洗礼を受けることになった。急に腹が痛くなったと思ったら、猛烈な便意、慌てて公衆便所を見つけ駆け込んだ。なんとか間に合ったがケツを拭くのは聞いていたとおり手桶に汲んだ水、どうやら川の水らしくちょっと濁っている。宿ではトイレットペーパーを使うことができたがここはやはり手桶の水をケツの穴にかけてきれいにしなければいけない状況だ。意を決してやってみたがあんまり上手にできなかった。人力ウォシュレットはなかなか難易度が高い。残りは宿でなんとかするしかないだろう。だから中学生の修学旅行はタイではダメなのだ。
というわけで二日目がやっとここで終わる。長くて濃い二日目だった。
このあと旅行記続けられるか不安になってきましたが…
その後お坊さんのいるお堂へ、そこでは木の棒で水をかけられたのだが、あれはお清めの意味だったんだろうな。とりあえずお坊さんの前に入れ物があったのでお布施をお入れしといた。それにしてもタイの寺院はどこも金色を使っていて華やかなんだけど、そのなかに静けさを感じられるような落ち着きがあるのがなんとも不思議だ。それと寺院には犬が多い。お寺が身寄りのない野犬を大事にしてるらしく、なんともやさしい国なんだなと感心しながら、あらためてウチで飼ってるバカ犬のキャンキャン鳴く声を思い出してしまった。飼う人間の本性がが犬にも反映されるのだろう。タイに来てから一回も犬にほえらられなかったので、俺はついには犬好きになってしまったのである。
川岸を出航した青シャツ船はその後もお寺巡りのクルーズツアーになった。アムパワーみたいな支流の川にも入っていったのだが、川べりには高級別荘なんかもあって、やっぱりタイは川とともにある国なんだと実感、護岸工事なんてほとんどやってない大小様々な美しい川を羨ましく眺めていた。お寺巡りで終始するのかと思っていたクルーズだったが、一度だけヘンテコなテーマパーク立ち寄った。まず入り口にプロペラの古い戦闘機が無造作に置かれ、奥に進むと馬やイノシシ、ラクダなんかが動物園のように飼われていた。顔を見合せながら「これはないな~」と長クルーズにも疲れてきた46歳俺と48歳S氏、落胆のセリフを連発するようになってきた。もうそろそろ寺院巡りも終わりにして引き上げるのかなぁなんて考えていたのだが、それからもう二回ぐらいダメ押し巡礼、S氏は「苦行僧のようだな」となかば諦めかけていたのだが、これは最後の最後に青シャツ船頭がしかけた心憎い演出の伏線だったのだ。船がメークロン川のほとりに出た時、夕日は川岸の地平線すれすれのところにあって黄金の光で大河を照らしていた。このクルーズで一番美しい風景、タイの大河の夕暮れを乗客に見せるため、ジャストタイムで船を操っていたのだ。やるな青シャツ…
思いがけないツアーを楽しんだ後、我々は宿に到着。シャワーを浴び、足りなくなったパンツとシャツを洗濯してから夕食をとりにロビーへ。川べりに板の間が接してあって、そこにじかに座れる安楽クッションが置いてある。対岸の明かりはぼんやり燈っていて喧騒など微塵もない。川の水が流れていく音が聞こえるような聞こえないような、とにかく素晴らしいロケーションと静けさと時間の流れ。こんなのがうちの近所にあったらさぞかしいいだろうと本気で思ってしまった。
S氏と二人 まずはハイネケンで乾杯。野菜炒めのあんかけとトムヤムサラダ、タイチャーハンで〆たが美味しかった。このままここで朝まで寝っ転がっていたいような気分だったが、夜がもったいないので夕食後街に繰り出した。アムパワーの街は旧正月ソンクランの前夜祭だったようで、お寺からは大きなスピーカーでお経を読んでるお坊さんの声を流していたり、どさまわりのダンスグループのステージ公演があったり、射的やアイスパン売りなんかもいて祭りの雰囲気を盛り上げていた。13日から始まる本祭では水をたっぷりかけられ、服がびしゃびしゃという状況になってたかもしれないのでその前の旅だったのは正解だった気がする。
せっかく街に出たのでなんか食べなければ祭りを味わえないだろうということで、そのアイスパンとS氏絶賛の卵ともやしの炒め物、最後に何のウジだか分らなかったが、白くて細いウジを炒めて塩を軽くふってあるスナックをいただいた。S氏でさえ最後まで食べるのを拒んでいた代物だったが無茶苦茶美味しかった。若い綺麗なおねえさんが売ってるんだから間違いないと思うのだがな…
しかし体は正直で、あれほど正露丸を飲んで頑張っていた腸も、ここにきてタイ料理の洗礼を受けることになった。急に腹が痛くなったと思ったら、猛烈な便意、慌てて公衆便所を見つけ駆け込んだ。なんとか間に合ったがケツを拭くのは聞いていたとおり手桶に汲んだ水、どうやら川の水らしくちょっと濁っている。宿ではトイレットペーパーを使うことができたがここはやはり手桶の水をケツの穴にかけてきれいにしなければいけない状況だ。意を決してやってみたがあんまり上手にできなかった。人力ウォシュレットはなかなか難易度が高い。残りは宿でなんとかするしかないだろう。だから中学生の修学旅行はタイではダメなのだ。
というわけで二日目がやっとここで終わる。長くて濃い二日目だった。
このあと旅行記続けられるか不安になってきましたが…