上発地村から

標高934mぐらい日記

タイ ベトナム旅行記 4日目 最終日帰国編

2016年04月20日 | Weblog
水餃子とピータン豆腐を食べた後、タクシーで宿に戻った。名残惜しいが俺は間もなくベトナムを去らねばならないしS氏はもう二日間ホーチミンに残ってビジネスを続けなければならない。俺は帰り支度をしてゆっくり宿を後にした。S氏は疲れているのにもかかわらず最後まで添乗員の責務を果たしてやると言ってタンソニャット空港まで一緒にタクシーに乗って見送りについてきてくれた。ありがたい限りだ。
俺はここにきて緊張の糸が切れたのか肛門の緊張が解けたのか腹痛に見舞われた。タクシーの運ちゃんにトイレを探してもらうようお願いしたのだが、S氏に来てもらっていて本当に助かった、言葉が俺では通じない。奇跡的にすぐに公衆トイレを見つけダッシュで男子便所の入り口へ向かったのだが生憎シャッターは閉まっていた。ギリギリアウトかと諦めそうになった俺に、S氏が「向かいのホテルに行ってトイレを貸してもらえ!」と咄嗟のアドバイス、俺は萎えかけた気持ちをもう一度奮い立たせホテルに方向を変え、ベルの兄さんに場所を訊いてロビーのトイレに駆け込んだ。ギリギリセーフ… 今回も最後までS氏に助けられた。
S氏と空港ロビーで別れ、午前2時頃ベトナムを飛び立ち経由地の上海へむかう。またもや窓際、四回のフライトで四回目の窓際ってのも珍しい、横は空席だった。午前7時頃上海の浦東国際空港に到着、ネットリした暑さから解放され、薄曇りの朝の上海はTシャツでちょうどいいぐらいの気候になっていた。この後東京に向かう便に乗り換えがあるのだが、その便が出るのが午後2時、それまで6時間もあるので一旦出国してプチ上海旅をすることにした。出国してそのまままっすぐ上海トランスラピッド、いわゆる上海リニアモーターカー乗り場を目指す。リニアの終点、約30キロ先の龍陽路駅に特に用事は無いのだが、とりあえず中国のリニアを体験してみようと思ったのだ。というかこれもS添乗員の旅行プランをそのままやってみようということだったのだが…
片道50元(850円)の切符を購入、ホームに向かうともうすでにリニアは到着していた。乗客は少なく貸し切り状態、広い客席にゆったり席を倒して座った。ほどなく静かに滑り出したリニアは徐々にスピードをあげ、10分後ぐらいには時速300kmに達していた。北陸新幹線の最高速度が260kmだからそれより早いことになる。確かに新幹線よりはスピードがあった気がするが、とりたててビックリするような体感速度ではなかった。けっこう音がうるさいのと車窓の風景がとりたてて面白くも無いのではやくも飽きはじめる。途中通路を挟んで座っていた黒スーツを着たチャラそうな自営業風兄さんが俺に近寄ってきて何やらベラベラと中国語で話しかけてきた。ひと通り話終わってから俺が「ソーリー、アイムジャパニーズ」とだけ言うと彼は苦笑いしながら元の席に戻っていってしまった。とにかく中国ではほとんど中国人と間違われた。この事態は日本に戻ってから再度そのファッションから体型に至るまで考えなおさないといけないな…
その後リニアは徐々にスピードダウン、出発から15分後には終点の龍陽路駅に到着、あっという間の旅だった。到着したこの街はただのリニア終点の街ということだけで何にもおもしろそうなところが無い。しかたなく駅のバーガーキングに入り朝食を食べることにしたのだが、ここで今回の旅で二回目の日本人との遭遇、一回目は現地に住んでる子供連れのお母さん、ここでは中国出張サラリーマンの2人組だった。俺はとくに彼らに対して親近感もわかず、多分むこうも俺を中国人だと思っていたに違いない。
バーガーキングはコーラこそ同じ味だったが、ハンバーガーは四川風に味付けがしてありイマイチ、こんなとこでオリジナリティー出されてもなぁ~と少し残念な気持ちになり、長居無用の判断を下して空港に戻ることにした。帰りは地下鉄でのんびり行こうと思い、6元(100円)の切符を購入、まだ新しい感じの地下鉄に上海郊外の新興住宅地に住む人や、大きなスーツケースを転がす中国人旅行客なんかと一緒に乗り込んだ。途中折り返し運転に気付かず一回戻ったり、ツアー客が一斉に降りたのにつられて一緒に下車してしまったりしてスムーズに空港までたどり着けずまごまごしていた。五日間一人旅だったらと思うとゾッとする。今回も彼と一緒の旅でよかったと再認識してしまった。
空港では結構待ったが、お土産を買ったりして時間を調整、月餅を代行仲間や農業仲間にと買ったのだが、後で聞いたらどのお菓子も歯磨き粉の香りがする代物とのことで不評だった。旅行中ずっと警戒していたのだが最後に日本語の上手な中国人の女性店員にやられてしまった、やっぱりお菓子は日本にかなう国は無い。その後時間どうり午後2時頃上海を出発、あろうことか5回目の窓際だった。それも毎回そうだったが左側A席だった。俺は日本では右寄りの政治スタンスなんだがな…
まずい機内食を食べ青島ビールを飲み、途中だった東野圭吾の小説を読み終わるぐらいになった午後6時頃無事に羽田に到着した。ベトナムを出た時のTシャツだったので東京は寒かったがそのままモノレールに乗り、新幹線に乗って軽井沢を目指した。さすがにカッコ悪いので新幹線の車内でワイシャツを1枚着こんだけれど、午後9時駅に着いた時、気温は7度、到底しのげるような気候ではなかった。用事があってすぐ来れないかみさんを待合室で寒さをこらえて待ち続けながら今回の旅はフィナーレをむかえたのである。

俺は次の日からの日本での生活がどうなっていくのか楽しみだった。いろんなものを見聞きし体験したことが、明日からの自分にどう影響していくのか興味があったのだ。便利グッズをお土産に買ったわけではないが、心に便利グッズや栄養サプリメントを補充してきたそんな気になっていたのである。

今回の旅行で一番うまくなった事は、車とバイクがビュンビュン走っている道路をさらりとすり抜け横断する事だった。しかし日本での生活ではこれから必要ない気がする。

帰ってきてから、今までほとんど使わなかったウォシュレットを使うようになったのはいまだにいいのか悪いのか結論がでないままでいるのだが、正露丸でコテコテになった俺の腹が今後どうなっていくのかが今一番気にかかっているところである……