上発地村から

標高934mぐらい日記

ビリーブ

2015年05月24日 | Weblog
雨の季節になった。

降りだしたらそのまま雨続き、そのまま梅雨突入で仕事はかどらずってな事になっている
今年は梅雨と夏の夕立が混じったような雨の降り方、なかなか手ごわい天候で苦戦しているが
農家の宿命でそこは止むを得ない。

軽井沢で45年間過ごしてきた。正確には高崎に1年、東京に4ヶ月、原村に1年いたので
42年ちょっとということになるがほとんど田舎で暮らしてきた。常に美しい自然の中にいたのだけれど
何も意識せず、とりたててありがたくも思わず過ごしてきたのだ。

たまに都会に行くと最初のうちは新鮮でいいけど、そのうち居心地が悪くなってくる。
居心地の悪さだけじゃなく、そのうち疲れてしんどくなってくる。
いかに自然や緑や空気が心と体に影響しているのか、恩恵を受けているのかという事なのだが、
普段はそんな事も全く気にも止めず日々を費やしてしまっている(もったいないな…)

実の妹は東京に住んで久しいが根っからの都会好き、俺のセンチメンタリズムなど理解できないのだろう
鈍感って言ったら失礼だが、そういう図太さが彼女の持ち味でもあるのだ。

最近は雨の中の仕事が多いが、昔ほど苦にならなくなった。天候や野菜の出来栄えや相場、
そういうものひっくるめてありのままを受け入れることが昔より上手になったような気がする。
まあ会社組織でやってるってのもあるんだろうけど、農家っていうものを客観的に見れるようになったのは
よかったかもしれない。すべてに意味はある。

今日の午後は市場の野菜販売担当者との会議、それに引き続いての懇親会があった。
簡単に言ってしまえば、「良質の野菜を注文した数量、安定して送ってほしい」という販売担当者の要求と
「良質な野菜を生産出荷するので、それに見合った販売価格で売ってほしい」という農家の要求の
突き合わせになる。

双方が得するというバランスがベストなのだが、年間を通じてそうはいかないのが野菜取引、
相場に欲はついてまわる。市場は「品質が悪い、数量が安定してない」というクレームを出し、
農家は「良品なのに価格が見合ってない」と文句を言う
(文句も言わずに良品を黙々と作って出荷してる農家も沢山います…)
いつもここがかみ合わないところなのだが、お互い作り手のプロと売り手のプロを信じて各々の道に
精進するってことなんだと思う。今日は相手を信頼する手掛かりをつかむ親睦会ということになった。

信じてるものが失われた時が一番キツイが、それも受け入れられるようになった時本当に強くなるのかもしれないな…


今日の一曲 「Souls」 Bird  https://www.youtube.com/watch?v=K-ncyoSIFv0