上発地村から

標高934mぐらい日記

タイ ベトナム旅行記 2日目 メークロン鉄道 後編

2016年04月12日 | Weblog
満腹になり、いよいよバーンレーム駅を出発、最終目的地のメークロン駅までは34km 川を挟んでまた同じ距離の鉄路の旅だ。前半と同じような風景が続くが、電車に乗っている客は少ない。相変わらず天気は良く、車窓から入り込んでくる風は心地よい。そろそろ鉄路の旅にも飽きてきたかなというころ、終点のメークロン駅が近づいてきた。この駅なんせ線路と市場の商店が近すぎる。
早速車窓ギリギリのところに店の庇が通りすぎた。顔を出していたら完全にもっていかれるやつだ。真正面は良く見えなかったが、運ちゃんはこれでもかというぐらいに警笛を鳴らしていた。スピードは歩くぐらいゆっくりで、直前に横切ってもなんとかなる速度だ。やがて電車は木が敷いてあるホームに到着。タイ人とおぼしき観光客がカメラを撮ったりして僕らを出迎えてくれた。というか眺められてた。マハ―チャイよりももう少し賑やかな市場という感じのメークロン駅だったが、昼を過ぎた市場は朝とはまた違うマッタリとした空気が流れていた。ただすごいのは線路上に食材を置いて商売してる事。魚、肉、野菜といったあらゆるものがゴザやコンテナの上に載せたトレーなんかに乗せて売られている。S氏と相談、荷物をおいて自分達が乗って来た電車が折り返すときに店をたたむ様子を見てみようという事になった。
間もなく電車が出発、大きく警笛が鳴った。線路際の商店主は張りだしていたタ―フみたいなのをゆっくりとたたみ始め、陳列してあった食材を手際よくひっこめ始めた。相変わらず警笛はデカイ音で僕らに注意をうながす。ゆっくり僕らに近づいてきた電車は目の前に来ると思っていたより早いスピードで通過していった。つまづいて前に出たらひとたまりもない。中学生の修学旅行に来てはいけない観光スポットかもしれない。やつらはすぐふざける… 
電車が行った後もう一度市場を散策。S氏はよっぽど好きなんだろう、マンゴーを大量に購入、ホテルで大人食いするといって喜んでいた。驚いたのは荷物を置かせてもらっていた御主人の息子さんは、日本の近畿大学に留学してるとのことだった。カノム・ピヤァ(小豆饅頭)というタイの饅頭を売って日本の私立大に留学させるのはさぞかし大変なんじゃないかと思ったが、俺も頑張らねばなと反省…
空港に到着してからすでに12時間経過、そろそろ我々にも疲労が顔をのぞかせてきた。足を思いっきり伸ばして横になれることを想像しながら、今日宿泊するアムパワーの宿を目指し、メークロン駅をまずは徒歩で出発した。「ソンテウ」というトラックを改造したタクシーに乗って宿の近くまで移動。涼しくて快適なのだがシートベルトは無い。乗り込むときには最後尾の立ち乗り席(席じゃないけど)しか空いてなった。10分ぐらい乗ったかな、90円(30B)を支払い、宿の近くだという所で降ろされた。こっからはまた徒歩。S氏はベトナムで縫製してもらう材料なんかが入った大きめのスーツケースを転がしていかなければいけないのでかなりしんどい。俺もS氏の荷物を少し分担してしょっているので40Lのリュックはかなり重めだった。途中ここに住んでいる日本のご婦人を発見。見た瞬間に日本人だとわかった。一言二言会話、久しぶりにS氏以外の日本語をきいた。
そうこうするうちアムパワー川を渡る橋に到着、目指す宿はこの川のほとり。歩いているだけで気持ちが落ち着くアムパワーの古民家長屋をゆっくり時間をかけながら進むと目指す宿に到着した。緑にかこまれた素敵な宿だ。ロビーの向こうには川があり、なんの仕切りも無くオープンスタイルロビーになっている。一目惚れで気に入ってしまった。実際こんなリラックスできる宿に泊まったことが今まで一度も無い。銀コップででてきたウェルカムドリンク茶も涼しげだった。チェックインの受付はこの宿のオーナーらしき人がしてくれた。蓮の花の髪飾りにピンクのタンクトップ、黒メガネをかけて口紅をうっすらした素敵なおじさんだった。中学生の修学旅行だったら大騒ぎになる。だからあいつらを連れて来てはいけないのだ。とりあえず部屋に行き小豆色のサテンのシーツのベットに横になってしばしゆっくり。市場で買ったマンゴーを大人食いした後、シャワーを浴びてから川沿いのアムパワーの街に繰り出した。
川の水はそんなにきれいとはいえなさそうだが地元の子供達が水浴びして楽しんでいるし、繁殖力の強いウォータ―ヒヤシンスも結構浮いていた。この川のゆったり感は水質どうこうの問題では全くない。
休日には水上マーケットで賑わうらしいのだが、この日は船の店はちらほらしか来てなかった。っていうかどっからこの叔母ちゃん達はやってくるのだろうか?それは今もなぞですが…
僕らはいつものようにタイのベトナムコーヒー(ややこしや)を船に乗ったおばちゃんに注文し、コップ片手に約一時間のアムパワー川の下流につながるメークロン川ツアーに旅立った。40歳ぐらいの青シャツ船頭さんはなかなか男前でかっこいい。むき出しのいすゞエンジンを操作し、そこから長く伸びたスクリューが総勢25名のツアー客を乗せ、ウォーターヒヤシンスをかきわけながら滑りだしたのだ。

つづく

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