上発地村から

標高934mぐらい日記

タイ ベトナム旅行記 3日目 ホーチミン市場編

2016年04月15日 | Weblog
最初にも書いたとうり旅行記はナマ物だ。そろそろ賞味期限が切れてくるところだが、どうやら体験したことが強烈だったらしくかなりの塩が効いているのか、まだ生なのか…書いていても記憶がすぐ戻ってくるのでまだまだいけそうだ。

ベトナムの朝、目覚まし時計なんかセットしてなかったけど6時には目が覚めた。起きがけに昨晩買って食べたサンドイッチの残りをかじる。スペシャルサンドイッチだと言ってお姉さんは作ってくれてたけど、材料ケースにはハムもソーセージも残っていなかったからこれは残りものイッチという事だろうな、よくよく見ると具材が焼き鳥だった。そんなサンドイッチいままで食べたこと無い…
パンツ一丁から服を着て朝の街に飛び出した。細い住宅街の路地に入りホーチミンの人達の朝を見学、そこここで野菜や魚、肉、果物なんかを広げて露店で売っている。食べることが1日の始まりなんだということがここでは実感できた。並べられた食材を見てるだけですぐに食欲が刺激される。商売をやっている人は女性がほとんどなのだが、その服装やいでたちは実にシックで美しい。タイのような奔放な色使いではないが、社会主義とフランス文化と東南アジアの熱気が入り混じった独特のファッションだ。あんまり愛想がいいっていうことはないんだけど真面目に堅実にやってます感があってすごくいい。アオザイを着た女性やベトナム三度笠(ノンラー)をかぶってる人なんかもベトナムらしくってすごくよかった。
ぼくらはそこの場外市場で目覚めのコーヒーをいただくべく街角オープンベトナムコーヒー店へ。店というか道端で座ってコーヒーをいただくだけのだが、これも昨晩と同じで街の風景を観察するにはこの上無いロケーションだ。これから学校に行こうかという女学生が横を通りすぎて行った、なかなかかわいい、日本では思ったことも無い感覚だ。しばらくすると冷たい蓮茶といっしょにタイ製でない本物のベトナムコーヒーが運ばれてきた、もちろんホットだ。S氏と僕はおもむろにそれをいただく、甘くてほろ苦いそれは朝の寝ぼけた胃袋をシャキッと目覚めさせてくれてとても美味しい。
コーヒーを飲みほした後、刺激された腹を満たすべく住宅街のフォーの露店へ。まだ店は開店したてでおかあさんは用意をはじめたばかりだった。急ぐわけではなかったのでプラスチックの椅子に座って、出勤する小学生を眺めながら朝フォーがでてくるのを待っていた。細い住宅街の路地だったが出勤時間だったらしく日本でいう原付バイクが時折目の前を通り過ぎる。それに混じって宝くじ売りのおっちゃんなんかもいた。わかってるらしく僕ら観光客に異国のくじは勧めてこない。
そうこうしているうちにフォーが運ばれてきた。具材はエビと鶏肉と茹で卵、日本人だと思っておかあさんもスペシャルなトッピングにしてくれたみたいだ、味も抜群!さっきの宝くじ兄ちゃんもここで朝飯をうまそうに食べていた。
その後もう一回食後のコーヒーをいただくべく路地裏ベトナムコーヒーの露店へ、どんだけコーヒー好きなんだと思うがS氏はベトナムコーヒーだったら何杯でも飲めるって豪語していた。そこでは英語が話せるおじいちゃんと仲良くなってしばらく話し込む。俺もカタコトの英語で応戦した。S氏もベトナム語はカタコトで得意じゃないってって言ってたが俺にしてみれば十分喋ってるっての…
その後宿に戻り、体勢を整えてから、今日の仕入れに行くためタクシーに乗った。向かう先はホーチミンの問屋街ビンタン市場だ。優良タクシーはあっという間に市場に到着、まずは必用分だけ日本円をベトナムドンに交換するため両替商にむかった。1円が200ドン 100円が2万ドン 結局最後までドンの金銭感覚に馴染めないままだったが、まあ元々数字に弱いタイプなのでしかたない、俺はとりあえず1万円分を両替、200万ドンという意味不明の桁数になり思考回路はすでに破たんしていた。
S氏はここで馴染みの履物問屋に行き商材を吟味し、そのあいだ俺はまたもや市場をぶらぶら、めずらしい商材にいちいち目を奪われ面白がっていた。S氏のここでの買い付けが終わった後は次のベンタン市場まで路線バスで移動。一回乗るのに5千ドン 単位だけみると高そうだけど日本円では25円、メチャ安なのだ。そんなこんなでベンタン市場へ、お昼前の市場は熱気にあふれ、およそ社会主義国の市場には見えなかった。早速天秤棒にのっかっている生春巻きに目が行ったがそこは我慢我慢、まだまだ先は長い。ここでもS氏は買付の仕事が目的、俺はとにかくなんの役にも立たないので集合場所と集合時間を決めてから、一人ふらっと市場散策にでた。
人間の営みの基本は衣食住、売っている物も服に食材に雑貨。すべてが目を引くものばかりだったが、日本の生活には溶け込みにくいものだなと思った。そんな商品の中で日本に合うものを探し出すのがS氏の仕事、そこの目利きがプロの仕事なんだと思った。めずらしいものは使えない、そういうのは見て楽しむだけなのだ。ただベトナム料理は全然日本でも食べれそうだ。野菜の摂り方が俺の体にあってるような気がする。昨今の熱帯チックな日本の気候はベトナムの食材を欲しているのかもしれないな。そうめんばっか食ってたらダメ、薬味の野菜をもっと豊富にとらないといけないのだ。日本食材はやはり常夏の国に比べれば貧相なのかもしれない。野菜も野菜の格好してるだけで中身に力や本当の意味での栄養が無い気がする。
ただお菓子類はベトナムで食べる気がまったく起こらなかった。日本のスウィーツ、お菓子は世界一のような気がするけど、言い過ぎだろうか?素材をダイレクトに体に取り込む料理とお菓子のような技巧をこらした食べ物とではそれぞれ意味とフィールドが違うのだ。

買付はまだまだ続く

タイ ベトナム旅行記 3日目 ベトナムホーチミン夜編

2016年04月15日 | Weblog
夜九時半頃にベトナムのタンソンニャット空港に到着した。空港の明かりはどこかさびしげな感じがしたのだが、それは俺がベトナムに対して先入観を持っていたからかもしれない。飛行機では同じツアーポロシャツと同じツアー帽、同じツアーリュックを持った団体ベトナム人おのぼり客4、50人と一緒だった。この光景が社会主義国に着いたんだなっていう実感をさらに強めていた。同じリュックじゃ絶対取り違えちゃうし、ある程度の個性は認めてやらないと逆に社会が混乱してしまうってものだ。それよりも本来であれば出国カードを事前に書いて出国審査を受けるはずなのだが、事務手続きの簡略ということでそれが無かった。そっちのがよっぽど重要だと思うのだがここらへんがこの国のヌけてる感じがあって面白い。
空港を出てすぐタクシーをつかまえようと思ったのだが、そのまえに出迎えの人の多いこと多いこと。ベトナム人にとって海外旅行はまだめずらしいのかもしれない、一昔前の成田の出迎えのような風景がそにはあった。タクシーは乗り場に一列になって並んでいたのだが僕が先頭に停まっているタクシーに向かうとS氏がそれをやんわり制止した。「あれはダメだ、ハッピータクシーはボッたくるのであっちに乗ろう」と後ろの方に停まってた緑色のタクシーに向かったのだ。それでもハッピーは僕らに向けて「こっちこっちっ!」と手招きしている。後からきた客もハッピーを無視して違うタクシーに乗り込んでいた。そんなに嫌われるんだったら改心してカタギの世界に戻ればいいのにと思ったが、ヤクザな性分なんだからいたしかたない…
我々の乗ったマイリンタクシーは今晩泊まる宿に向かってのんびりホーチミンの夜の街を走っていった。聞いていたとおりバイクがこんな時間でも多く走っている。街の明かりはタイとは違い落ち着いた雰囲気の控えめな感じ、ギラギラした熱帯都市のイメージではまったくなかった。40分程で宿のあるファングーラオ通りに到着、料金はカタギ料金、運転手も真面目で紳士なお兄さんでとてもよかった。そこから少し歩き、程なく今日の宿ナックハムホテルに到着した。入口にはバイクがおいてあり手狭な感じがしたが、受付にいた兄さんは愛想がよくウェルカムな雰囲気で僕らを迎えてくれた。なんとか日本語を話そうとして僕らにしゃべりかけてくるところがなんともかわいい。部屋は外国人バックパッカーを多少意識してか、ベトナム風の家具があったり、生花が飾ってあったりしてなかなかいい。ベットは大小2つあったのだが、一泊しかできない僕が大きいほうを譲ってもらうことにした。清潔感があるその感じは日本のビジネスホテルの無機質なそれよりもはるかに宿泊客をもてなそうとする気持ちがあらわれている。やはりそういうことなのだ、もてなしの気持ちが大事。滝川クリステルも言ってたじゃないか…
軽くシャワーを浴び遅い夕飯食べに外に出て近くのフォーが食べれる食堂に入った。タトゥーの入った白人の姉さん達と相席になったが彼女達はまったく僕ら日本人に興味をしめさない。そりゃそうだろう、日本人でさえ見向きもされない僕ら(S氏はどうかわからんが)が白人女性に興味をもたれるわけないのだ。(どうもコンプレックスが付きまとうんだよな…)
そんなことはさておいて僕はビーフフォー、S氏はチキンフォーを注文した。最初につけあわせのハーブが運ばれてきたのだが、どれもこれも見たことのないような葉っぱ、後で調べてみたのだがたぶんベトナムバジル、ノコギリコリアンダー、チャイニーズセロリとキンゾイみたいのだったと思う。それにライムの山積みが一緒に出された。フォーは美味かった、さすが本場だけはある。ベトナム人からするとあそこはイマイチなんだよなってこともあったかもしれないが、日本人の僕らにとっては十分美味しいフォーだった。軽井沢で評判のたいして良くない蕎麦屋に外国人観光客が入って、「日本の蕎麦って素晴らしい」っていってるようなものかもしれないが、まあカツオの出汁にふれてれば良しととういことで、僕らのフォー体験は間違ってなかったと思う。最初の味がわかった後はちょっと冒険、さっき出されたハーブとライムを徐々に増やしてフォーの中に投入してみた。思ったほど強烈な香りではなく、逆にさわやかなハーブの香りになって、最後まで美味しくいただくことができた。隣の姉さん達はちょっと苦戦してるようだったが…
食後S氏は疲れたと言って宿に戻って爆睡。俺はもう少しだけホーチミンの夜をブラつくことにした。S氏はもう二日ここに滞在だが俺は明日の夜中には帰国しなければいけない、寝てる暇なんてないのだ。宿のすぐ近くのオープン居酒屋でサイゴンビールを注文、居酒屋というよりは、酒屋の前に簡易テーブルと椅子がいくつか置いてあって、買った酒をそこで飲んでくれっていうようなスタイルだった。だから値段も中瓶一本100円と激安、座ってビールを飲みながら通りを行く人達をぼんやり眺めていた。スルメ売りやバイクに乗ったベトナムの若いカップル、中年バックパッカー本国帰りそびれやトウモロコシ売り、ミネラルウォ―タ―をつるった白人姉さんなんかが次々と目の前を通りすぎる。街の様子が次々と変わっているようで一時間以上座っていたのだが全く一人で飽きずにいられた。それでも時間は午前0時を回っていたのでそろそろ帰らねば明日も頑張れない。ベトナム名物のフランスパンサンドウィッチとコーラを買って宿に戻った。S氏はパンツ一枚でうつぶせになって爆睡している。俺もグワングワンとうるさかったクーラーを切って扇風機だけつけてベットに横になった。明日もまだ見ぬベトナムが沢山あるなとそんなことを少しだけ考えかけていたのだがそれも束の間、思ってたよりも疲れていたようであっという間に眠りに落ちていった。

ベトナム2日目へつづく