(一部抜粋)円高・株安が止まらない。24日の東京外国為替市場の円相場は、一時、15年2か月ぶりの円高水準となる1ドル=84円45銭まで上昇した。
東京株式市場も、日経平均株価(225種)の終値は前日比121円55銭安の8995円14銭と、約1年4か月ぶりに終値で9000円を割った。午後5時前に野田財務相が緊急記者会見を開いたが、有効な円高対策は示されず、ロンドン市場とニューヨーク市場で15年ぶりに1ドル=83円台まで急騰した。ニューヨーク市場では一時、1ドル=83円58銭まで円が買い進まれ、対ユーロでも一時、1ユーロ=105円44銭と9年ぶりの円高水準をつけた。ニューヨーク株式市場では日本や欧州での株価下落を受け、ダウ平均株価(30種)の下げ幅が一時、前日比180ドルを超え、取引時間中としては、7月7日以来、約1か月半ぶりに1万ドルの大台を割り込んだ。市場では、「世界同時株安の恐れも投資家の間に広がっている」(米アナリスト)と先行き懸念が強まっている。
「どこまで円高が進めば政府・日銀が焦るのか、市場は試しにかかっている」
市場関係者は、前日の菅首相と日銀の白川方明総裁の電話会談で具体的な円高対策が示されなかったことを踏まえ、言い放った。
政府の無策ぶりをクローズアップさせたのが、午後4時55分からの野田財務相の緊急記者会見だった。野田氏は、急激な円高・株安を「明らかに一方向に偏った動きだ」と論評。だが、肝心の対応策は、「市場の動向には重大な関心を持って極めて注意深く見守っていきたい」と述べるにとどまった。記者団から為替介入の可能性を問われても、「コメントしない」と明言を避けた。
日本政府は思い切った円高対策を打ってこない――。市場は、日本の為替介入への警戒感が薄れたと見て、会見終了後、20分足らずで60銭近くも円高が進んだ。24日夜に入り、ロンドン市場では一時、83円70銭台まで買われた。円高を食い止めるはずの野田氏の「口先介入」の効果は不発に終わった格好だ。
産業界からは、政府の無策ぶりに対する恨みの声が出ている。
東京証券取引所の斉藤惇社長は記者会見で、「中国なんて堂々と介入している。スイスも2回くらいやっている。自分が生きるために必死なことをやるのは当たり前だ」と吐き捨てた。
市場では、野田氏ら菅政権の円高に対する一連の発言について「注意深く見守るというのは、何もしないのと同じに受け止められた。しゃべらない方が良かった」(日興コーディアル証券の西尾浩一郎氏)との厳しい評価が広がっている。 (続きあり)(2010年8月25日01時48分 読売新聞)
23日の首相と日銀総裁の電話会談はわずかに15分だったとか。 24日、こんな中、菅首相は熱心に代表選への根回しをやっていたらしく、 野田財務相が会見を開いたものの、「注意深く見守っていきたい」(要するに見ているだけ)と言っただけ。25日になってようやく、財務相は「適切な対応をとる」との介入言及発言をしたらしい。
首相、財務相共に事態の深刻さも何をすべきなのかも、何もわかっていないのではないか。政府の国政へのこの無策無能、鈍さはなんだろう。 (4月の口蹄疫への対応の遅さもひどいものだった)
この政府が日本を沈ませている。