「奥の細道」より
半紙
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五月雨の空聊(いささか)はれて、
夕月夜(ゆふづくよ)幽(かすか)に、
籬が島もほど近し。
【口語訳】
五月雨の空もすこし雲が切れ
夕月がほのかに光って
籬が島も近くに見渡される。
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この後で、いよいよ松嶋へと赴くのだが、
松嶋の部分は、
高校の古文の教科書にも必ずといっていいほど載っている、名文。
ただ、気合いが入りすぎて、漢文調になっています。
それに比べて
こういう部分は、どうということない文章ですが、
あっさりとした淡彩の美しさがあります。