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一日一書 864 奥の細道(かつみかつみ)・芭蕉

2016-04-19 17:59:25 | 一日一書

 

「奥の細道」より

 

半紙

 

 

かつみ刈(かる)比(ころ)も、やゝ近うなれば、

いずれの草を花かつみとは云(いふ)ぞと、人々に尋(たづね)侍(はべれ)ども、

更(さらに)知(しる)人なし。

沼を尋(たづね)、人にとひ、「かつみかつみ」と

尋ありきて、日は山の端(は)にかかりぬ。

 

 

 

【口語訳】

かつみを刈るころも、もうそう遠いことではないから、きっとこの辺で見つかるに違いないと、

どの草を花かつみというのかと、土地の人々に尋ねまわったが、

一向に知っているものがいない。

沼のほとりをさがし歩き、人に問い、「かつみ、かつみ」と尋ねまわっているうちに、

日は早くも山の端に傾いてしまった。



「かつみ」というのは、古くは真菰(まこも)の異名だったのが、

芭蕉の頃には、「あやめ」の一種をさしていたらしいのですが

まだ当時はそれもはっきりしていなかったとのこと。

で、「かつみ、かつみ」と尋ねてまわるということになったというわけです。

 

何だか、最近のぼくみたいで、おかしいです。

 

 

 

 


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