Yoz Art Space

エッセイ・書・写真・水彩画などのワンダーランド
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一日一書 1001 送元二使安西・王維

2016-09-30 17:04:22 | 一日一書

 

王維

 

送元二使安西

 

半紙

 

 

  送元二使安西

 

渭城朝雨浥軽塵 

客舎青青柳色新 

勧君更尽一杯酒 

西出陽関無故人 

 

 

  元二の安西に使いするを送る

 

渭城(いじょう)の朝雨(ちょうう)軽塵(けいじん)を浥(うるお)す

客舎(かくしゃ)青青(せいせい)柳色(りゅうしょく)新たなり

君に勧む更に尽くせ一杯の酒

西のかた陽関を出れば故人無からん

 

 

 

唐の時代、友人が旅に出るときには

渭城(長安の対岸にあった町)まで見送る風習がありました。

そこの宿屋で一泊して、酒を飲んだわけです。

「西」とは「西域」のこと。

辺境の地へ旅立てば、無事帰れるかどうかも分からなかったわけです。

「陽関」とは西域への関所、「故人」とは古い友人の意です。

 

 

 

 

 

 


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一日一書 1000 慶

2016-09-29 09:27:38 | 一日一書

 

 

慶(金文)

 

半紙

 

かずら筆

 

 

この「一日一書」も通算1000回目。

いちおう、めでたいので「よろこび」の意味のある「慶」の字を。

 

第1回が、「毛筆の手紙」で2013年2月14日。

1000まで、約3年半ということになります。

「一日一書」と言いながら、約1300日で1000ですから

一日0.77書ぐらい? 計算あってるかな?

 

最初のうちは、自分の書だけというのではなくて

師匠の書だったり、街の看板だったり

気に入った書も取り上げていたのですが

いつからか、自分の書だけになりました。

 

最近では、書だけではなく

水墨画も入れています。

 

振り返ってみると、いろいろな実験をしていますが

あっちへとんだり、こっちへとんだり

まったく方向性が定まっていません。

 

こちらは、1000で区切りということもなく

今後も実験をしながら続けていくつもりです。

どうぞよろしくお願い致します。

 

 

 

 

 

 


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一日一書 999 賢

2016-09-28 15:52:41 | 一日一書

 

賢(金文)

 

半紙

 

かずら筆

 

 

かずら筆は、植物で出来ているので

普通の動物の毛で作った筆より長持ちしないのです。

けれども、この筆で書くといろいろな線が出るので

おもしろくて、つい使ってしまいます。

 

家には、大・中・小のセットが、4セットあるのですが

まだ、そのうちたった3本しか使っていません。

その3本は劣化が激しいのですが

それがかえってまたおもしろい線を出すので

そのまま使っています。

 

この筆を作っているのは、福岡県京都郡みやこ町犀川に住む

村上さんという方。

去年、直接に電話をして、3セット注文したのですが

こういうものを作っている方は高齢だろうから

今年もお元気だろうかと思って、電話をしたところ

体調が悪くて、もう作れないとのこと。

でも3セットぐらいなら何とか残っていると思うと

奥様らしい方がおっしゃるので注文しました。

けれども、それから2週間ほど経ったのですが

まだ品物は届いていません。

もう、二度と手に入らないかもしれないと思うと

新しい筆を使えません。

古くて、痛んだかずら筆で、相変わらず書いています。

 

 

 

 

 


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一日一書 998 激突!

2016-09-27 17:37:17 | 一日一書

 

激突! 

 

スティーブン・スピルバーグ監督

 

半紙

 

かずら筆

 

 

 

もう1点。

 

 

 

 

見た回数からいうと、この映画が一番多い。

何回みたか数えてないけど、30回ぐらいだろうか。いや、もっとかも。

 

最初、劇場封切りでみて、ほんとうに驚いた。

何という映画、何という監督。

これが、アメリカで、テレビ映画として作られたこと、

監督のスピルバーグというのが、まだ27歳ぐらいだって聞いて更にびっくり。

 

カット割りまで、ほとんど覚えるくらい見た。

何度みても、感心する。

ほんとうの才能がここにある。

スピルバーグのその後は、ジョーズは好きだけど

あとは、それほどおもしろくない。

別に嫌いじゃないけど、また全部見てるわけじゃないけど

「激突!」さえあればいい、と思っている。

 

原題は「DUEL」(対決)。

そのほうが、「正しい」。

「激突!」っていうのは、ちょっと変だけど、まあいいか。

書には、両方書いてみました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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一日一書 997 ベニスに死す

2016-09-26 19:21:35 | 一日一書

 

ベニスに死す

 

ルキノ・ビスコンティ監督

 

ダーク・ボガード 

ビヨン・アンドルセン

シルバーナ・マンガーノ

 

 

半紙

 

かずら筆

 

 

この映画題名シリーズは、「日本映画ベストテン」のつもりだったのですが

そんなのどこかへ行ってしまいました。

 

全映画の中で、たぶん、この映画が一番好きです。

何度見ても飽きません。

 

でも、封切りで見ることができなかった。

あっという間に打ち切られたからです。

その点では、「神々の深き欲望」と同じです。

ぼくが最初にこの映画を見たのは、封切りから半年以上もたったころ

新宿の東映だったと思います。

映写の最後、海岸のシーンで、古くなったフィルムが切れてしまい中断したのを

今でも鮮明に覚えています。

 

冒頭の海のシーンから流れるマーラーのアダージョが忘れられない印象を残します。

 

美少年役として抜擢されたビヨン・アンドルセンが当時話題になりましたが

この映画では、それよりも、ダーク・ボガードが圧倒的に素晴らしい。

老いてなお、あくことなき「美」への耽溺が、痛ましく悲しい。

 

パゾリーニの映画でもおなじみの

シルバーナ・マンガーノの妖艶さも素晴らしい。

消毒液の匂いが感じられるような、ペストの蔓延するベニスの街の映像も魅力的。

 

ビスコンティの映画は、たくさん見ましたが

やっぱり、これが最高です。

 

 

 

 

 

 

 


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