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一日一書 863 奥の細道(栗といふ文字は)・芭蕉

2016-04-18 16:22:51 | 一日一書

 

「奥の細道」より

 

半紙

 

 

栗といふ文字(もんじ)は、西の木と書(かき)て、西方浄土に便(たより)ありと、

行基(ぎょうき)菩薩の、一生、杖にも柱にも此の木を用(もちひ)給(たま)ふとかや。

世の人の見付(みつけ)ぬ花や軒の栗

 

【口語訳】

栗という字は、上・下に分けると西の木と書いて、西方にある極楽浄土に関係があるとして

行基菩薩が一生の間、杖にも柱にもこの木を使われたとかいうことである。

▼地味な目立たない栗の花は、世人の目にとまらぬ花であるが、その栗の花を愛し

軒端に咲かせているこの庵の主人も、世を避け、世に隠れ住んで、世の人の目にとまらない人で

いかにもゆかしいことである。

 

 

白川の関を越えて、「須賀川」という宿駅に着いた芭蕉は、そこで宿駅の駅長と曾良とで

連句を作ります。その宿駅に、世を忍んで住む僧がいたので、その僧の境地を想像して書いた文と作った句。

 

「栗」が「西の木」で、だから「西方浄土と縁がある」という考え方は初めて知りました。

おもしろい。

 

今回、何の気なしに「奥の細道」を書き始めたのですが、

読み進めると、実は、ぼくはこの「奥の細道」をちゃんと通読していないことに

今更ながら気づいたのでした。

それなら、通読しながら、しばらくは、「奥の細道」シリーズを続けることにしようと思っています。

 

あんまり有名じゃない部分も書いてみようかと

思っています。

 

 

 

 

 

 

 


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