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一日一書 860 奥の細道(心許なき日かず)・芭蕉

2016-04-14 19:32:09 | 一日一書

 

「奥の細道」より

 

半紙

 

 

心許(もと)なき日かず重(かさぬ)るまゝに、

白川の関にかかりて、旅心定まりぬ。

 

【口語訳】

なんとなくあわただしく、心落ち着かない旅の毎日を続けているうちに

白川の関までやってきて、やっと旅に徹する心に落ち着いてきた。

(日本古典文学全集・小学館)

 

 

「白川の関」は古来の歌枕。

多くの歌人がここを歌に読んできたのでした。

「風雅」の道を志した古人に思いを馳せ

芭蕉も、やっと「旅に徹する心」を獲得したということでしょうか。

 

人生が旅ならば、ぼくらにとっての「白川の関」が、それぞれにあるはずです。

それは、もう越えてきてしまったのか、それともこれからなのか。

そういう思いに誘う「奥の細道」の奥はどこまでも深く続いていきそうです。

 

 


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