顎鬚仙人残日録

日残りて昏るるに未だ遠し…

赤い針金で梅の害虫防除?

2017年08月01日 | 水戸の観光
偕楽園や弘道館の梅の木に赤い針金が結び付けられているのをよく見かけます。枝の誘引でもないし、何かの目印?と気になっていましたが、ようやく解決しました。
これは雌が雄を呼び寄せる性ホルモンを利用した交信撹乱剤という製品です。

ある時期コスカシバという害虫の雄は、雌が出す性ホルモンを頼りに雌を見つけ交尾して子孫を増やしますが、人工的に作り出したこのフェロモンを、強力に多量に塗り込めた針金を置いておくと、園内に漂う高濃度のフェロモンに雄は混乱し、雌にたどり着けずに死んでしまい、その結果次第に園内の害虫が減っていくというものです。
もともと自然界にある匂いのため、人畜、作物を含めたすべての環境に安全で、また殺虫剤とちがい目的の害虫にだけ効果があり、周囲の生態系に影響が少なく、効果も24時間途切れることなく、数ヶ月持続します。
強力な農薬により根絶するのでなく、天敵などはそのままで絶対数を減らすという自然に優しい防除方法ですが、何故か同じオスとしていささか同情を禁じえません。

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