スウェーデンの今

スウェーデンに15年暮らし現在はストックホルム商科大学・欧州日本研究所で研究員

クリスマス休暇に交通はさらに混乱

2010-12-27 00:59:45 | スウェーデン・その他の社会
11月以降、氷点下となる日が多かった今年の冬は、クリスマス休暇に入り、さらに激しさを増した。24日のクリスマス・イヴにあわせて実家や家族・親類のもとに戻る人が多いため、22日と23日はスウェーデンの鉄道や道路が一年で最も混み合う日となる。

そんなときにまた新たな寒波がやって来た! 南部スコーネ地方や東部沿岸部では警報も発令。道路は一部では除雪が間に合わなかったり、凍結がひどかったりしたために閉鎖された。雪がひどいときは、除雪してもすぐに再び雪が路上に積もってしまう。そんなときは、一時通行止めにしておき、車がある程度集まったところで、除雪車を先頭コンヴォイ(convoy)を作って皆で一緒に蟻の行列のごとく移動する。

一方、鉄道はこれまで書いたようにメンテナンス不足や冬の備えが十分ではないなど様々な問題が積み重なっており、さらなる追い討ちとなった。


ヨーテボリの地元紙より
(ただし写真はアーカイブから。改良前のX2000なので5年以上前のもののようだ)


22日には交通庁(鉄道路線網と道路網を管理)の広報担当者が「出かける場合は十分な準備をしておくように。時間も大幅に余裕を持ちましょう。寒さに備えて上着もたくさん用意しておきましょう。暖房が切れれば、寒くなるのは時間の問題です」という異例の警告を一般市民に対して、メディアを通じて発していた。たしかに、車で立ち往生したときは大変だ。いや、鉄道にしても暖房が効いているうちはいいが、架線が切れて停電でもすれば暖房も機能しなくなる。

実際に23日の昼間、起きた。ストックホルムから西に向かったところで架線が切断。列車が立ち往生してしまった。急速に車内の温度が低下するなか、国鉄SJはディーゼル機関車をわざわざ引っ張り出して現場まで急行したという。この22日と23日は通常以上にトラブルが多発。例えば、気温の極端な低下で線路が脆くなっているところを(整備不良の?)列車が走り、線路が割れるということもあったし、南部では天候悪化でマルメとヘルシンボリ間で運転を一時見合わせた。旅客数が一年で一番多い日とあって、影響を受ける人の数もそれだけ多くなる。マルメ-ヘルシンボリ間が再開したときには、駅に溢れかえった乗客を少しでも多く輸送すべく、ありったけの列車を立て続けに投入して数分間隔で運行したのだとか。

下は、23日14時過ぎのストックホルム駅の状況。ストックホルム駅に到着する予定の列車一覧だ。どれもこれも大幅な遅れだ。定刻の到着時刻がまず書いてあり、そのあとに太字遅着予定時刻が書いてある。例えば、最初の列車は遥か北方のキルナからの列車だが、10:02に到着予定にもかかわらず大幅に遅れており、この時点では15:10に到着予定だという。また、遅れている理由も簡単に書かれているが、それぞれ様々で見ていて笑ってしまう。

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2 コメント

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SJ用語集 (H.Usui)
2011-01-01 18:53:55
明けましておめでとうございます。昨年は飛躍の年でしたね。良い仕事をなさいまして、日本にとって良かったと思います。
この一覧表はSJのwebsiteにでも出ているのですか、JRはやっていませんね。
理由のス語はこのまま単語帳に移してこう言う時にはこうい言うのだと現地で掲示などを見る時に役立ちますね。ス語は簡明ですが、過ぎるくらいですね。
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Unknown (Yoshi)
2011-01-04 19:57:24
明けましておめでとうございます。
一覧表は鉄道路線網を管理している「交通庁」のHPからです。SJも自身のホームページで公開していますが、交通庁ではSJ以外にも乗り入れしている他社の列車の運行状況も見ることができます。
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