5月1日は「första maj(フォシュタ・マイ)」、英語で言うメーデーだ。スウェーデンを始めとする多くの国では休日となっている。
スウェーデンでは全国各地でデモ行進が行われる。しかも、社会民主党や左党など、それぞれのグループごとに独自のデモ行進が行われるのだ。行進の後には演説集会が開かれる。
首都ストックホルムでは今年は5つのグループがそれぞれのデモ行進を行った。
・社会民主党
・左党
・シンディカリスト・グループ
・共産主義者グループ
・アナーキスト・グループ
最初の2つは国会に議席を持つ国政政党だが、あとの3つは小規模の、いわゆる極左といわれる集団だ。旧共産党である左党とは独自の政治運動を展開している。シンディカリストやアナーキストなどは主に若者からなるが、特に後者のグループなどは、脅迫や暴行、破壊などの犯罪行為に多かれ少なかれ手を染めていると言われる。
一番オーソドックスなのは社会民主党のデモ行進。社会民主党は、ブルーカラー系労働組合のまとめ役であるLOとともに行う。

デモの終点はLO本部。ここで演説集会が行われる。
左党のデモ行進も規模が大きい。

カメラマンの遊び心。左党のデモ行進をバックに「ここは左側通行」という標識を写している。 写真の出展:SVT
以下はヨーテボリにおける社会民主党のデモ行進。

デモ行進には警察も警備にあたる。先導するのはヨーテボリ名物の「自転車警察隊」

今年の社会民主党のスローガンは「Frihet kräver rättvisa(自由には正義(公正)が必要だ!)」

犬もデモ行進、というより、デモ行進のついでに犬の散歩、なんて考えた飼い主に連れられた可哀想な犬!?
写真は私自身が撮影
今年は社会民主党の党首であるMona Salin(モナ・サリーン)がヨーテボリにて演説を行った。演説では、政党の政治アジェンダと、その時点で特に強調したい政治的テーマが主張される。モナ・サリーンは与党の政策を批判するとともに、今年は「人手不足の業種のために、失業者に対する職業訓練にもっと力を入れるべき」との自党の政策方針を展開した。メーデーは単に労働者の日を祝うだけではなく、このように政策批判・政策主張の場でもあるのだ。
SVTの動画
メーデーというと、左派系の政治グループの晴れ舞台だが、近年では中道・右派系の政党も自分たちのデモ行進を行ったりもしているようだ。特に保守(穏健)党などは、2003年以来、自分たちを「労働者のための新しい党」と称しているので、メーデーにも自党の存在感を見せようとしている。彼らのスローガンは「Titta uppåt, himlen är blå!(見上げてご覧、空は青いよ!)」。青は、保守党および右派政党のシンボル・カラーなのだ。
公共ラジオP1では、保守党の党官房であるPer Schlingmann(パー・シュリンマン)が自党の「メーデー演説」を行っていた。
私が思うに、これは良い傾向ではないだろうか。 左派政党だけでなく、中道・右派の政党も政治主張に加わっていく。社会構造が多様に変化した今、メーデーが“労働者”だけでなく、様々な立場の人が意見を言い合える場になっていけばいいな、と思う。
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社会民主党は昔から「国際的連帯」をスローガンの一つに掲げているので、デモ行進には様々な国の旗を掲げるのだが、今年は興味深いことに中国の旗はなかった。また、南部のある町で演説したLO代表は国際的な労組のキャンペーン“Catch the flame”にも触れて「中国の独裁政権に対抗すべき」とも述べていたそうだ。
スウェーデンでは全国各地でデモ行進が行われる。しかも、社会民主党や左党など、それぞれのグループごとに独自のデモ行進が行われるのだ。行進の後には演説集会が開かれる。
首都ストックホルムでは今年は5つのグループがそれぞれのデモ行進を行った。
・社会民主党
・左党
・シンディカリスト・グループ
・共産主義者グループ
・アナーキスト・グループ
最初の2つは国会に議席を持つ国政政党だが、あとの3つは小規模の、いわゆる極左といわれる集団だ。旧共産党である左党とは独自の政治運動を展開している。シンディカリストやアナーキストなどは主に若者からなるが、特に後者のグループなどは、脅迫や暴行、破壊などの犯罪行為に多かれ少なかれ手を染めていると言われる。
一番オーソドックスなのは社会民主党のデモ行進。社会民主党は、ブルーカラー系労働組合のまとめ役であるLOとともに行う。

デモの終点はLO本部。ここで演説集会が行われる。
左党のデモ行進も規模が大きい。

カメラマンの遊び心。左党のデモ行進をバックに「ここは左側通行」という標識を写している。
以下はヨーテボリにおける社会民主党のデモ行進。

デモ行進には警察も警備にあたる。先導するのはヨーテボリ名物の「自転車警察隊」

今年の社会民主党のスローガンは「Frihet kräver rättvisa(自由には正義(公正)が必要だ!)」

犬もデモ行進、というより、デモ行進のついでに犬の散歩、なんて考えた飼い主に連れられた可哀想な犬!?
写真は私自身が撮影
今年は社会民主党の党首であるMona Salin(モナ・サリーン)がヨーテボリにて演説を行った。演説では、政党の政治アジェンダと、その時点で特に強調したい政治的テーマが主張される。モナ・サリーンは与党の政策を批判するとともに、今年は「人手不足の業種のために、失業者に対する職業訓練にもっと力を入れるべき」との自党の政策方針を展開した。メーデーは単に労働者の日を祝うだけではなく、このように政策批判・政策主張の場でもあるのだ。
SVTの動画
メーデーというと、左派系の政治グループの晴れ舞台だが、近年では中道・右派系の政党も自分たちのデモ行進を行ったりもしているようだ。特に保守(穏健)党などは、2003年以来、自分たちを「労働者のための新しい党」と称しているので、メーデーにも自党の存在感を見せようとしている。彼らのスローガンは「Titta uppåt, himlen är blå!(見上げてご覧、空は青いよ!)」。青は、保守党および右派政党のシンボル・カラーなのだ。
公共ラジオP1では、保守党の党官房であるPer Schlingmann(パー・シュリンマン)が自党の「メーデー演説」を行っていた。
私が思うに、これは良い傾向ではないだろうか。 左派政党だけでなく、中道・右派の政党も政治主張に加わっていく。社会構造が多様に変化した今、メーデーが“労働者”だけでなく、様々な立場の人が意見を言い合える場になっていけばいいな、と思う。
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社会民主党は昔から「国際的連帯」をスローガンの一つに掲げているので、デモ行進には様々な国の旗を掲げるのだが、今年は興味深いことに中国の旗はなかった。また、南部のある町で演説したLO代表は国際的な労組のキャンペーン“Catch the flame”にも触れて「中国の独裁政権に対抗すべき」とも述べていたそうだ。