私の住むヨーテボリ市は、環境問題解決や持続可能な社会発展への取り組みに大きな貢献をした人々をたたえる「ヨーテボリ国際環境賞」(2007年からは「Göteborgspriset för hållbar utveckling(持続可能な発展のためのヨーテボリ賞)」)を1999年に設け、スウェーデン内外の様々な分野の人々を毎年、表彰してきた。
2007年はアル・ゴアが受賞し、ヨーテボリ市内の大ホールで盛大な受賞記念パーティーが開かれた。その前年の2006年には、ハイブリッドカー、プリウスを開発したトヨタの日本人技術者3名が受賞したことも記憶に新しい。
私は幸い、両年とも受賞式典に参加できたが、プリウスの日本人技術者が受賞したときの式典では、ヨーテボリ・シャルマシュ工科大学のもと学長で、今はヨーテボリに本社を置くボルボ(Volvo)のバス・トラック部門の技術部長を務める教授が記念講演したのを覚えている。
彼は、トヨタに対してライバル意識を燃やしていたのだろうか。「ボルボのトラックやバス、ゴミ収集車もあと数年すればハイブリッドになる!」と、その当時ボルボで行われていた技術開発を紹介したのだった。
これには、私もなるほど!と思った。 乗用車だけでなく、市バスやゴミ収集車にもハイブリッド技術を活用する。確かに、発進と停車をこまめに繰り返すバスやゴミ収集車こそ、ハイブリッドはぴったりかもしれない。ゴミ収集車は、収集作業中は電力が必要であるため、エンジンをアイドリングしている。あれが無くなれば、市内の騒音や大気汚染はさらに減るかもしれない。
あれから時間が経ち、ハイブリッド・バスの登場はいつかな?と心待ちにしていたが、4月末、待ちに待ったニュースを目にした。
「全世界でヨーテボリがまず最初! ボルボ(Volvo)のハイブリッド・バス」(バスに書かれた文字)
外見は、ヨーテボリの他の市バスとまったく同じ。しかし、このバスにはディーゼル用と電気用の2つのエンジンが取り付けられている。そして、天井にはバッテリー。
ドライバーがブレーキを踏むと、運動エネルギーが電力に変わり、バッテリーに蓄えられる。その後、停留所から発進するときには電気モーターが作動する。そして、バスが時速20kmを超えるあたりから、ディーゼルエンジンが起動し、電気モーターに代わって推進力を生み出す。
ディーゼル燃料の消費量は3割減。また、窒素酸化物や微粒子の排出量も通常のディーゼルバスに比べ、4割から5割は抑えられるという。
このハイブリッド・バスの開発には5年の年月がかかり、その試作車が今月からヨーテボリ市内のバス路線に実際に投入され、様々なテストが行われる。大量生産が始まるのは、1・2年後。しかし、スイスやルクセンブルグからは既に注文が入っているそうだ。
しかし、このような新製品の開発も、ボルボだけが一方的に進めてきたわけではない。それを利用するお客さん、つまり、ヨーテボリ地域の公共交通とのタイアップがあってこそ、可能になったものだ。
ヨーテボリの市バスや、ヨーテボリを含むヴェストラ・ヨータランド県の公共交通を管理する公社Västtrafik(ヴェストトラフィーク)は、これまでも様々な取り組みを行ってきた。例えば、市バスの多くには天然ガスやバイオガスを燃料とするガス車が導入され、使われる燃料も近年は天然ガスではなく、下水処理場から出る汚泥や、家庭やレストランなどから出る生ゴミで作ったバイオガスへと切り替えが行われてきた。
このハイブリッド・バスは、ディーゼルと電気の組み合わせだが、ディーゼル燃料にはバイオ・ディーゼルを用いることもできる。
公共交通公社Västtrafik(ヴェストトラフィーク)の目標は、2020年までに化石燃料の消費量を9割削減すること。そのため、バイオガスの積極的な活用や、このハイブリッド・バスの導入は、その目標達成に向けた着実な前進なのだ。
2007年はアル・ゴアが受賞し、ヨーテボリ市内の大ホールで盛大な受賞記念パーティーが開かれた。その前年の2006年には、ハイブリッドカー、プリウスを開発したトヨタの日本人技術者3名が受賞したことも記憶に新しい。
私は幸い、両年とも受賞式典に参加できたが、プリウスの日本人技術者が受賞したときの式典では、ヨーテボリ・シャルマシュ工科大学のもと学長で、今はヨーテボリに本社を置くボルボ(Volvo)のバス・トラック部門の技術部長を務める教授が記念講演したのを覚えている。
彼は、トヨタに対してライバル意識を燃やしていたのだろうか。「ボルボのトラックやバス、ゴミ収集車もあと数年すればハイブリッドになる!」と、その当時ボルボで行われていた技術開発を紹介したのだった。
これには、私もなるほど!と思った。 乗用車だけでなく、市バスやゴミ収集車にもハイブリッド技術を活用する。確かに、発進と停車をこまめに繰り返すバスやゴミ収集車こそ、ハイブリッドはぴったりかもしれない。ゴミ収集車は、収集作業中は電力が必要であるため、エンジンをアイドリングしている。あれが無くなれば、市内の騒音や大気汚染はさらに減るかもしれない。
あれから時間が経ち、ハイブリッド・バスの登場はいつかな?と心待ちにしていたが、4月末、待ちに待ったニュースを目にした。
「全世界でヨーテボリがまず最初! ボルボ(Volvo)のハイブリッド・バス」(バスに書かれた文字)
外見は、ヨーテボリの他の市バスとまったく同じ。しかし、このバスにはディーゼル用と電気用の2つのエンジンが取り付けられている。そして、天井にはバッテリー。
ドライバーがブレーキを踏むと、運動エネルギーが電力に変わり、バッテリーに蓄えられる。その後、停留所から発進するときには電気モーターが作動する。そして、バスが時速20kmを超えるあたりから、ディーゼルエンジンが起動し、電気モーターに代わって推進力を生み出す。
ディーゼル燃料の消費量は3割減。また、窒素酸化物や微粒子の排出量も通常のディーゼルバスに比べ、4割から5割は抑えられるという。
このハイブリッド・バスの開発には5年の年月がかかり、その試作車が今月からヨーテボリ市内のバス路線に実際に投入され、様々なテストが行われる。大量生産が始まるのは、1・2年後。しかし、スイスやルクセンブルグからは既に注文が入っているそうだ。
しかし、このような新製品の開発も、ボルボだけが一方的に進めてきたわけではない。それを利用するお客さん、つまり、ヨーテボリ地域の公共交通とのタイアップがあってこそ、可能になったものだ。
ヨーテボリの市バスや、ヨーテボリを含むヴェストラ・ヨータランド県の公共交通を管理する公社Västtrafik(ヴェストトラフィーク)は、これまでも様々な取り組みを行ってきた。例えば、市バスの多くには天然ガスやバイオガスを燃料とするガス車が導入され、使われる燃料も近年は天然ガスではなく、下水処理場から出る汚泥や、家庭やレストランなどから出る生ゴミで作ったバイオガスへと切り替えが行われてきた。
このハイブリッド・バスは、ディーゼルと電気の組み合わせだが、ディーゼル燃料にはバイオ・ディーゼルを用いることもできる。
公共交通公社Västtrafik(ヴェストトラフィーク)の目標は、2020年までに化石燃料の消費量を9割削減すること。そのため、バイオガスの積極的な活用や、このハイブリッド・バスの導入は、その目標達成に向けた着実な前進なのだ。