スウェーデンの今

スウェーデンに15年暮らし現在はストックホルム商科大学・欧州日本研究所で研究員

ウォー、落ちる、落ちーるー!

2006-05-24 05:10:09 | スウェーデン・その他の経済
ジェットコースターのことでも、ダイビングのことでもありません。株式市場の話

スウェーデンの企業は2004年、2005年と業績を伸ばし、株価もそれに応じて上昇してきていた。私も貯金のほとんどを投資信託にしている。年始めに買ったのは「スウェーデン中小企業」「ノルウェー資源・IT関連」。両方とも、過去3ヶ月の間に20%も成長してきていた。シメシメ。

ところが先週、ガクンと一発、痛いのがやってきた。4%近い暴落だ。スウェーデン経済も頭打ちか・・・? いやいや、2006年のうちはまだ大丈夫という分析をその前の週に読んでいた。まだ、売らない。

その二日後、またガクンと一発。今度も3%を上回る暴落。まだ落ちるか。いや、もう大丈夫だろう! これから上に向かうはず! 結局、手放さなかった。

そして、月曜日。ウォー、落ちる、落ちーるー! なんと、5.3%、まるまる急降下! ストックホルムの株式インデックスによると、今年始めからの上昇分が、ほとんどパーになったとのこと。現代の歴史の中でもかなり大きな下落幅。こんな風に3段階で落ち続けるのなら、私も最初に手放して置けばよかった。でも、後の祭り。でも、不可解なのは、これといった要因が見つからないこと。ある新聞は、これまで株価が過大評価されていたから、と書くものの、スウェーデン企業の業績は総じてよく、ファンダメンタルズはあるから、あまり納得できない。別の新聞は、最近の石油価格高騰が原因だ、と説明する。あるいは、他の新聞は、半ばやけくそで「株式市場が一時的に風邪を引いてしまったから」と書いてみたり。

ストックホルム市場のインデックス(過去1年間)

スウェーデンでは、個人投資家が直接、もしくは投資信託を通じて、株を保有している率が世界的に見てもかなり高く、株価の変動に対して、彼らが過剰に反応して売り買いするので、小さな変動でもそれが増幅されて、今回の大きな下落をもたらしているとも言えそうだ。

とにかく、私の小さなポートフォリオは、それまでの+20%が、たったの1週間で一気にマイナスに転じていた。決断せねばならない。もう、下がるだけ下がったか・・・? もし、そうだとしたら、そして、スウェーデン(北欧)経済がまだしっかりしているのなら、再び上昇するはず。それなら、今が買い時じゃないのか・・・?

いろいろ考えた挙句「ノルウェー資源・IT関連」を買い足すことにした。もともと、元手も小さく失うものはあまり無い。それに、原油価格高騰が原因ならば、石油輸出国のノルウェー株は再び上がってくるに違いない。「KÖP」(買い)のボタンを押す。

今日、火曜日はなんと一転。5.5%の急上昇。キター。電車男じゃないけれど、読みが当たりました。このまま上昇して、暴落以前の水準に戻ってくれれば、いいのだけれど。

ちょっとしたギャンブルの話でした。