スウェーデンの今

スウェーデンに15年暮らし現在はストックホルム商科大学・欧州日本研究所で研究員

ノルウェー国境の町 Stromstad

2005-06-04 06:46:40 | コラム
計量経済学IIの試験は無事終わったものの、前回は即日発表だった結果が今回は長引いている。多分大丈夫だと思うものの、早く結果を知りたい。何週間も結果を待つ宝クジよりも、その週のうちに結果がわかる宝クジのほうが好きだ。

それにしても、Panel dataのrandom effect modelとか、複数等式にfeasible general least squareを適用したり、連立方程式に3-stage least squareを使って推計するモデルを、手計算で解かせるのはやめてほしい。もちろん、電卓持込なのだけど、時間が膨大にかかるし、途中で一つでも計算ミスをすれば、すべてが狂ってくる。なので、たとえ計算ミスをしても、本質をちゃんと理解していることを示すために、行列の式計算を途中途中に示しておいた。

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試験は午前中に終わり、そのまま帰宅して来週にあるマクロIIの試験に備えようと思ったものの、気持ちを切り替えるために、ふとフラっと遠出をしてみたくなった。現在使っている鉄道の定期はヨーテボリ県全域で乗り放題なので、ヨーテボリから西海岸に沿ってノルウェー国境近くのStrömstadに足を運んでみることにした。こうやって、ほんの思いつきで今まで行ったところのない所へ行くというのは、いくら同じスウェーデン国内でどこもあまり変わらないと分かっていても、未だにワクワクする。



ストックホルム沖合いの諸島群と同じように、ヨーテボリ北方の西海岸にも小さな島があちこちに散在していて、とても風光明媚だ。でも、この日はあいにく曇り。電車で3時間ほどで西海岸線の終点Strömstadに着く。小さな港町で、漁業のための漁港というよりも、レジャー用ボートの船着場がたくさんある。ここから、ノルウェー国境まではほんの数キロだ。

なので、ノルウェーとの結びつきも強い。ここの町にあるSystembolaget(国営の酒屋)は町の大きさの割りにドカンとでかい。隣国のノルウェー人がお酒を買出しにスウェーデンにやってくるためだ。スウェーデンも物価は高いほうだけれど、ノルウェーはさらに高い。(好調な石油輸出のおかげで通貨が強いためだと思う) お酒だけではなく、食料品、例えば肉類もスウェーデンのほうが安いらしく、ノルウェー人相手の商売も盛んだ。

この町で働くノルウェー人もいる。昼ごはんを軽く食べたレストランのおやじはノルウェー語を話していた。「持ち帰りか、ここで食べるか?」と聞いてくるのだけれど、「食べる」という動詞、スウェーデン語はätaだけど、ノルウェー語はspisa。これは、スウェーデン語だと「台所のコンロ」(spis)という意味になる。知っていれば問題ないけど、なんか可笑しくていつも笑ってしまう。

ちなみに、今年はノルウェー独立の100周年記念だ。それ以前は、スウェーデンに併合されていた。


町の中心部に隣接する港
遠く続く、小さな島々