情報科blog
高校で必履修となった「情報科」の教員が
授業や校務など日々のできごとや
情報教育について思うことを書いていきます。




 なかなか刺激的な見出しですが、Wiki、教科書業界に宣戦布告--新プロジェクト「Wikibooks」を立ち上げ - CNET Japanという記事でWikibooksが紹介されています。

 Wiki、はやってますね。このWikibooksはまだこれから内容の充実が必要ですが、面白いですよね。この勢いだと、何か調べようと思ってGoogleを検索すると、一番目がWikipediaで二番目がWikibooksになったりするんでしょうね。

 教科書で習った内容を見たり、再度確認するためには役に立ちそうです。

 でも冒頭に紹介した記事のように「教科書業界に宣戦布告」とはならないと思います。教科書のいいところって何なんでしょうね。

 私はすぐに開けることだと思います。これはいくつかの意味があります。



 コンピュータを起動して、目的のページにたどり着いて、という操作に時間がかかりすぎるのです。これ自体は電子BOOKのようなデバイスが普及すれば克服できるかもしれません。「明日の時間割は...」なんて考えながらメモリーカードを用意する時代になるのかもしれません。機器の面においては、すぐに開けるようにはなると思います。




 私の学校では「Web教科書」と読んでいますが、イントラネットに情報のpdf版教科書が置いてあります。教科書を忘れた生徒に対してのフォローの意味もあります。「教科書がないのでできません」という生徒にいいわけをさせない仕組みともいえます。
 教科書を見ながら学習するタイプの授業をするときがあります。このとき、Web教科書を見て作業する生徒より、紙の教科書を見て作業をした生徒の方が、圧倒的に早く的確に理解できる傾向にあります。
 わからないことを調べるときにWebは便利です。わからないこと、わかりたいことが明白なときはそこだけ表示されるディスプレイが便利です。でも周りに書いてあることがスクロールしなければ見えなかったり、ページ全体をみてどこに重点を置いているか読み取ったりすることはできません。開けるとは、周りも開けているという意味もあるのです。




 授業中、どうしても集中できなかったり、話がつまらないと感じたことはありませんか?そう思われないような授業を心がけていますが、実際自分が生徒であったときにはそんなことを感じたときもありました。

 そんなとき、教科書の別のページをめくってみたり、図版や表に見入ってみたり、落書きしたりした経験のある人も多いと思います。きちんと聞いているときでも、大事なところには線を引いたり、書き込みをしたりしたと思います。教科書は学習者に対しても開けているのです。




 教科書で一度学んだ人が、教科書に書かれている内容を学ぶためには、役に立つものだと思います。ただ、最初からWikibooksを教科書として授業を受け、学ぶことはまだ難しいのではないかと思います。

 説明されていることを理解する、それだけが勉強じゃないと思うんですよね。

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