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トラが産んだ子猫のこと


先月の4日、我が家の物置で子猫を発見した。我が家のトラが産んだようだ。
ポリバケツの中にいた。
そのことを猫好きの長男夫婦に伝えると、案の定、次の夕方やってきた。
長男が子猫を確保して、夫婦して部屋の中で遊んでいた。
その晩は箱に入れておいたが、翌日には親が連れ帰ったらしく箱は空。

しばらく子猫は見つからなくなった。親が警戒して、どこかへ隠したらしい。
20日、物置近くで3匹の子猫を発見した。3匹とも親と同じトラ模様で実にかわいい。
タヌキも「トラが3匹も産んだんだね。」と驚いている。
トラは去年産まれたばかりの子猫とばかり思っていた。「幼妻だね」と同情しきり。

その翌日、子猫は裏庭で遊んでいた。白地の子猫が2匹混じっている。
合わせて5匹が無邪気にじゃれ合っている。
親父が近づくと一斉に逃げる。逃げ遅れた1匹の白地の子猫を部屋に入れてやる。
早速、そのことを長男夫婦に知らせると、やはりその晩やってきた。
子猫たちと格闘の末、トラ柄3匹を確保してきた。
しかし、その晩、やはり親が連れ帰って翌日の箱の中は空。

7月1日、ついにその日はやってきた。
親のトラが、子猫たちを連れて、我が家の部屋に入ってきたのだ。
ググッという鳴き声を発すると、子猫たちが集まってくる。
タヌキが子猫用に買ってきた餌を争うように食べている。
しかし、心配なのは、トラ柄の1匹がいないことだ。
どこかで飼われていることを祈るしかない。

その日以来、我が家の台所は彼らの住居となった。
そして、朝の片付けと徹底した掃除がタヌキの日課となった。
なにしろ、子猫たちは部屋中を駆け回り、あちこちの物を落とすのだ。
さらに困ったことに、親がトカゲやネズミを運んでくる。
「5匹飼うことになるのかね。どうしようかね。」
タヌキの嘆息が続く。里親、募集中です。何もしつけてないが・・・。

猫たちが住み着いたことは長男夫婦に知らせていない。
この日記で知って、すぐ来るに違いない。
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