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我が家の送り火


台風が過ぎても、やや強い風が吹く午後。
タヌキ殿が団子やおはぎ、うどんなどが用意され、準備は整った。
今日は13日から来ていた先祖の霊が帰るのだ。

庭の道路に面した所に新聞紙とわらを敷く。
ナスの牛ととキュウリの馬にご先祖様たちが乗る。
団子などは乗り物の餌、うどんは手綱なんだとか。
新聞紙に火をつけると、立ち込めた煙とともに帰っていった。

長男夫婦と長女、孫たちも見送った。
この後、墓地に行き、花や線香などを供えた。

霊などいないという人もいる。
かく言う親父もその一人だ。
でも、逝った人たちから受けた恩を思う時、心の中に霊はある。
これからも生きる人のために。
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