月下樹のおと

樹月けい、オタク母のブログ。アニメ・漫画。お絵かき展示等。義母の介護終わり、義父のご飯お手伝い中。

3/25(日) マエカブ公演 『ハツカネズミと人間』

2018-03-26 23:33:55 | 感想★アート演劇 映画ドラマ アニメ等


3/25(日) マエカブ公演
『ハツカネズミと人間』高松swaggにて

原作は『怒りの葡萄』や『エデンの東』
でも 知られるジョン・スタインベック。

世界恐慌の1930年代。
凸凹コンビのような二人の男。
頭の回転の早いジョージと
頭は弱いけれど 力の強いレニー。

行き先もすぐ忘れてしまうようなレニーは
小さなハツカネズミを可愛がるが、
力加減ができず、すぐ殺してしまう。
そんな調子で度々問題を起こしては
働いていた農場を出ていくことを
繰り返していたようだ。

やっと別の農場で働き口が見つかり、
二人の夢だった小さな農場を持つ
夢に向かって頑張っていたが…。

時代や境遇が違っても
こんな人はいるなと思った。
どこに行ってもうまくいかない。
多数派の普通に合わせるのが難しい。
それにはそれなりの理由はある。
お互いに工夫できたらもう少し
うまくいくのではと思うのだけど。
はがゆく悲しい。

それにしても、
ジョージはいつもレニーを助けて
自分だけ損をしているのではないか。
なぜ一緒にいるのだろう。

色々な苦労はあっても
やはり夢を共にする仲間だからか。
孤独だと病気になってしまう…
というようなセリフがあったけど、
一人じゃないということは
それだけで心強いものなのだろう。

小さな農場を手に入れて
そこで一緒に働くという夢。
そんなささやかな場所に
少し手が届きそうかと思われた矢先、
レニーがやってしまったことが悲劇に。

多分もう 逃げおおすことはできない。
ジョージはそんな覚悟をしていたのかも。
レニーが酷い報復を受けるくらいなら
せめて自分の手で…と思ったのか。
ジョージは辛い選択を。

きっとあれしかなかったのだろう。

でも、でも、と
諦めきれない気持ちもあった。

レニーがああだったとしても、
皆と一緒にうまくやれる方法を
周りの人も考えられたら。
そもそも、レニーの特性を
隠さなくても働ける環境があれば
周りの人も知らずに接することもなかった。

ジョージだけに背負わすこともなかった。

それを思うと悔しくて泣けてきた。

時代が変わって、
少しは生きやすくなったのだろうか。
また違った面での生きにくさが
今も人々を追い詰めているように思う。

ジョージとレニーは
ささやかな場所と人を求めていた。
二人が話す夢の話は
とても生き生きとしていた。
悲しい結末ではあったが
あの場面だけは本当に
生きる希望を与えてくれる。

きっと、今の私たちに必要なのも
大それたものではなく
ささやかな何か かもしれない。

これからだよ。
果たせなかった思いを
託されたような気がした。

すごく大きなものが
心や頭や体を突き抜けたようで、
終演後すぐは ちょっとふらつくような
感覚だった(笑)。
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