2019/2/20(水)
丸亀市文化振興講演会
「超高齢社会の文化芸術活動を考える」
場所:丸亀市生涯学習センター
講師:
衛紀生さん
(可児市文化創造センター館長兼劇場総監督)
https://www.kpac.or.jp/
井上優さん
(NPO法人iさいと代表理事)
http://www.isaito.net/
今回は超高齢社会がテーマ。
けれどその年代への対策だけでなく
次の世代へ継承していく仕組み作りとして
文化芸術活動を考えていく内容だった。
データから読み取れる
日本の高齢化、その早さ。
丸亀市も全国の標準である。
孤独と孤立が寿命を縮めるらしい。
健康に害を及ぼすとなれば
それだけ経済的損失は大きい。
60歳以上の者の
社会的活動への参加は約3割。
社会との繋がりがこれから大きな意味を持つ。
《 超高齢社会×文化芸術 》
■ミッション1
文化芸術は多世代が交流し、
社会的孤立を解消する。
そして、私達はどうする?
★可児市の例(衛さん)
ワークショップ、
舞台公演を通して
小1から80歳まで多世代が一緒に作る。
繋がりが自然に生まれる。
★宮崎市の例(井上さん)
私達は何が出来るか?文化芸術活動なら
専門知識がなくても色々な間口がある。
ハードルを下げて簡単に
出来ることを考えてみては?
(博物館でのボランティアガイド等)
■ミッション2
後継者がいない。
文化芸術活動消滅の危機!?
私達はどうする?
“ 楽しい ”から始まり、“ 誰かのために ”
★宮崎市の例
・ふるさと先生
https://www.kodomo-bunka.org/furusatosyushi.php
学校での体験授業(指導者約80名登録)
・神楽の例 ※
元々は地域に住む氏子だけがやっていたが
二つのやり方に…
1、他地域へ転居した人が神楽の時だけ集まる
ゲネプロをホールで見せる。
ちょっとした同窓会に。
2、村外氏子
市民ホールでやりたい人に伝承。
参加できる人限定で。
地域の輪から、共感の輪に。
これまでは住んでいる地域だけでの繋がり。
けれどこれからは、興味関心を持つ人が
繋がるやり方もあっていいのだろう。
★ピアノの例
・みんなのピアノプロジェクト(可児市)
寄贈されたグランドピアノ
貧困等で習えないなどの問題から
地元ピアノ講師が立ち会い、無料開放
https://www.kpac.or.jp/column/kan78.html
・ストリートピアノ(宮崎)
みやざきアートセンター
▼http://miyazaki-ac.com/
1階のオープンスペースに設置されたピアノ
道行く人が誰でも弾ける
場を提供、そこで皆が楽しんでいる
http://visit.miyazaki.jp/?p=43097
(NHK「ドキュメント72時間」でも取り上げられた)
……………………………
《まとめより》
地域と繋がるために
公共文化施設は良いツールになる。
施設の運営などに関わることなど
対話をすることで自分たちの資源になる。
人のための行動で、
結果的に必要とされるなど
自分の承認欲求を得ることに繋がる。
そういう機会を自分から作ることができたら。
参加者の中には
そもそも市民会館が必要なのか?
というところから考えたかった、
というような意見も。
それこそ、この講演会の意義かもしれない。
今までと同じようなものなら
ただのお金のかかる箱モノになってしまう。
そうではなく本当に自分たちに必要なものを
考える時が来ているのだ。
建て替えという、チャンスを活かすために。
考えることは最終的なは自分たちのため。
…………………………
今回の話を聞いていて、
色々思い出すこともあった。
特に困難を抱える人にこそ
文化芸術は必要だという考え方から。
身近なところでも、
随分苦しんだ姿を見てきた。
皆と同じような生活ができなければ
同じ場所に居られない現実。
結果、自分にできることは何もないと
意欲や希望を失ってしまう。
多数派に属していれば
特に問題もなく過ごせることが、
ひとたびそこから外れた場合、
自力で越えられない壁になる。
社会的な場だけでなく、
家庭でも同じようなことは起こりうる。
一般的な成人の、親ともなれば
誰もが考える担うべき役割。
けれどそれが出来ず、長期に及ぶ時。
本人や周囲との関係はどうなるのか。
(果たして自分は必要とされているのか)
迷惑をかけ、自分は必要とされていない。
それでもその場その役割から逃れられない。
当事者がそう思い続ける毎日ならば
それこそ生きる希望を持てなくなる。
たとえ何一つ出来ないとしても
生きているだけで出来ることは
あるのではないだろうか。
実際に出来ることだけでなく、
文化芸術の視点から見ることで
思わぬ発見があるかもしれない。
見捨てられたものにも
価値を見いだせるかもかもしれない。
勿論それだけでは
社会は回っていかないけれど、
全く違った価値が生きる場所もあっていい。
そういう意味で、
これまでにない新しい視点で、
みんなの劇場が出来ればと切実に思った。
………………………
※【訂正】
神楽の例、
可児市と書いていましたが
宮崎市でした。訂正しました。