2月から3月頃に2~3週間にわたって続くヴェネツィアのカーニバルは、豪華な仮面と扮装で有名である。 カーニバル(謝肉祭)は、肉食が禁じられる四旬節(復活祭前の40日間)を迎える前に祝うのである。
このカーニバルと切り離せないのが、仮想のためのコスチュームと仮面である。
中世の人々は、このような仮面やコスチュームを用いて仮装すれば、身分や貧富の差、更には、異邦人ですら、周りの目を気にせず自由に祭りに参加し楽しめたのであった。
自己の制約から解き放たれて、カーニバルの期間、自由を謳歌することが出来たのである。
現代では身分制度は存在しないが、自己からの自由を得るための仮装も時には必要なのではないだろうか。 髪を染め、化粧をして、そしてきれいな衣装を纏うなどが、変身の手段である。
これもまた、ガイドさんからの受け売りであるが、本来のイタリア人は、黒い瞳と黒い髪の人種なのだそうである。しかし、多くのイタリア女性は金髪に憧れるのだそうである。
時々金髪のイタリア人女性を見かけたが、それらは全て染めたものだと言う。 それはそれでよいのである、自己から解き放たれて、自由奔放な自分に変身するのも、人生に彩を添えるのであろうから。
お土産に一つ気に入った仮面を買ってくればよかった、この文を書いていて思ったのである。