(昨日の日経新聞朝刊より)
【台北=山下和成】台湾の与党・国民党は27日、台北近郊で進めている第4原子力発電所(新北市)の建設を凍結する方針を発表した。2016年にも商業運転が始まる見通しだったが野党や住民から建設反対の声が強まり、譲歩を余儀なくされた。建設を再開するかは住民投票で決める。
ほぼ完工した第4原発の1号機は安全検査が終わっても稼働させず、9割がた建設した2号機は工事を中断する。27日には最大野党・民進党や住民らが台北市内で数万人規模の建設反対デモを実施していた。
第4原発は出力135万キロワットの改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)2基を備える。日立製作所や東芝の原子炉など日本製の設備を多く採用している。1990年代末に着工したが工事のトラブルなどが相次いだ。さらに11年の福島第1原子力発電所事故後は、安全への懸念から建設反対の声が強まっていた。
馬英九政権(国民党)は「第4原発の建設を中止すればエネルギー不足に陥る」などと説明し、建設・稼働の是非を問う住民投票を実施する方針だった。ただ台湾では11月末に統一地方選挙、16年初めに総統選挙が控える。原発を争点にしないためにも建設凍結で早期の幕引きを図った形だ。住民投票も次期政権の誕生後に実施される可能性が高い。
(日本もいつまでも原発に固執していてはダメ!!!)