自 遊 想

ジャンルを特定しないで、その日その日に思ったことを徒然なるままに記しています。

青い花

2014年04月02日 | Weblog

 青い鳥という表現はよく知られているが、青い花という表現もある。ロマン派の詩人で哲学者のノヴァーリスNovalis(1772-1801)、これはペンネームで本名Heinrich von Hardenbergが詩の中で用いた。
 詩の主人公は或る夜、「青い花」を夢見て、憧れを感じて以来、青い花がいつも頭から覚めやらず、生涯青い花を求め遍歴した。
 青はノヴァーリスの好きな色で、青い空、青い山、青い海はロマン派の憧れる「遥かなもの」「無限なもの」を感じさせるのだそうだ。(最近、品種改良されて青いバラが咲いたと聞いたような気がする。青いバラは愛好者にとっては永年の夢だったそうだ。)
 向こうを張るわけではないが、僕は白い花が好きだ。今の家に越して来た頃、猫の額ほどの庭に槿(ムクゲ)の花を植えた。それも、白一色の槿。今年は肥料を念入りに施したので、葉の群れる勢いが旺盛だ。毎年咲き始めるのが近所の槿と比べると遅いのだが、今年はどうだろう。気になる。
 哀しみと気高さと、他に何が要るだろう、と言ったのは誰だったろう。白い花には哀しみと気高さがよく似合う。