自 遊 想

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NPDI 広島宣言を採択

2014年04月13日 | Weblog

(朝刊より)
 日本、オーストラリアなど核兵器を持たない12カ国による「軍縮・不拡散イニシアチブ(NPDI)」の第8回外相会合が12日、広島市で開かれた。核兵器の廃絶に向け、すべての核保有国に対して多国間交渉の必要性を提唱する「広島宣言」を採択。宣言は、核戦力を増強している疑いがある中国などを念頭に、「深い懸念」を表明し核兵器の削減を求めた。さらに、初めて核兵器の非人道性に焦点を当てた記述を盛り込んだ。
 議長を務めた岸田文雄外相は記者会見で、「グループの主導国として、核軍縮・不拡散の取り組みを精力的に推進したい」と述べ、核保有国などへの働き掛けを強める意向を示した。
 中国は軍事力の不透明な増強が指摘されており、国連安全保障理事会常任理事国の中で唯一、核戦力の拡大が疑われている。宣言は中国の名指しは避けながらも、「核兵器のない世界という目的を達成するとの国際社会の明確な意図に反する」と批判。「核軍縮努力にいまだ関与していない国に、完全廃絶という目標に向けて核兵器を削減するよう求める」と明記した。
 米国とロシアが進める新戦略兵器削減条約(新START)の取り組みを「歓迎」すると評価しつつ、「核兵器のさらなる削減」に向けた議論の継続を求めた。
 北朝鮮の核・弾道ミサイル開発については「強く非難する」とし、すべての核活動の即時停止を要求。国際社会に対しては、兵器用核分裂性物質生産禁止条約(FMCT)の早期交渉開始や、核実験全面禁止条約(CTBT)の早期発効を求めた。
 核保有国の首脳らの広島・長崎への訪問も呼び掛けた。
 ウクライナ情勢に関しては「深刻な懸念」を表明し、核兵器を放棄する代わりに米英露がウクライナの領土保全を約束する「ブダペスト覚書」(1994年)の「尊重」を求めた。
 NPDIは日豪が主導する「核兵器のない世界」を国際社会に促す枠組み。全体会合後の昼食会には、核保有国として初めてガテマラー米国務次官がオブザーバーとして参加。オバマ大統領が目指す「核兵器なき世界」の実現に向け、NPDIとの連携を表明。ウクライナ情勢については「米露関係が悪化しているが、米露間の条約は着実に実施されている」と理解を求めた。

 ★しかし核兵器使用を禁止する法的枠組みには触れなかった。日本をはじめとする米国の「核の傘」に頼る同盟国と、非同盟国との間の溝の深さがある。また、非同盟国が求める核兵器削減のための具体的な方法や手続きにも触れない曖昧な内容となった。