自 遊 想

ジャンルを特定しないで、その日その日に思ったことを徒然なるままに記しています。

蓮華草

2014年04月08日 | Weblog

 近頃は蓮華畑を見る機会が少ない。かつて、蓮華畑は春を代表する光景だった。蓮華草に蓮華草という漢字を当てるのは、花全体の形をハス(蓮)の花の形に見立てたからだそうだ。
 蓮華草は、枯れない内に土に鋤き込んで肥料にする緑肥として植えられた。マメ科の蓮華草の根には根粒菌が共生しており、根粒菌は空気中の窒素をあらゆる植物が利用できる形で固定している。そのおかげで土が肥え、植物の生育がよくなるので、水田に肥料として蓮華草が植えられるという訳である。
 蓮華草を緑肥として利用するようになったのは江戸時代中期以降らしい。明治に入ると全国に広がったが、その後、化学肥料の普及によって、この無害の肥料は次々と姿を消していった。だが、近年になって有機農業への関心が高まるにつれて、蓮華草の美しい絨毯を観光資源にしている地域もあるという。
 僕は生来が田舎者だから、蓮華畑に郷愁を覚える。僕んちの近くに面積は小さいが、蓮華畑がある。まだ少し時期が早いが、しばらくしたら、ボーと寝ころびに必ず出かける。