自 遊 想

ジャンルを特定しないで、その日その日に思ったことを徒然なるままに記しています。

放射能汚染と避難

2011年04月23日 | Weblog

 一ヶ月以上経ってもまだ終息できず、終息に最速でも九ヶ月かかる福島原発の大事故の結果は、僕の考えでは、地下原爆実験の結果と同類である。それだけ放射能汚染が進行しているということである。事故と実験の一つの大きな違いは、実験の場合は実験前に避難が予告されるが、事故の場合は事故前に予告されないという点にある。こういう時、避難はどうあるべきか。
(新聞より)
 原発周辺の住民避難にかかわる政策を決めたり実行したりするときは、何より住民の立場を第一に考えるべきだ。
 避難をめぐり、政府の方針が次々に打ち出され、住民の間に不安や憤りが広がっている。住民の要望に耳を傾け、方針を説明し、互いに納得して進めることが大切だ。
 福島第一原発から半径20キロ圏内で避難指示が出ていた区域は昨日、災害対策基本法に基づく「警戒区域」となり、住民の立ち入りが禁止された。警察が道路を封鎖する厳しい措置だ。
 官房長官は、住民の一時帰宅も数日中に始めるが、1世帯1人で2時間以内と述べた。住民からは不満が噴出し、封鎖前に駆け込みで帰宅する人が相次ぐ混乱を招いた。
 事前の説明は十分だったか。
 例えば、圏内の放射線の現状だ。官房長官の発表後に、文部科学省が測定した20キロ圏内の大気中の放射線量が公表された。年間の被曝(ひばく)線量に換算して、健康に影響が出かねない100ミリシーベルト超になるおそれがある地点が1割ある一方、約半数の地点は現在の避難を求める基準の20ミリシーベルト未満など、場所により汚染の程度に大きな差があった。
 こうしたデータも踏まえたうえで、低汚染の地域でもなぜ帰宅が制限されるのかを丁寧に説明し、納得してもらうのが政府の務めだ。
 一方、半径20キロ圏外の5市町村は新たに「計画的避難区域」に指定された。5月末までに避難が求められる。
 20キロ圏内からの避難は、原発から放射性物質が大量放出される事態に備えてだったが、その外側に設定する計画区域は今後1年間の被曝線量が基準の20ミリシーベルトを超えるおそれがある、というのが理由だ。
 一ヶ月間で田畑や家畜などの生活の糧を置いて住み慣れた土地を離れ、避難先を見つけて移る。容易なことでは決してない。
 なぜ最も厳しい20ミリシーベルトを基準にして避難する必要があるのか、住民が納得できる説明がいる。
 放射線量の監視は今後も、時期、場所ともに細かに続けて、住民に提供するべきで、可能なら避難の区域や、やり方を柔軟に見直すことも考えるべきだ。