自 遊 想

ジャンルを特定しないで、その日その日に思ったことを徒然なるままに記しています。

スルメイカ

2011年04月16日 | Weblog

 思い起こせば、おやつで最も多く食べたのはスルメかもしれない。火鉢で焼いたスルメの香ばしさが懐かしい。イカ飯なども好物である。日本人ほどイカを食する国民は他にないとも思われる。
 マイカとも呼ばれるスルメイカは、一年中日本近海にいて、いつでも漁獲されているように思われるが、実は一年をかけて日本列島を南北に往復しながら一生を終えるというライフサイクルをもっているそうだ。ものの本によると、西日本ではサクラが咲く頃に獲れるので「花イカ」、伊豆半島付近で漁獲されるものは「麦イカ」、三陸では「夏イカ」と、季節によって呼び名が変わって北上し、秋には「戻りイカ」となって再び南下する。
 日本で最も普通に食べられているイカだが、種名に「するめ」と付けられているほどには、スルメイカのするめは珍重されていない。ケンサキイカのするめを「一番するめ」というのに対して、スルメイカのするめは「二番するめ」と言われ、二番手扱いされているそうだ。しかし、昔から各地の地場産業を支えてきた産品なので、松前するめ、南部するめ、佐渡するめなど、産地名を冠して呼ばれるものも多いそうだ。
 日本を代表する魚、いわば国魚としてアユが挙げられるが、日本を代表するイカならスルメイカだろう。アユもスルメイカも寿命が一年。どうも日本を代表する生き物は、サクラもしかり、ぱっと散る短命のものが多いようだ。これは、好奇心は旺盛だが飽き易いという日本人の性格の反映なのか、それとも潔癖性を示しているのか、判断に苦しむ。いや、余計なことを記してしまった。
 被災された三陸の漁港が漁港として早く復興することを願う。遅くとも「夏イカ」漁には出られるように。

(今日はちょっと遠出してきます。)