自 遊 想

ジャンルを特定しないで、その日その日に思ったことを徒然なるままに記しています。

森の国

2011年04月19日 | Weblog

 国連食料農業機関(FAO)の統計によると、日本の国土の67%が森林である。いわゆる先進国の森林率はスウェーデン、フィンランドに次ぐ。森林の割合が高そうに思われるロシアで42%、カナダで38.8%である。
 日本が深い森の国である事は、古代の人々の知るところであった。『日本書紀』の神代の巻に、「スサノオノ尊の子供のイタケルノ神は、多くの樹の種をもって、はじめに新羅の国に天降った。しかし韓地(からくに)には植えないで、ことごとく持ち帰り、筑紫からはじめて、大八州国(おおやしまのくに)にまいたので、青山がつくられた。」とある。
 この記述に独り善がりなところがあるにしても、神代からの継続維持で日本は森の国である。森は炭酸ガスを吸収し温暖化を防止する。
 例えばバビロンなどの古代文明は森林消滅とともに滅びた。現在でもアフリカの諸国などは樹をエネルギーにし過ぎたために砂漠化に喘いでいる。生物の生存や人間の文化・文明に森は欠かせない。
 このような硬い事を言わなくても、僕の故里は森であり、森に育てられ、いずれ森に還る。
 森に郷愁を覚える事を禁じえない。

 大地震・大津波による大災害から復興するための一つの手立ては、海岸近くまで植樹を密にし地盤を強固にすることだと思う。観光林もいいが、本格的な小高い森を造る。そうすると将来、植樹された森から海へ栄養分が流れ、漁獲高も増すだろう。僕の考えは荒唐無稽かな。ああ、そうだ。大量の瓦礫から石油製品を除いたもので先ず小高い丘を造る。その後、植樹。どうだろう。