八咫烏神社 ときどき社務の備忘録

旧大和國宇陀郡伊那佐村鎮座・八咫烏神社から発信。
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開式の辞で伝えたかったこと。

2011年11月07日 | お祭り
11月3日、当社の例祭は多くの皆さまのお陰をもちまして
滞りなく斎行することができました。

誠に有難うございました。

毎回、祭りに先立って総代会長さんから
「宮司さんに開式の辞を」と促されておりまして
いつもそれなりに言葉の準備をしているものの
僕はおしゃべりが、すごく下手くそですので
本当にいいたかったことを
参列なさった皆さん方にお伝えできたか、と考えると
いささか不安でした。
ですので、この際、この場をお借りして
ちょっと述べさせていただこうと思います。

駄文、失礼いたします。

以下
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先ずはこの祭りに際し、神社の役員さんから頭屋さん
その他、大勢の氏子の方々からご支援ご協力をいただいております。
しんどい作業も「お宮さんのことだから」と
率先してお骨折りいただきました。
本当に有り難い事だと感謝いたしております。

今年は春には東日本大震災が
そして夏には台風12号の災害が起こるなど天災の多い1年でした。
未曽有の大災害。かつて経験した事がないような大きな災害に
幸いなことに被害にあう事もなかった我々にとってさえ
その衝撃たるや心を引き裂き、愕然とさせられました。

その陰で日本人の日本人たる所以を垣間見るような出来事が
世界中から称賛されていることは記憶に新しい事です。

助け合い・支え合いの精神、忍耐づよさ、誠実さなどなど
誰に教えられるでもなく私たちにの心に沁みついてきたものの発露が
世界からからすれば驚きなのでした。

そのことは私たちにとっても、驚きであったのかもしれません。

「現代は殺伐としたもの」である
と思われていた現代社会の日本においても
「ささえあってこそ『人』なのである」ということ
「義理人情」を再認識したからです。
であるのと同時に大きくは国、あるいは地域、小なるものなら家族。
そういったものの「つながり」を意識して
心を合わせて力をひとつにしていこうという想いが生まれました。

誰という事もなしにそれを「絆」と呼びました。

私は神社の「祭り」は、おそらくそういうものであるし
そうであってほしいと願っています。

当社のご祭神は「建角身命(たけつのみのみこと)」という
ひとりの神さまであることは周知の事と思いますが、
それだけではありません。

神社というものには、いうなれば
お祖父さんのお祖父さんの、そのまたお祖父さんが
ずっとかわらず捧げてきた祈りや想い、
将来の子孫である私たちへとつなぐ希望も籠められています。

それが私たちにとってのかけがえのない神さまなのだと思います。
だからこそ、私たちはご神前で手を合わせるのだと思います。

私たちが今、ふたたび思い出した「絆」。
それは何も今を生きる我々だけが手にするものではないでしょう。

どうか、皆さんがご神前で手を合わせるとき、
ご先祖さまたちが神社に籠められた祈り・想い・希望などとの「絆」
これについて感じていただければと思います。

また「祭り」の場が、そういうところであってほしいと願っています。

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以上

恥ずかしながら、文章におこしても
やっぱりまとまりがつきませんが
少しでも僕が本当に伝えたい事が伝えられたなら幸いです。