鳥まり、参る!

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コミックエッセイ『キレる私をやめたい』。

2016年07月18日 | 感想文
※ネタバレあるので、嫌な人は読まないでください※

【自分の加害性に向き合った勇気ある作品】

『母がしんどい』で有名な田房永子さんの最新作を買いました

『キレる私をやめたい~夫をグーで殴る妻をやめるまで~』 (BAMBOO ESSAY SELECTION)

(↑タイトルクリックでアマゾンに飛べます)

田房さんの誰にも言えない悩み、それは夫にキレてしまうことだった…。

いや~もうね、すごかった。

ここまで自分の加害性を告白した人、なかなかいないよ!!

勇気を振り絞って、覚悟を決めて、

「自分と同じように苦しんでいる人の一助になれれば」

と描いたんだな、というのが伝わってきました

かつての被害者は、必ず“もっと弱い立場の人”に対して加害者になっていく、というのはもう昔からの“事実”。

でも、人って

「被害者で辛かったんです~」

とだけ言ってる方が得だから、加害性は認めないんだよね。


それを打ち破ったのが本書ですよ。

結論からいうと、オススメ。

オススメ。

ほんっと~にオススメ!!

以下、ネタバレ飛び出すかもなので嫌な人は読まないでくださいね。

好きなことだけ書きます。

【キレる人は、ある面では冷静で計算高いのだ】

田房さんは実母・モラハラの元彼に四六時中いじめられる…という人生を送ってきた結果、のっとられてしまったようにヒステリーを起こしキレるようになってしまいます。

結婚したダンナさん(今も仲良しご夫婦のようです)はモラハラなんかしないのに、なんでもないことで怒りにのっとられて、ありえないほどキレてしまう。

・モノを投げる

・果てしない暴言

・つかみかかる

・泣き叫ぶ

・ヒステリーを起こす

・モノを破壊する


など。

(帯には「子どもをたたく」と書いてあるけど、田房さんはお子さんのことは殴ってないです。

 この表現はひどいと思う。

 せめて「子どもをたたきたくなってしまう」くらいにするべき)

一番最初の方で、普段の田房さんは

・自分で言うのもなんだけど、温厚

・腰が低く、必要なくてもすぐあやまる

・ひどいことされても怒らない

・1時間遅刻されても一切責めない

・自分の意見をいえない

・腰が低い


…こんな女性だと書いてあります。

それ、まさに、モラハラしたり暴力ふるう人の特徴ですから。

(鳥まりさんの見てきた実例から形成された偏見)

なんてわかりやすいんだ…。

キレる人って、感情のこまめな適切処理ができないんだよね(偏見2)。

勝手にストレスためまくって我慢に我慢を重ねて、

「こいつなら大丈夫だろ」

と思っている相手に、無意識で計算づくでキレたりあばれたりする(偏見3)。

私は昔から

「キレる人もヤバい人も、すごく冷静。

 全部わかってるくせに、わからないふりして責められないよう自分を守っている」
(偏見4)

と思ってきたのですが、もう、まさにでした。

はっきりとこの漫画では描いてあるんですよ。

「正直、破裂ギレは気持ちよさもあった」

「(夫をグーで殴った直後)

 やりすぎた、と思ってる。

 でも同時にキレイにあたったな~とも思ってる。

 そんな自分が、もうわけわからない」

「ルールを守ってキレるようになった」


これが描けるって、本当にすごいです。

自分の逃げ道なくして事実を描いているわけですからね。

それだけ現在の田房さんは癒やされ元気になった、ということなので、素晴らしいことです

【弱い者の声はなかったことにされる】

苦しんだ果てに、エイコ(田房さん)は

「キレる私を治したい」

と決心します。

が、ネットで検索しても(もー、エイコはどの作品でもいつでも検索魔です 笑)

キレる女の治し方についての本・情報が一切ない。

でも、キレる女・ヒステリーな女に困っている人の実例はごろごろある。


という不可思議現象が起こります。

意図的に

「なかったこと」

にされてるんですね。

でも…。

いつ爆発するかわからない火山のような女に怯えた経験のある人、たくさんいるでしょ?(笑)

私の周りはすごく多かったですよ。

「お母さんがキレるから怖い」

「おばあちゃんがヒステリーで辛い」

女の子も男の子も共通した悩みだった気がする。

小学生だった頃、冬休み直前くらいに男女何人かで話していたんですけど、

「お正月の前はぜったいお母さんがキレて暴れるから、お正月が怖い

と一人が言ったら

「うちも!」

「うちも!」

「むしろ、毎日キレてるけどお正月前は特別ひどい!」

「あ、うちのお母さんもだ!」

と大盛り上がりでしたからね

その後、

「被害を最小限にするにはどうすればいいのか

「部屋が散らかってるとキレるから、掃除すればいいのかな?」

「なんか喋ると因縁つけられるから、とにかく喋らない

「それやったけど、憎たらしいって逆ギレされたことあるよ…

と会議したもの。

おかしな話ですよね、同じように困ってる人はいつでもたくさんいるのに、なかったことにされてるんですよ。

【エイコ、ゲシュタルトセラピーに出会う】

情報がなくても諦めずに

「ぜったい治したい!!」

と探し求めた果てにエイコ(田房さん)が出会ったのがゲシュタルトセラピーでした。

これによって、エイコは怒りや悲しみを抜いて、癒やされます。

ここ、本当に本当に素晴らしいので、ぜひ読んでください

ちなみに、これ自体は前作『呪詛抜きダイエット』でものっています。

(※この記事で紹介してます→ 『コミックエッセイ『呪詛抜きダイエット』』 )

ですが、今回はさらにその後の応用編が出てきて、すぐに読者の生活にもいかせる知恵がいっぱい。

さすがにそこはネタバレしたくないので、ぜひぜひ読んでね!(しつこい)

【娘さんをとっても愛らしく描いているのがイイ!】

今作にはエイコの娘さん・Nちゃんが登場します。

このNちゃん、すごく可愛く描いてくれてるんですよ~

(79ページの上2コマのイラストなんて、きゅ~んときちゃう

それを見て私は思ったんです。

「ああ、エイコは、先祖代々の呪詛を断ち切ったんだ。

 悲劇はぜったいに、もう受け継がれることはないだろう」


って。

母にもこの作品を読ませたのですが、

「娘さんがいつも落ち着いてる。

 このご夫婦は本当にいい関係だから、この子の未来はぜったい安心だと思う。

 崩壊家庭の子どもって、もっと脅えてるもんよ」

と言っていました。

うん、本当にそう思う。

ちなみに皆さん、知ってます?

実に、全体の85%の家庭は崩壊家庭だといわれているってことを。

私は

「うん、そんなもんだろうな」

と思ったよ、このデータ読んだ時。

【傷ついた者同士が癒やされていくことは、ぜったいにできる】

この作品の後半は、

「私はダメダメで、彼は全て完璧だと思っていた」

というダンナさんとの関係にフォーカスがあたります。

夫婦って(親友もそうだろうが)、違うようでいてぜったい同次元の人間なんですよね。

エイコはそれに気付きます。

キレることはなくなったけど、イライラしたり違和感を覚えることも増えて…。

そこから、目をそらさずしっかりと向き合ったところも詳細に描いてくれてます。

本当、勇気あります…

最終的に二人は変わらず一緒に歩いて行くことを決めます。

いいよね~

自分愛・子ども愛・夫婦愛。

色んな傷ついた愛の再出発を描いてくれた作品だと思います。

たくさんの人に読んでほしい良作。

気になった人はぜひに!


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