【単行本7&8巻】
※毎度ですが、ネタバレしまくりです!自分で読みたい人は読了するまでこの記事は読まないでくださいね!※
『失恋ショコラティエ』言いたい放題記事、今回は7巻と8巻まとめて書きますね~。
ドラマ版でもすごい山になった
・サエコが家出してくる
↓
・ソータとサエコ、ばっちり肉体関係を持つ
↓
・なぜかサエコと薫子が仲良しになる
↓
・サエコの妊娠が読者に発覚
↓
・サエコは「帰る」といって去り、ソータはそれを引き留めない
という流れでございます。
【原作のサエコは同情してしまう…】
7巻のはじまりは家出してきたサエコがショコラヴィの前で立ち尽くしている…というものです。
ドラマ版と同じところもいっぱいあるけど、原作で読むと全然違います。
サエコがかわいそうでさぁ…ソータが好きな気持ち…好きというか、追い詰められて精神的に救いを求めているのがわかるのだもの。
ドラマ版のサエコって、同性間の友情がすごく薄っぺらい描かれ方をしていた記憶。
友達はいっぱいいるけど“玉の輿サークルの同胞”…みたいな?合コン仲間っていうか?
しっかりした友情に見えないんだよな~。
でも原作のサエコは大好きな女友達がいっぱいいて、特別な親友は一人ですし(クリスマスケーキ回にも出ている背の高い彼女)、女友達をとても大切に思っているのが描かれています。
「女友達が頼れなくて自分に気のある男のところへ」
ではなく、
「女友達にはできるだけ迷惑かけたくない」
としっかり考えていて、店の前にやってきた時点では“ヤってやる”というより
「会いたい」
という衝動…精神的すがりつきに見えました。
とにかく切ないのだ。
で、まぁ色々あって(ぜひ漫画で読んでみてね)サエコは
「ヤってやる、とにかくヤってやる」
と静かに意志を燃やし、ソータに裸で突撃し、しっかり目的を遂げます。
これは今まで描かれてきたモテ・愛され・そのための策略を欠かさないサエコとは全く違って、これはソータを他の女にもってかれたくない、という気持ちより自分を散々虐げレイ〇までしたダンナへの復讐って感じがする。
多分ですけど、もうこの時点のサエコは妊娠を自覚していて、
「やるなら今しかない」
と思ったんでしょうね。
ソータの子どもを妊娠することはないんだし。
「あそこにいるとあたしはモノになった気がするんだ」
と静かに泣く場面、あれがサエコの本音だよね、
でもそこでソータは
「何があったの?」
と聞かない。
それが物語の答えで、サエコもそれを静かに理解したんだと思う。
後に出てくる薫子さんとの場面でサエコは語っています。
「あー壁にうつってる幻なんだ」って
いつか気付いて心は自然と離れます
気づいちゃえば冷めるのは一瞬ですよ
クールだよね。
さすが、学園中のイケメンと“短期間付き合い”→“離婚歴のあるうんと年の離れた収入のいい男性と結婚した”という経歴の持ち主。
サエコもね~聞けないんだよ、きっと。
これわかってくれる人いると思うけど、子どもができるってとても大きいことですからね。
子どもがいなければ離婚するとか、他の異性とやり直すとかも現実的なんだけど(もちろん人によるんだが)妊娠するとなると…
「この子どもをどうにかしてまで…」
と考えてしまいがち。
判定も甘くなりそう。
私だったらたとえ子どもが生まれてから配偶者がモラハラ・暴力(性暴力含む)をやめたところで、今更ゆるせるだろうかって…考えちゃうなぁ。
難しい問題だ。
とにかく、初夜(笑)の時点でサエコの答えは出たわけです。
だから薫子に対してもソータのお父さんに対しても、
「ソータは何もやましいことはしていませんよ~」
というアリバイ工作?に全力で自らやってくれる。
サエコがソータパパに何度も身体についたアザを見せて、言葉にせずとも
「ダンナに暴力をふるわれて逃げ出してきました」
とアピールするのはあざとアピールってよりソータとサエコの生活を荒らさないためだと私は思って読んだかな。
エセ恋人気分を楽しみセック〇ばっかりソータとしたのは、
「選べたはずのもうひとつの人生を悔やむ自分」
を成仏させるためって感じがした。
【エレナ、プライベートでは商品にならないで】
7巻で美貌のヒロイン・エレナは友達にソータとの恋愛についてこう語ります。
「爽太くんにとってのあたしの価値は爽太くんが決めることだもん
あたしが文句言う資格はないよ」
この言葉、カッコいいって思う?
その通りって思う?
私は、エレナが職業上商品として見られすぎてその意識をプライベートに持ち込んでしまっている気がして悲しかった。
ソータは作中何度もエレナのプロ意識=仕事にストイックに打ち込み頑張るところ。を褒めたたえていて、それはたしかに彼女の魅力なんだけど。
恋愛は仕事=金が発生するものではない。
だからそんな悲しいこと言わないでよって思う。
「女(男)の価値は男(女)が決める」
って言葉にしたら悲しくない?
恋愛・パートナーシップ・結婚は生活。
命そのもの。
だからひどいことされたら
「私が彼にとってその価値の商品だから」
と黙ってないで、怒るとか報復するとかしてほしいな。
この話はバッチリラストの六道さんとの友情で昇華されるので、お見事!
この言葉ですよ。
美しいからだ
美しい心
美しい人生
この3つを持って生まれたのがあなたなのよ
もしもあんたを傷つけるものがあったら
あんたもガンガン戦っていいのよ
弱気になって戦う勇気が出ないときはこのケーキを思い出して
諦める前にね
ちなみに、このケーキについてるトゲトゲは初期に六道さんがソータに贈ったケーキにもついている。
エレナとソータを六道さんの真心(ソータには恋か)がつないでいる。
お見事すぎます~
【実は一番運命の二人、なサエコと薫子】
初期から匂わせ感といいますか、伏線はしっかりはってありましたけど、ここにきてなんとサエコと薫子は仲良しになってしまいます。
お互い大嫌いになってもしょうがない立ち位置なのに、全然嫌いにならないもんね。
薫子がサエコの悪口をいう場面は多々あるけど、本当に相性がいいのでしょう。
最初からサエコは薫子の魅力や実力を認めて…というか愛でていて、それを薫子もかわいく受け取っていたもんな~上手い、上手いぞ~。
薫子さんの目を通してサエコを見ると、意外なところが美点として認識されはじめます。
実際とても彼女がステキに描かれるしね。
関谷くんに対して薫子はけっこう執着してるので
「そんなに好みなら、もっとゆるくかまえて付き合えよ~」
と私は思って読んでいたのだけど、誰より薫子の好みなのはサエコだわ(笑)。
ただ、
「誰もが認める美女」
な薫子は
「ちっとも美人じゃないサエコ」
を最初バカにしてるんだよね。
う~む、美女も大変だな。
二人が星乃珈琲店でお茶する場面も、有楽町でお買いものする場面もかわいくて優しくて大好きです
これで知って星乃珈琲店のスフレパンケーキ(サエコが食べてたダブル)食べに行ったのだけど、美味しくてこれも大好きになっちゃいました
珈琲も美味しかったし~。
次はフレンチトースト(薫子が食べていた)を食べたい。
お買い物していた有楽町マルイもまた行きたいな~。
感化されやすい。
【社会=実生活、そして結婚という契約のでかさ】
このあたりでソータは
「最高の彼女をあっさり捨てて不倫女に走る嫌な男!」
という表現もできるのかなーと思うのですが(笑)。
彼は最初からファンタジー(サエコへの片想い)を全力で楽しみつつしっかり現実はわかっている人として描かれていた(でなきゃ若くしてしっかりお店まわせない)ので、結婚というあまりに大きい社会的制約がある以上、サエコの人生に本気で向き合えないのは仕方ないと私は思って読んでいた。
離婚してから来てくれよって感じ。
だってどうすんのよ、お店はじめたばかりなのに、サエコ夫と仕事のつながりだってあるのに、賠償金払える?
あらゆる報復にたえられる?っていうね。
サエコが本気でこっちにやってきたらどうしよう…と悩む場面はろくでなしだなとも思うが、まあそうですよねと思いながら読んだ。
年齢を重ねると同性キャラばかりに感情移入しなくなるのが面白いです。
【オリヴィエの気持ちがわかりすぎるんだ…】
8巻ラスト。
サエコがソータの人生からあっさり立ち去る場面。
もうサエコの内心を思うとかわいそうで仕方ない。
家出してからこの場面までにサエコの髪がのびて、学生時代と同じに飾りピンで前髪を留め、大好きな少女テイストのファッションに身をつつむのは、きっとサエコの心があの頃に帰っている象徴。
そして好きなものを取り戻した象徴でもあるのでしょう。
最期にショコラヴィからサエコを見送ったのは天使キャラのオリヴィエ。
優しいオリヴィエを前に、押し込めていた気持ちが溢れ出て、きちんと言葉に出したくなったのでしょう。
サエコはこんな言葉が溢れだします。
「きっとね、もっとね、いろんなタイミングとかがね、違ってたら、きっとあたしは…」
この先に続けたかったのはきっと
「ソータくんと恋人になりたかったんだよ」
かな?
ソータと一緒にいられたかもしれない“いま”を想う言葉だったには違いありません。
それをオリヴィエは
「ごめんね、ニホンゴよくわかんないんだ、バイバイ」
とバシッと止めて別れます。
想像ではありますが…私はオリヴィエの気持ちがよくわかる。
そんな大事なこと自分に勝手にぶつけていかないでって思ったんじゃないかな。
オリヴィエだけがサエコの気持ちをきちんと彼女の口からきいて知っている。
その真実を守って生きていかなければならない。
それはきついだろうよ。
バレバレなだけに、余計に。
少なくともコーヒーマドレーヌのシーンでは完璧にオリヴィエは気付いてますからね。
(ぼそぼそになったお菓子でこれやるとまぁまぁ美味しく感じるらしい)
この場面は『失われた時を求めて』を意識してるのかな。
あれはたしか紅茶だが。
そんな悲しく切なく、そして伏線回収が今回もお見事な7・8巻でありました。
【この巻で食べてみたいお菓子!】
7巻で食べてみたいのは、サエコにソータが作ってあげた真心フレンチトースト
最終巻でも回想される大切な食べ物です。
8巻では、元気が出るチョコバー。
わかるわ~サエコの気持ちわかるわ~しんどい時って貧血気味なのか、かたいものバリバリ食べたくなるよね。
私はたま~にセブンイレブンでブラックブロックチョコ(チョコバー。すごく美味しい)買って食べますよ。
バリバリかんでると元気でる。
貧血解消にはちゃんと肉食べたりビタミンとるべきなのだけど…美味しいよ…。
ソータの作るチョコバーはドラマ版と全然意味合いも違うので、ぜひ読んでたしかめてほしいな。
次は最終巻…ドキドキします…。
※毎度ですが、ネタバレしまくりです!自分で読みたい人は読了するまでこの記事は読まないでくださいね!※
『失恋ショコラティエ』言いたい放題記事、今回は7巻と8巻まとめて書きますね~。
ドラマ版でもすごい山になった
・サエコが家出してくる
↓
・ソータとサエコ、ばっちり肉体関係を持つ
↓
・なぜかサエコと薫子が仲良しになる
↓
・サエコの妊娠が読者に発覚
↓
・サエコは「帰る」といって去り、ソータはそれを引き留めない
という流れでございます。
【原作のサエコは同情してしまう…】
7巻のはじまりは家出してきたサエコがショコラヴィの前で立ち尽くしている…というものです。
ドラマ版と同じところもいっぱいあるけど、原作で読むと全然違います。
サエコがかわいそうでさぁ…ソータが好きな気持ち…好きというか、追い詰められて精神的に救いを求めているのがわかるのだもの。
ドラマ版のサエコって、同性間の友情がすごく薄っぺらい描かれ方をしていた記憶。
友達はいっぱいいるけど“玉の輿サークルの同胞”…みたいな?合コン仲間っていうか?
しっかりした友情に見えないんだよな~。
でも原作のサエコは大好きな女友達がいっぱいいて、特別な親友は一人ですし(クリスマスケーキ回にも出ている背の高い彼女)、女友達をとても大切に思っているのが描かれています。
「女友達が頼れなくて自分に気のある男のところへ」
ではなく、
「女友達にはできるだけ迷惑かけたくない」
としっかり考えていて、店の前にやってきた時点では“ヤってやる”というより
「会いたい」
という衝動…精神的すがりつきに見えました。
とにかく切ないのだ。
で、まぁ色々あって(ぜひ漫画で読んでみてね)サエコは
「ヤってやる、とにかくヤってやる」
と静かに意志を燃やし、ソータに裸で突撃し、しっかり目的を遂げます。
これは今まで描かれてきたモテ・愛され・そのための策略を欠かさないサエコとは全く違って、これはソータを他の女にもってかれたくない、という気持ちより自分を散々虐げレイ〇までしたダンナへの復讐って感じがする。
多分ですけど、もうこの時点のサエコは妊娠を自覚していて、
「やるなら今しかない」
と思ったんでしょうね。
ソータの子どもを妊娠することはないんだし。
「あそこにいるとあたしはモノになった気がするんだ」
と静かに泣く場面、あれがサエコの本音だよね、
でもそこでソータは
「何があったの?」
と聞かない。
それが物語の答えで、サエコもそれを静かに理解したんだと思う。
後に出てくる薫子さんとの場面でサエコは語っています。
「あー壁にうつってる幻なんだ」って
いつか気付いて心は自然と離れます
気づいちゃえば冷めるのは一瞬ですよ
クールだよね。
さすが、学園中のイケメンと“短期間付き合い”→“離婚歴のあるうんと年の離れた収入のいい男性と結婚した”という経歴の持ち主。
サエコもね~聞けないんだよ、きっと。
これわかってくれる人いると思うけど、子どもができるってとても大きいことですからね。
子どもがいなければ離婚するとか、他の異性とやり直すとかも現実的なんだけど(もちろん人によるんだが)妊娠するとなると…
「この子どもをどうにかしてまで…」
と考えてしまいがち。
判定も甘くなりそう。
私だったらたとえ子どもが生まれてから配偶者がモラハラ・暴力(性暴力含む)をやめたところで、今更ゆるせるだろうかって…考えちゃうなぁ。
難しい問題だ。
とにかく、初夜(笑)の時点でサエコの答えは出たわけです。
だから薫子に対してもソータのお父さんに対しても、
「ソータは何もやましいことはしていませんよ~」
というアリバイ工作?に全力で自らやってくれる。
サエコがソータパパに何度も身体についたアザを見せて、言葉にせずとも
「ダンナに暴力をふるわれて逃げ出してきました」
とアピールするのはあざとアピールってよりソータとサエコの生活を荒らさないためだと私は思って読んだかな。
エセ恋人気分を楽しみセック〇ばっかりソータとしたのは、
「選べたはずのもうひとつの人生を悔やむ自分」
を成仏させるためって感じがした。
【エレナ、プライベートでは商品にならないで】
7巻で美貌のヒロイン・エレナは友達にソータとの恋愛についてこう語ります。
「爽太くんにとってのあたしの価値は爽太くんが決めることだもん
あたしが文句言う資格はないよ」
この言葉、カッコいいって思う?
その通りって思う?
私は、エレナが職業上商品として見られすぎてその意識をプライベートに持ち込んでしまっている気がして悲しかった。
ソータは作中何度もエレナのプロ意識=仕事にストイックに打ち込み頑張るところ。を褒めたたえていて、それはたしかに彼女の魅力なんだけど。
恋愛は仕事=金が発生するものではない。
だからそんな悲しいこと言わないでよって思う。
「女(男)の価値は男(女)が決める」
って言葉にしたら悲しくない?
恋愛・パートナーシップ・結婚は生活。
命そのもの。
だからひどいことされたら
「私が彼にとってその価値の商品だから」
と黙ってないで、怒るとか報復するとかしてほしいな。
この話はバッチリラストの六道さんとの友情で昇華されるので、お見事!
この言葉ですよ。
美しいからだ
美しい心
美しい人生
この3つを持って生まれたのがあなたなのよ
もしもあんたを傷つけるものがあったら
あんたもガンガン戦っていいのよ
弱気になって戦う勇気が出ないときはこのケーキを思い出して
諦める前にね
ちなみに、このケーキについてるトゲトゲは初期に六道さんがソータに贈ったケーキにもついている。
エレナとソータを六道さんの真心(ソータには恋か)がつないでいる。
お見事すぎます~
【実は一番運命の二人、なサエコと薫子】
初期から匂わせ感といいますか、伏線はしっかりはってありましたけど、ここにきてなんとサエコと薫子は仲良しになってしまいます。
お互い大嫌いになってもしょうがない立ち位置なのに、全然嫌いにならないもんね。
薫子がサエコの悪口をいう場面は多々あるけど、本当に相性がいいのでしょう。
最初からサエコは薫子の魅力や実力を認めて…というか愛でていて、それを薫子もかわいく受け取っていたもんな~上手い、上手いぞ~。
薫子さんの目を通してサエコを見ると、意外なところが美点として認識されはじめます。
実際とても彼女がステキに描かれるしね。
関谷くんに対して薫子はけっこう執着してるので
「そんなに好みなら、もっとゆるくかまえて付き合えよ~」
と私は思って読んでいたのだけど、誰より薫子の好みなのはサエコだわ(笑)。
ただ、
「誰もが認める美女」
な薫子は
「ちっとも美人じゃないサエコ」
を最初バカにしてるんだよね。
う~む、美女も大変だな。
二人が星乃珈琲店でお茶する場面も、有楽町でお買いものする場面もかわいくて優しくて大好きです
これで知って星乃珈琲店のスフレパンケーキ(サエコが食べてたダブル)食べに行ったのだけど、美味しくてこれも大好きになっちゃいました
珈琲も美味しかったし~。
次はフレンチトースト(薫子が食べていた)を食べたい。
お買い物していた有楽町マルイもまた行きたいな~。
感化されやすい。
【社会=実生活、そして結婚という契約のでかさ】
このあたりでソータは
「最高の彼女をあっさり捨てて不倫女に走る嫌な男!」
という表現もできるのかなーと思うのですが(笑)。
彼は最初からファンタジー(サエコへの片想い)を全力で楽しみつつしっかり現実はわかっている人として描かれていた(でなきゃ若くしてしっかりお店まわせない)ので、結婚というあまりに大きい社会的制約がある以上、サエコの人生に本気で向き合えないのは仕方ないと私は思って読んでいた。
離婚してから来てくれよって感じ。
だってどうすんのよ、お店はじめたばかりなのに、サエコ夫と仕事のつながりだってあるのに、賠償金払える?
あらゆる報復にたえられる?っていうね。
サエコが本気でこっちにやってきたらどうしよう…と悩む場面はろくでなしだなとも思うが、まあそうですよねと思いながら読んだ。
年齢を重ねると同性キャラばかりに感情移入しなくなるのが面白いです。
【オリヴィエの気持ちがわかりすぎるんだ…】
8巻ラスト。
サエコがソータの人生からあっさり立ち去る場面。
もうサエコの内心を思うとかわいそうで仕方ない。
家出してからこの場面までにサエコの髪がのびて、学生時代と同じに飾りピンで前髪を留め、大好きな少女テイストのファッションに身をつつむのは、きっとサエコの心があの頃に帰っている象徴。
そして好きなものを取り戻した象徴でもあるのでしょう。
最期にショコラヴィからサエコを見送ったのは天使キャラのオリヴィエ。
優しいオリヴィエを前に、押し込めていた気持ちが溢れ出て、きちんと言葉に出したくなったのでしょう。
サエコはこんな言葉が溢れだします。
「きっとね、もっとね、いろんなタイミングとかがね、違ってたら、きっとあたしは…」
この先に続けたかったのはきっと
「ソータくんと恋人になりたかったんだよ」
かな?
ソータと一緒にいられたかもしれない“いま”を想う言葉だったには違いありません。
それをオリヴィエは
「ごめんね、ニホンゴよくわかんないんだ、バイバイ」
とバシッと止めて別れます。
想像ではありますが…私はオリヴィエの気持ちがよくわかる。
そんな大事なこと自分に勝手にぶつけていかないでって思ったんじゃないかな。
オリヴィエだけがサエコの気持ちをきちんと彼女の口からきいて知っている。
その真実を守って生きていかなければならない。
それはきついだろうよ。
バレバレなだけに、余計に。
少なくともコーヒーマドレーヌのシーンでは完璧にオリヴィエは気付いてますからね。
(ぼそぼそになったお菓子でこれやるとまぁまぁ美味しく感じるらしい)
この場面は『失われた時を求めて』を意識してるのかな。
あれはたしか紅茶だが。
そんな悲しく切なく、そして伏線回収が今回もお見事な7・8巻でありました。
【この巻で食べてみたいお菓子!】
7巻で食べてみたいのは、サエコにソータが作ってあげた真心フレンチトースト
最終巻でも回想される大切な食べ物です。
8巻では、元気が出るチョコバー。
わかるわ~サエコの気持ちわかるわ~しんどい時って貧血気味なのか、かたいものバリバリ食べたくなるよね。
私はたま~にセブンイレブンでブラックブロックチョコ(チョコバー。すごく美味しい)買って食べますよ。
バリバリかんでると元気でる。
貧血解消にはちゃんと肉食べたりビタミンとるべきなのだけど…美味しいよ…。
ソータの作るチョコバーはドラマ版と全然意味合いも違うので、ぜひ読んでたしかめてほしいな。
次は最終巻…ドキドキします…。